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【CBA交渉】2月28日までに合意に至らない場合、2022年は短縮シーズンに

合意の期限は2月28日まで

 現地2022年2月23日(水)、MLBと選手会は3日連続で団体交渉を実施。前日まで2日続けて行われた交渉ではどちらも相手側の最新の対案には満足していない状況。そしてこの日も結論から言えば、大きな進展はありませんでした。

 この状況を受け、MLB(オーナー側)は、合意のデッドラインを2月28日までとし、それまでに合意に至らなければ、2022年のレギュラーシーズンの試合数はずれ込むだけキャンセルされるとの考えを表明しました。

 スプリングトレーニングの準備期間は最低でも4週間はキープすることを考えると、28日が確かにデッドラインではあります。

試合を補填する予定はない

 前の週に、MLBは選手会に対し、2月28日がレギュラーシーズンに影響を与えない合意のデッドラインと見ていると通告済みではあります。

 ただ、MLBはロックアウトの発動と解除を一方的に行える立場ではあります。前日の記事でも書かせていただいた通り、結果揉めはしましたが、新CBA(労使協定)の合意なしにレギュラーシーズンをスタートさせた過去もありました。

 野球人気の低迷の阻止などを考えると、その可能性もゼロではないものの、MLB側は「失われた試合」を後日に補填する予定はないとしており、選手会側に暗に大いなる妥協を要請している感もあります。

キャンセルされる試合にはサラリーは出ない

 もしもレギュラーシーズンの試合数が減った場合、その分は選手に支払われません。MLBがとった表現を使えば、「選手には失われた試合の小切手を取り戻す機会がない」ということ。

 選手のサラリーは年俸を162試合で割った日割りを単価として、実施された試合数を掛けることになります。

 仮に$16.2Mのサラリーの選手がいたとして、日割りは$0.1M。1試合あたりのサラリーですね。仮に140試合の実施になったとすると、2022年の年俸は$14.0Mです。

 こういう状況ですから、シーズン序盤の試合を欠くことで痛いのはやはり選手側。MLB(オーナー側)はこの点で圧をかけてきたような状況です。

選手会「拡大プレーオフは拒否する」

 ポストシーズンの拡大は、MLB側にとって重要なゴール。これが合意となれば、ポストシーズンに追加ラウンドが発生することになり、これが放映権収入の拡大にもつながります。それを得たいMLB側の思惑を知っているので、選手会もそれを盾にして反論したというところです。

最低年俸に新提案

 23日の団体交渉に関してですが、MLBが選手会からの最新のオファーの対案を出しました。

【22日に選手会が出していた最低年俸】

  • 選手会側:$0.775M(すでに提示されていた提案)22日、これを1年目の最低年俸に
    • MLS 1-2年: $0.805M
    • MLS 2-3年: $0.835M
    • MLS 3-4年: $0.865M
    • MLS 4-5年:$0.895M

 わずかながらのアップ提示です。それまでMLB側はサービスタイムによって上げて行く方式を提示(選手会が提示しているようなモデル)していましたが、下記のようにシーズンによって$0.01Mずつ上げていくという提示をしました。

【23日にMLBが提示した最低年俸のモデル】

  • 2022: $0.64 M
  • 2023: $0.65 M
  • 2024: $0.66 M
  • 2025: $0.67 M
  • 2026: $0.68 M

 まあ、合意にはならないでしょうね。ここでも大きな開きがあります。

 2021年の最低年俸は$ 0.5705Mでした。

戦争と経済とインフレ

 一説によれば、インフレに追いつくためには2022年に$ 0.65Mという数字も出ています。

 日本時間2022年2月24日、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まりました。早速、市場も反応しており、原油はUS$100/バレルと跳ね上がってきました。ウクライナはヨーロッパの穀倉地帯とも言われ、国旗は上半分が空をイメージしたブルー、下半分がイエローで、そのイエローは実は小麦を表しています。それほど豊穣な土地。そのウクライナが侵攻されたということで、小麦の値段も上がっています。

 危機に強いゴールドも上がっていますし、これからちょっと先が読みにくい状況になってきました。これらはファンドを形成しているオーナー達にも大きな影響を与えそうです。

 今回のCBAの更新では若い選手たちがキャリアの早い段階でサラリーをアップさせることを目標に掲げている選手会。実際に活躍している選手はFA前の選手が多いのが実態ですし、ファンとしてもやはり頑張った選手は報われて欲しいと思います。大谷選手にしてもFA前ですからね。

 オーナー側からすれば、サラリーが上がる要素ばかりではないかということで、調停前選手のボーナスプールやこのミニマム・サラリーの金額も少ししか上げてきません。このままだと今のいびつな経済構造は変わらないんですよね。

 選手会は、サラリー・ダウンし続けているゆえに、引くに引けないところもあります。

【MLBシーズン別ペイロール総額】

  • 2016: $4.07 billion
  • 2017: $4.25B
  • 2018: $4.23B
  • 2019: $4.22B
  • 2021: $4.05B

 レギュラーシーズンを予定通り開始するためには、このミニマム・サラリーだけでなく、CB TAX(贅沢税)、調停前選手の対象の拡大、ドラフト・ロッタリー、プレーオフ拡大まで、今後わずか数日で解決しなければならない問題が山積の状態です。

 両者は24日にも会合を開き、末日まで毎日話し合う予定ですが、ゲームチェンジャーになりそうなトピックもない中、日々刻々とシーズンの短縮が現実味を帯びています。

 現時点が年齢的にもピークにある選手がたくさんいますし、2022年で引退する選手もいます。よって、試合数は162で戦って欲しいですね。そのうち、お金の闘争以外の要素で試合が出来なくなることもあり得る情勢です。すでに2020年のコロナ・パンデミックで痛い経験したばかりですから、早く解決してもらいたいですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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