ドジャース、メッツを上回るタイガース!
現地2025年5月21日、デトロイト・タイガースはカージナルスに5-1のスコアで快勝。
これでカージナルスとの3ゲームシリーズを2勝1敗としたタイガースは5月に入ってからエンゼルス、ロッキーズ、レンジャーズ、レッドソックス、ブルージェイズそしてカージナルスと戦い、唯一負け越したのはレンジャーズとの3ゲームシリーズのみ。あとはすべて勝ち越して、ロッキーズとレッドソックスからはスウィープ勝ちを納めています。
そんなタイガースはこの日で50試合に到達。この日でまだ50試合に到達していないクラブも複数ありますが、50試合時点の成績はタイガースが33勝17敗で現時点ではあのドジャースをも上回り、MLB NO.1の勝率をマーク。
さらにこの50試合時点での勝利数はワールドシリーズまで到達した2006年の35勝15敗に次ぐ好成績です。
2024年にヤング・タイガースとして台頭してきた力がいよいよ本物になってきた感があります。
Team | W | L | PCT | L10 | RS | RA | DIFF | HOME | AWAY |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DET | 33 | 17 | .660 | 7-3 | 267 | 182 | +85 | 17-5 | 16-12 |
PHI | 31 | 18 | .633 | 8-2 | 241 | 204 | +37 | 17-8 | 14-10 |
LAD | 31 | 19 | .620 | 5-5 | 284 | 222 | +62 | 19-8 | 12-11 |
NYY | 29 | 19 | .604 | 7-3 | 275 | 181 | +94 | 17-9 | 12-10 |
CHC | 30 | 20 | .600 | 7-3 | 293 | 210 | +83 | 15-10 | 15-10 |
投資額(選手のサラリー)NO.18が勝率トップ
興味深いのは上記の勝率トップ5のうちナ・リーグが3クラブ入っており、いずれも$200M以上の大きな投資(大型契約をしている選手が複数いるという意味)を行ってきたクラブばかりという点。ALのヤンキースもその点では同じです。
タイガースは現時点で40manロスターのサラリーが$161.8 MでMLBで18位。まだシーズンの1/3にも到達していないですが、ここまでの戦いぶりはすごいの一言です。
この日も素晴らしい勝ちっぷり
カージナルスとのGm3ですが、タイガースはブルペン・デーとなっていて、こんな日はいつも以上にチームワークが必要。2024年終盤もそうであったようにタイガースはこの日もそれを実行しました。
先発のブラント・ハーターが3イニングをスコアレスでスタートさせ、この時点でタイガースの得意のペースです。つまりゲームを壊しさえしなければかなり勝率が上がるということ(当たり前ではあるのですが・・・)。そしてブルペンを楽にするために打線が援護。
タイガースは2回表にライリー・グリーンとスペンサー・トーケルソンが連続シングルを放ってコルト・キースの犠牲フライでまずは1点を先制。この得点の奪い方もしぶいです。
また4回表にはスペンサー・トーケルソンがソロHRを放ってリードを2点に(DET 2 @ 0 STL)。
2番手のチェイス・リーは4回、5回をパーフェクト・リレー。
6回表には2つの四球を絡めてディロン・ディングラー
がタイムリーを放って3-0。ただ、6回裏はショーン・ガンサーとブレント・ハニフィーで1点を献上するも、被害は最小限の1点のみ。
7回裏は4番手のタイラー・ホールトンが好投。
8回表の攻撃ではハビアー・バイエスのタイムリーなどで2点を追加したタイガースは5-1とリードを拡大。
8回裏、9回裏はボー・ブリスキーが2イニングを投げ、カージナルス打線を封じ、なんとブルペン・デーで勝利を納めたのです。
4/5月は圧巻の勝率
そんなタイガースの開幕からここまでの月別勝率です。開幕はドジャースとの3連戦で、そこではスウィープされてしまい、このままずるずる行かないか心配になりましたが、あれよあれよという間にその3連敗を埋め、4月の勝率はダブルスコアーで勝ち越し。5月もそのペースで進んでいます。
Split | W | L | RS | RA | W-L% |
March | 1 | 3 | 21 | 26 | .250 |
April | 18 | 9 | 124 | 79 | .667 |
May | 14 | 5 | 122 | 77 | .737 |
実は際立ったトップ成績無し
タイガースのチーム・スタッツですが、ご覧のように際立ってトップというのがありません。打撃成績はAVG、OPS、HitsなどでMLBで6位。その他のチームHR数などは多いわけももないのであえて載せていませんが、他と勝負出来る指標でも6位でALでは2位。
Team Stats | DET | MLB | AL |
AVG. | .259 | 6 | 2 |
OPS | .752 | 6 | 2 |
Hits | 440 | 6 | 2 |
では投手成績はどうかというとこれも際立ってはおりません。
Team Stats | DET | MLB | AL |
---|---|---|---|
ERA | 3.32 | 5 | 4 |
Starter-ERA | 3.41 | 6 | 4 |
Reliever-ERA | 3.19 | 5 | 3 |
WHIP | 1.17 | 5 | 4 |
ただし、非常にバランスがよくスターター、ブルペンともに好成績をマークしているのは確かで、どちらかいうとNPBの野球に近いところがあります。
【投手】サイ・ヤング賞のタリク・スクーバルの存在
やはり投手の中心は2024年のサイ・ヤング賞投手、タリク・スクーバル。勝利数こそリース・オルソンと並び、ケイシー・マイズよりも少ないですが、相手チームからかなりマークされている中、実力通りの数字をマーク。BBの少なさとSOの多さを見れば彼の力の偉大さは歴然です。
ただ、リース・オルソンに故障が発生してしまいましたが・・・。
そしてケイシー・マイズ、ジャクソン・ジョーブも期待通りの成績をマーク。負け越してはいますが、2024年の前半に好成績をマークしたジャック・フラハーティーの存在も大きいです。
# | Pitcher | Age | W | L | IP | ERA | BB | SO |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | T・スクーバル(L) | 28 | 4 | 2 | 59.2 | 2.87 | 7 | 79 |
2 | R・オルソン | 25 | 4 | 3 | 48.2 | 2.96 | 19 | 51 |
3 | J・フラハーティー | 29 | 2 | 5 | 46.2 | 4.44 | 15 | 56 |
4 | C・マイズ | 28 | 6 | 1 | 42.2 | 2.53 | 9 | 35 |
5 | J・ジョーブ | 22 | 4 | 0 | 39.1 | 4.12 | 22 | 32 |
6 | K・モンテロ | 24 | 1 | 1 | 30.2 | 5.28 | 13 | 21 |
そしてブルペンはトミー・ケインリーが予想以上に機能。他にも高品質ERAの投手ばかりです。5点台となっているボー・ブリスキーも本来なら力のあるリリーバー。
【打撃】バイエスが復活!
打者ではスペンサー・トーケルソンが持ち味の長打力を発揮。
3BとDHは弱めですが、どの選手も軒並み高打率です。
Pos. | Player | Age | BA | OBP | SLG | OPS | HR | RBI |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C | D・ディングラー | 26 | .299 | .324 | .463 | .786 | 4 | 18 |
1B | S・トーケルソン | 25 | .249 | .357 | .532 | .889 | 12 | 39 |
2B | G・トーレス | 28 | .281 | .363 | .432 | .794 | 5 | 24 |
SS | T・スウィーニー(L) | 25 | .242 | .303 | .35 | .653 | 4 | 23 |
3B | J・ヤング(L) | 24 | .111 | .245 | .111 | .356 | 0 | 3 |
LF | R・グリーン(L) | 24 | .287 | .343 | .532 | .875 | 12 | 34 |
CF | J・バイエス | 32 | .284 | .322 | .468 | .790 | 6 | 29 |
RF | Z・マッキンストリー(L) | 30 | .284 | .365 | .419 | .785 | 2 | 17 |
DH | J・ヘンリー・マロイ | 25 | .193 | .337 | .277 | .614 | 1 | 14 |
OF | K・カーペンター(L) | 27 | .278 | .309 | .503 | .812 | 10 | 22 |
INF | C・キース | 23 | .225 | .338 | .367 | .705 | 4 | 13 |
捕手では2024シーズンに活躍したジェイク・ロジャースが控えに回るほどディロン・ディングラーが好成績をマーク。
そして2024シーズンは不調だったハビアー・バイエスがOFにコンバートされ、打撃が復活。怪我で離脱しているパーカー・メドウズの不在を打ち消すくらいの活躍を見せています。ベテランの復活は大きいです。
以上、大きく目立つ選手はタリク・スクーバル、ジャック・フラハーティー、ハビアー・バイエスという面々ですが、ケイシー・マイズ、スペンサー・トーケルソンというかつてのドラフト上位選手(タリク・スクーバルもそうですが)が成熟期に入りつつあり、さらにジャクソン・ジョーブのようなトップ・プロスペクトも力を発揮しています。
タイガースはバランスがいいですし、負けにくい野球をしていると思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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