稀に見る交代劇
現地2025年9月28日にMLBは2025年のレギュラー・シーズンの日程が終了。現地2025年9月29日はポストシーズンが始まる束の間のオフで、実質移動日でもあります。
レッズなどは最良のシナリオで勝ち残った場合に備え、次のホームゲームまで最長で10日間の遠征の準備をして最後のロードゲームに臨みました。結果はまずはその半分の5日分は無駄になりませんでしたね。
そんな中、この日は続々と監督の去就が明らかになりました。このあたりの割り切り方はアメリカという感じですね。
監督が辞めるところから見て行きます。
ジャイアンツ:ボブ・メルビン(解任)
ジャイアンツとボブ・メルビンは2023年10月に以下の契約でサイン。
- 2年 (2024-25) + 2026 オプション
そして、2025年7月に2026年のクラブ・オプションをすでに行使しておりました。しかし、シーズン終了後、契約の2年間でポストシーズン出場なしが決まると、ジャイアンツは来季のオプションを撤回。29日に解任を発表しました。一旦はオプション行使をした上の撤回のため、ボブ・メルビンに何等かの保障があるのかどうかまではわかりません。
POBO(President of Baseball Operations)のバスター・ポージーは、2024年9月30日の就任以来初めて監督を選出することになります。ボブ・メルビンは、ファーハン・ザイディが招いた監督でした。
ボーチー、再び!?
なお、まだ噂レベルですが、バスター・ポージーはレンジャーズの監督を今季限りで退任するブルース・ボーチーを呼び戻すかも!?という話も。その根拠はバスター・ポージーとブルース・ボーチーは11年間の師弟関係であったというのが一番大きなポイントなのですが、すでに70歳となり健康問題も抱えるブルース・ボーチーが再びフィールドに戻るのか?という側面もありますし、レンジャーズがフロントオフィスのポジションを用意したとも。
ここはまだ様子見ですね。
レンジャーズ:ブルース・ボーチー(退任)
ブルース・ボーチーとレンジャーズの契約は以下の通りでした。
- 3 年 (2023-25)
レンジャーズはもともと2019年でジャイアンツの監督を退任し、監督としても引退していたブルース・ボーチーを復帰させた経緯がありました。その決断はすぐに実を結び、レンジャーズは2023年にワールドシリーズ優勝!クラブ史上初のことです。
しかし、その後の2シーズンはポストシーズン進出圏外となりました。2025年は81勝81敗で5割でフィニッシュ。一時はワイルドカード進出圏にも出たのですが、最終的にWCのNO.3スポットから6ゲーム差で落としました。クラブ側とボウチーは当初通りの任期終了で合意。ボウチーは、レンジャーズからアドバイザーとしてフロントオフィスのポジションに残ることを提示されていました。これを受けるかどうかはまだ不明。もし、ボーチーがまだ現場で指揮を執る意思があるなら、ということで上記のジャイアンツの噂が出たというところです。
次は元マイアミの監督が!?
噂ではレンジャーズは、元マーリンズ監督のスキップ・シューメーカーが後継者候補として浮上しております。スキップ・シューメイカーは2024年11月にPOBOのクリス・ヤングのシニアアドバイザーとしてフロントオフィスに加わっておりました。果たして現場復帰はあるでしょうか?
ツインズ:ロッコ・バルデッリ(解任)
2025年のツインズはそもそもクラブ売却の噂が出るなど、なかなかフィールドに集中出来る状況ではなく、オフの補強も地味。トレード・デッドラインでももちろん売りに走り、カルロス・コレアをアストロズに戻しました。
ロイス・ルイスほかけが人も多く、70勝のフィニッシュとなり、ALワースト2に。これは2016年以来、クラブ最少の勝利数です(短縮の2020年を除く)。
2025年の不調はベンチのせいではなく、クラブ側の経営の問題でもあったのですが、ツインズは7シーズン指揮を執ったロッコ・バルデッリ監督を解任しました。
37才で監督に就任したロッコ・バルデッリは就任1年目の2019年に101勝をマークし、AL MOYを受賞。
そのバルデッリを招聘したのは当時ツインズのPOBOであったデレク・ファルビーと、元GMのサド・レバイン。現在もBO(Baseball Operations)の要職にいるファルビーが、次の監督選びを主導します。
STLのマーモルは?
2025年に78勝84敗でNLセントラルの4位に終わったカージナルスのオリバー・マーモルもやばいです。2022シーズンから指揮を執っていたオリバー・マーモルは当時35歳での監督就任が話題となりました。
就任1年目の2022年に地区優勝を果たしたマーモルでしたが、それ以降、ポストシーズンの出場はなし。2024年3月に延長契約となり、現在は2年(2025-26)契約の真っ最中ですが、任期半ばでの解任も噂されております。
暫定監督
シーズン途中で監督が交代したクラブはこちら。
オリオールズ
- 前監督:ブランドン・ハイド
- 暫定監督: トニー・マンソリーノ
オーナーも代わったオリオールズでしたが、2025年は低迷。75勝87敗でALイーストの最下位となりました。2025年5月半ばには7シーズンにわたりチームを率いていたブランドン・ハイドを解任。この決断は愚か過ぎました。ハイドのせいではないのが明らかだったにもかかわらずです。後任には2021年から3Bコーチを務めていたトニー・マンソリーノが暫定監督として指揮を執り、成績は60勝59敗でした。
現段階ではトニー・マンソリーノが正式な監督として指揮を執ることが濃厚ですが、他の候補も一通り当たるそうです。
ロッキーズ
- 前監督:バド・ブラック
- 暫定監督:ウォーレン・シェーファー
開幕40試合で7勝33敗というMLB史上ワーストの成績を残したロッキーズは9年目のバド・ブラックを解任。3Bコーチのウォーレン・シェーファーが暫定監督を務めました。しかし、シーズン通算は43勝119敗で、辛うじて前年のホワイトソックスのワースト敗戦数を避けたのみでした。
ここはもうクリス・ブライアントの怪我の問題を含めたフロントの経営の問題で、今の体制だと監督が誰になっても厳しい状態です。
ナショナルズ
- 前監督:デーブ・マルティネス
- 暫定監督:ミゲル・カイロ
ナショナルズもクラブ売却の話がありつつも、その話は一旦立ち消え。オフにはそれなりの補強を見せましたが、2019年のワールドシリーズ制覇以降6年連続で負け越し。
デーブ・マルチネスは7月6日に解任。同時にGMのマイク・リゾ氏も解任となりました。
ナショナルズはレッドソックスのシニアバイスプレジデント兼アシスタントGMのポール・トボニを新しくPOBOに任命。新しい体制を整えつつあります。トボニの初仕事も監督選任となりました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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