フィル・ネヴィン体制で初めての4連勝
現地2022年8月29日、この日からエンゼルスは地元カリフォルニアにてヤンキースを迎えての3ゲームシリーズです。デトロイト、タンパ、トロントと距離の長いロードでの10連戦を終えてやっとホームに帰ってきました。なお連戦はヤンキースとのこの3ゲームシリーズが終わるまで続き、13連戦となります。
すでにポストシーズン争いから離脱しているエンゼルスですが、ここに来ていい戦いを見せております。トロントとのゲームではウォード、テペラ、ループが注射未接種で不在の中、誰もが予想だにしなかったスイープを実現。
そして、この日もリーグ勝率2位のヤンキースを相手に、豪快な一発攻勢で接戦をものにしました。
ホセ・スアレスが6回2失点
標題には入れていなかったのですが、このゲームを作ったのは間違いなく先発のホセ・スアレス。 ジャッジ、スタントンの中核がラインナップに名を連ねる中、ホセ・スアレスは2回を終えて4奪三振と最高の立ち上がりを見せます。
しかも、2回表は、スタントン、トーレス、そしてリッゾを3者連続三振に斬って取るピッチング。
3回表は下位打線だったので、ここも順調に乗り切りたいところでしたが、さすがにそうやすやすとはピッチングをさせてもらえませでした。
先頭のホセ・トリビーニョをCFフライに打ち取り、1アウトを奪ったものの、アイザイア・カイナー=ファレファにはうまくボールを散らしてはいたのですが、四球。つづく、オズワルド・カブレラにはRFにしぶとく運ばれ、これでカイナーーファレファが3塁へ進み、1アウト1、3塁のピンチを迎えます。
まさかのスクイズ
ここでヤンキースはD.J.ルメイヒューで2巡目に回ってきました。
当然、最低でも外野フライを狙う打撃になるのかと思いきや、その初球になんとセイフティー・スクイーズ。確かに裏はかきましたが、ちょっと弱気ではないか?とも思いました。これでアウト1つを与えるわけですから。
2アウトとなり、アーロン・ジャッジに回りましたが、ここは敬遠。そしてアンドリュー・ベニンテンディーを2Bゴロに打ち取り、なんとか追加点は免れます。
ホセ・スアレスは4回表にも2アウトを奪ったも後に失点。アンソニー・リッゾにソロHRを打たれて2失点目。
しかし、5回、6回とよくしのぎきり、6回を投げて被安打が3、失点2、BB2、SO6、被本塁打1で降板。十分過ぎる内容でした。特に6回表にジャンカルロ・スタントンを三振に斬って取ったところは流れを渡さない、いい投球だったと思います。
好調レンヒーフォ
少し遡りますが、先制点を上げたのはエンゼルス。2回裏、先頭のルイス・レンヒーフォがヤンキース先発のフランキー・モンタスからRFへライナー性のソロHRを放ち、1-0。
レンヒーフォは四球が少ないので、OBPは高くありませんが、ここのところ、非常に当たっており、直近30試合は、127-35で打率.276、OBP .281、SLG .504で、HR6、RBIが21です。
頼りになるマッチョですね。
存在感のあるマイク・フォード
リッゾのソロHRで勝ち越しを許した直後の4回裏、エンゼルスは1アウトからマイク・フォードが同点となるソロHRをRFスタンドに放ちます。
マイク・フォードとは?
マイク・フォードがエンゼルスに来たのは現地2022年8月16日のこと。FAとしてマイナー契約を結び、現地2022年8月25日にメジャーへ上がってきました。サラリーはメジャー最低年俸の$0.7Mの日割りです。
マイク・フォードはもともとニュージャージー州の出身で大学はプリンストン。2013年、アイビー・リーグ初のプレーヤー・オブ・ザ・イヤーとピッチャー・オブ・ザ・イヤーの2つを獲得。1Bと投手の二刀流でした。
ドラフトで入ったのではなく、アマチュアFAとして2013年7月17日にヤンキースとサイン。デビューは2019年、マイナーで6年過ごし、26才でのデビューとなりました。デビューのきっかけはグレッグ・バードの怪我による欠場でした。
このルーキー・イヤーの2019年が今のところキャリアハイで、50試合に出場し、OPS.909でHR12をマークしました。かなりインパクトのある活躍を見せたのですが、その後は打撃に苦しみ、2021年6月12日にヤンキースをDFAとなり、レイズにトレード。そのレイズも2ヶ月ごの2021年8月21日にDFA。今度はナショナルズがウェーバーでクレームオフしました。そのナショナルズもシーズン終了後の11月にリリース。FAとなりました。
2022年はマリナーズとマイナー契約を結びます。しかし、4月25日にDFAとなり、マイナーへオプションされていました。
そしてジャイアンツへ移籍するも、1試合のみの出場で5月11日にDFAに。その後はトレードで再びマリナーズへ。マリナーズでは2回の在籍で計16試合に出場するも打率は.172と結果が出ず、またしても1ヶ月弱でDFAとなり、今度はブレーブスに移籍。これはマリナーズからウェーバーになっていたのをブレーブスがクレームオフしたのでした。
ブレーブスでは5試合のみでヒット無し。2022年8月10日にDFAとなり、同日にリリース。そして叙述の通り、2022年8月16日にエンゼルスとマイナー契約を結んだのでした。そして現在に至る。
今のところ、エンゼルスでは5試合に出場。19-6、打率.316、OBP .381、SLG .474、HR1、RBI 1。こちらもジャレッド・ウォルシュの胸郭出口症候群による補強での出場ですが、このままいい結果を継続出来るかどうか、MLBでのキャリアとしては崖っぷちではあるものの、今のところ、好調です。
5回に大谷選手が勝ち越し2ランHR
そして、2-2のタイスコアとなった5回裏、エンゼルスは2アウトからトラウトがシングルで出塁。大谷選手に打席が回ってきました。
大谷選手とフランキー・モンタスは何度も対戦している顔合わせです。大谷選手は2ストライクと追い込まれながら、スプリットに対応。やや泳がされたものの、パワーでRFスタンドに持って行きました。
大谷選手のこの2ランHRにより、エンゼルスが4-2で勝ち越し。大谷選手は29号!2年連続30号まであと1本(しかも投手をやりながら)。
ジミー・ハーゲットがゲームをクローズ
4-2のスコアのままゲームは8回に突入。エンゼルスのマウンドは7回からライアン・テペラが上がっていました。
ジャッジがテペラから50号!
テペラは上位打線に回るターンでまずはルメイヒューをSSゴロに打ち取り、1アウト。しかし、つづくアーロン・ジャッジへの3球目のカーブが甘く入り、CFへ一発を浴びて4-3の1点差に。四球でランナーがたまるのも、嫌なシチェーションでしたから、勝負を選択しましたが、やられてしまいました。
エンゼルスはここでホセ・キハーダにスイッチ。左VS左でベニンテンディーを抑えたかったところでしたが、シングルヒットを許し、雲行きが怪しくなり、ここでジャンカルロ・スタントン。
どうしても一発は避けたいところで、初球はチェンジアップが抜けました。しかし、これもいい緩急差となり、2球目で空振りを奪います。3球目は度胸よくインコースへ投げて詰まらせ、1Bのマイク・フォードへのポップフライに抑えました。そしてグレイバー・トーレスもCFフライに打ち取り、最大の山場をなんとかリードを保って終了させました。
9回はジミー・ハーゲット。2アウトからジョシュ・ドナルドソンにシングルを浴びたものの、シンカーがキレていて、見ていて危なげなかっです。結構、背信リリーフをするケースも多いのですが、この日はナイスピッチングでした。
ハーゲットのERAの推移
なお、ジミー・ハーゲットはERAの数字が月ごとに大きく変わります。
今季はレンジャーズでのスタートでしたが、4月13日にDFA、その2日後、FAとなりました。エンゼルスとはFA直後にサイン(マイナー・ディール)。4月のERAは5.56。
5月ですが、なんと0.66という素晴らしい数字をマーク。ところが、6月にはまた5.56に逆戻り。8月はここまで0.56です。隔月で良くなったり、悪くなったり。
なお、7月はショルダー・イシューで1ヶ月ほどマイナーでのリハビリ登板が続いたので、成績の凸凹の理由は肩の調子次第というところのようです。
それにしても、ゲームフィニッシュまで任せられるほどの投球になっているとは、驚きでもあります。
エンゼルスは4連勝。しかも手強いトロントとヤンキースを相手にです。このシリーズのあと2試合も楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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