歴史に残る0.1イニング
Shane McClanahan became the first MLB pitcher ever to make their debut in a playoff game.
— Baseball America (@BaseballAmerica) October 6, 2020
A brief bit of history from last night’s Rays/Yankees game ⬇️ https://t.co/6BRR4s3gVN pic.twitter.com/PPQoUjf7LB
現地2020年10月5日、いよいよALDSが始まりました。
大注目のヤンキース@レイズ戦の詳報は後ほど記事にしたためたいと思いますが、その前にワクワクする出来事がありました。
タンパベイ・レイズのプロスペクト左腕のシェーン・マクラナハン(Shane McClanahan )がポストシーズンでMLBデビューを果たしました!
投手では史上初の出来事
シェーン・マクラナハンはレギュラーシーズンでは登板なし。ポストシーズンが正真正銘のメジャー・デビューです。
シェーン・マクラナハンはワイルドカードシリーズの時点ですでに28人のアクティブ・ロスター入りを果たしていました。しかし、登板の機会はなく、ケビン・キャシュ監督はどうするのか?と思っていましたが、なんとディビジョン・シリーズで起用してきました。点差が開いてしまった状況でしたので、いい機会だと判断したようです。
なお投手がポストシーズンでメジャーデビューを果たしたのは史上初の快挙です。
ポジション・プレーヤーでは過去に実績あり
過去にはポジション・プレーヤーではポストシーズンがMLBデビューとなったケースがあります。
マーク・カイガー/ アスレチックス(2006)
Only player in @MLB history to play in #postseason but never a regular season game: @Athletics Mark Kiger 2006 #ALCS pic.twitter.com/EKPKUosjDu
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) October 3, 2014
アスレチックスのマーク・カイガー(Mark Kiger)が2006年にレギュラーシーズンの出場なしにポストシーズンでデビューを果たしています。
タイガースとのALCS Game 3で8回から守備についたのが史上初のポストシーズンでのMLBデビュー。
しかし、マーク・カイガーは、つづくGame4でも9回の守備につくも、いずれも打席には立ちませんでした。
そして、マーク・カイガーのメジャーでの実績はALCSで守備についたこの2試合のみです。26才と遅咲きのデビューでもありましたし、非常に特殊なケースでした。
アダルベルト・モンデシー/ ロイヤルズ(2015)
2020年ア・リーグの盗塁タイトルを獲ったアダルベルト・モンデシーも実はポストシーズンがメジャー・デビューでした。ロイヤルズがワールドシリーズ・チャンプに輝いた2015年のポストシーズンです。しかも舞台はワールドシリーズ。モンデシーはGame3の9回に登場。対戦相手がメッツでしたので、投手のダニー・ダフィーに打席が回ってきたところで代打で登場。ノア・シンダーガードから空振り三振を奪われました。
おそらくワールドシリーズでのMLBデビューは今後しばらくは出てこないのではないかと思います。
アレックス・キリロフ/ ツインズ(2020)
また、今季、ツインズでも同じことがありました。外野手のアレックス・キリロフ(Alex Kirilloff)がレギュラーシーズンの出場なしにポストシーズンでメジャーデビューを果たしました。9月30日に行われたアストロズとのALワイルドカード・シリーズにスターティングで出場。4打数1安打を放ちました。
以上、ポジション・プレーヤーで例はあっても、投手としては今回のシェーン・マクラナハンが最初の投手ということになります。
追記:ライアン・ウェザーズ/パドレス(2020)
シェーン・マクラナハンがポストシーズンでのメジャー・デビューを果たした翌日のNLDS Game1でパドレスの20才のプロスペクト、ライアン・ウェザーズもレギュラーシーズンの登板なしに、ポストシーズンでのメジャー・デビューを果たしました。投手では2番目。
ライアン・ウェザーズは2018年のパドレスの1巡目指名。2017年U18のアメリカ代表で、日本を4-0でシャットアウト勝利で下したゲームの左腕です。
速い!
シェーン・マクラナハンが登板したのは9回2アウトから。接戦が続いていた展開で、ジョン・カーティスがジャンカルロ・スタントンにグランドスラムを打たれ、3-9とゲームが決まり、緊張の糸がプツリと切れた後での登板でした。
しかし、ジョン・カーティスが残したランナー、グレイバー・トーレスが2塁に盗塁し、スコアリング・ポジションにランナーがいる状況。ここでさらに1点を奪われてしまうと翌日のゲームにも影響が出かねないという状況でもありました。
満塁のピンチでルメイヒュー!
シェーン・マクラナハンはメジャーでの初の打者となったブレット・ガードナーを相手にガンガンと強いボールを投じていきました。
初球がいきなり98.1mph。その後もファストボールで押して、ボテボテの2B前のゴロに仕留めたのですが、2Bのブランドン・ラウに任せれば良い打球を深追いしてしまい、ロウと軽く衝突。ちょっと気合が空回りしました。グレイバー・トーレスは3塁に進塁し、2アウト1、3塁。
Shane McClanahan making both his major league debut and major league blooper reel debut in the playoffs wow. pic.twitter.com/UVsdn68vgj
— Roger Every Damn Day is Halloweenier (@yayroger) October 6, 2020
つづくカイル・ヒガシオカには3ボール先行となりながらも、ファウルでフルカウントまで整えたものの、最後は四球で満塁に。
ここでバッターはDJ・ルメイヒュー。またしてもグランドスラムが頭をよぎった場面でしたが、ルメイヒューには臆せず、2シームで投手ゴロに。
メジャー初登板は、0.1イニング、被安打1、四球1でとりあえずはERA 0.00デビューとなりました。
ファストボール一本槍
ALDSがデビュー戦でしかも6点差が開いているのですから、もう腕を振るしかありませんよね。この日投じた15球はすべてファストボール。
DJ・ルメイヒューを打ち取った最後のボールだけが2シームで、91.1mph。あとの14球はすべて4シームでアベレージで98mph、MAXが99.5mphを計測しました。
投げ方も美しく、大崩しそうにありません。
もう少し余裕ができればスライダーやチェンジアップも見られるかもしれませんね。
とにかく、いい投手でケビン・キャッシュ監督が使いたくなるのもよくわかりました。
シェーン・マクラナハンとは
かんたんにプロフィールを記しておきたいと思います。シェーン・マクラナハンは1997年4月28日生まれの23才(現地2020年10月5日時点)。
高卒時の2015年にメッツから26巡目指名を受けるも、タンパベイにあるサウス・フロリダ大へ進学。2018年にレイズから1巡目指名(全体31位)を受け、プロ入り。
2019年はシングルA-からA+、最終的にはダブルAにまで昇格していました。2019年のすべてのレベルでの成績は、24試合中、22スタートで120.2イニングを投げ、11勝6敗、ERAは3.84。奪三振は154でSO9は11.5。
ダブルAでは4スタートで1勝1敗、ERA 8.35。
彼がレイズにとって良いきっかけになればよいなと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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