デトマーズのノーヒッターの裏で
現地2022年5月10日のレイズ@エンゼルス戦は、エンゼルスにとってもうお祭りのようなゲームとなりました。22才のルーキー、リード・デトマーズのノーヒッターがその最たるものですが、その大記録達成の裏でも色々なことが起き、中でも本来、右打者でもあるアンソニー・レンドンの左打席でのHRはメジャー・リーグの面白さを示してくれた出来事だったと思います。
LAAの大量リードでブレット・フィリップスが登板
アンソニー・レンドンが左打席に立った背景は、エンゼルスの大量リードによるポジション・プレーヤーの登板にありました。
このゲームは、昨年ノーヒット・ノーランを達成したレイズ先発のコーリー・クルーバーが序盤からエンゼルス打線に捕まり、3回を終えて被安打11、自責点8と大乱調。これでゲームが決まってしまいました。
それでもレイズは4回以降、4人のリリーバーが1イニングずつ担い、以降は被安打を2本しか許していませんでした。
リリーバーが好投しているうちに、なんとか詰め寄りたかったレイズでしたが、上述の通り、リード・デトマーズに完璧に抑えられ、ノーチャンスという状況。これ以上、リリーバーを投入出来ないと判断したケビン・キャッシュ監督は、8回裏にポジション・プレーヤーのブレット・フィリップスを起用。昨年から話題になっていましたね。
今季もすでに1度登板しており、4月11日のアスレチックス戦で2イニング、28球を投げ、被安打3、失点4、BB2、被本塁打1を記録。
エンゼルス打線を相手にどんな投球を見せるか?というところでもありました。
エンゼルス、遠慮なしwww
もう失点覚悟で登板させてはいるものの、”Unwritten Rule”というのがあります。不文律ですね。これ以上相手に恥をかかさないという配慮でもあります。
手を抜くのではないのですが、ただ、これは場合によっては、打撃の調子を狂わせてしまう恐れもあり、やるなら真剣にゴロを打つなどしなければなりません。
いつも通り、55mphほどの遅いボールでタイミングを狂わせる作戦に出たブレット・フィリップスでしたが、エンゼルス打線は調子が良いので、当然これにも対応出来てしまったわけですね。
気づけば、アンドリュー・ベラスケスがシングル、ブランドン・マーシュは2Bゴロ、マイク・トラウトに至っては、CFへHR!
さらに、大谷選手もあわやHRかという大きな当たりの2塁打となりました。
もう遠慮なしのエンゼルス打線でしたが、次に打席に入ったのがアンソニー・レンドン。
やはり打撃の調子を崩すのを恐れたレンドンは、左打席用のヘルメットをかぶって登場。その2球目、まるで右打席を鏡に映したような美しい打撃フォームで、低めのスローボールを拾い、これが左中間スタンドに入るHRに。
これには驚かされました。Unwritten Rule対応としてもこれしかないというものでした。ファンも喜ぶし、打たれたフィリップスもなんら恥じることはありません。
結果、エンゼルスはこのイニングに4点を追加、18安打を放ち、次の回の守備へつなげ、見事リード・デトマーズがノーヒット・ノーランを達成!12-0のスコアで勝利したのでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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