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【MLB2020FA】レッドソックス、元アストロズで、肘痛からの復帰を目指すコリン・マクヒューとサインへ(追記あり)

レッドソックス、ローテ補強実現?

 先日来、クリス・セールの肘の状態について書いてきましたが、いずれにせよレッドソックスに足りなくなったのはローテーション投手。内部からのアサインを想像していましたが、2020年3月1日時点で贅沢税上のサラリー総額が$191.579Mと$208Mの上限にスペースがあることから外部から戦力を補強するに至りました。ただし、心配ごとも。それは後述します。

 現地2020年3月5日、元アストロズ右腕で2020年FAとなったコリン・マクヒュー(Collin McHugh )とサインしました。メジャー契約です。

契約内容

 レッドソックスとコリン・マクヒューの契約内容は、1年$0.6M(2020)。レッドソックスは$1M以下でサインするという慎重さ。パフォーマンスボーナスがついており、 最大$4.25Mとなる設定となっています。

 【コリン・マクヒューのパフォーマンスボーナス】

  • イニングピッチド: 30、 35、 40、 45、 50、 55、 70、 80、 90、 100、 110、 115イニングをクリアーするごとに$0.25M。12段階に分かれていますから、$0.25M x 12 でここで最大で$3M。
  • ロスターボーナス:
    • MLBロスターに入ること15日、 30日、45日、 60日ごとに $0.1M。これは40manですね。$0.1M x 4段階で$0.4M。
    • 90日以上で$0.25M
    • $0.4M + $0.25Mで$0.65M

よって、サラリー$0.6M +パフォーマンス・ボーナス $3M + $0.65Mで$4.25Mです。なお、コリン・マクヒューの2019年のサラリーは$5.8M。アストロズと調停を避けてサインしておりました。

コリン・マクヒュー、開幕間に合わず

 ローテーション補強を行いたいレッドソックスですが、ここでコリン・マクヒューに関して大事なことが。コリン・マクヒューは5日に契約ですから、まだ今スプリングトレーニングの実践で投げておりません。

 レッドソックスは情報を持っているでしょうが、ブルペンセッションも行っていたかどうかは定かではありません。よって、今回のサインはレッドソックスとしても開幕に間に合わないことを承知した上でのサインしています。

 これがどうでるか、シーズン後半に機能してくれればとてもよい補強ということになるでしょう。早くマウンドに上ってもらうことを願うばかりではあります。

コリン・マクヒューの肘

  コリン・マクヒューですが、名前を聞いてフォームがパッと思い浮かべることが出来るファンの方も多いと思いますが、剛速球投手ではありませんが、肘には負担がかかりそうな投げ方をする投手です。

 2019年は5月21日に肘痛を発症。IL入りとなりました。

2019年に痛めたのは屈筋 

 コリン・マクヒューが2019年5月に痛めた箇所は右肘の屈筋。今クリス・セールが苦しんでいる場所と同じです。

 5月21日にILとなってから1ヶ月、戦列を離れました。6月25日に復帰して以降は、リリーバーとして登板。8月30日を最後にレギュラーシーズンから再度離脱しました。よって、2019年はポストシーズンでは投げておりません。

 また、過去は2017年に開幕からオールスター後の7月22日までDL入りとなっていたこともありました。

ヘルシーならかなり強力

 コリン・マクヒューは2020年6月の誕生日で33才となる右腕で(1987年6月19日生まれ)、もともとは2008年メッツ18巡目指名でプロ入りしました。2013年6月にメッツがエリック・ヤング(Eric Young Jr.)を獲得したトレードでロッキーズへ。そしてその年の12月に、ロッキーズからDFAとなり、ウェバーにかけられたところをアストロズがクレームオフ。以降、アストロズで投げていました。

 デビューはメッツ時代の2012年。2013年はロッキーズでもメジャーのマウンドに上がりました。

 本格稼働し始めたのは2014年から。スターターとして2014年から2016年までの3年間はローテーション一角を担い、25試合、32試合、33試合に先発。

2015年に19勝

  圧巻だったのは2015年ですね。28才のシーズンでした。この年は32スタートで19勝7敗、ERA 3.89を記録。203.2イニングに登板しました。奪三振は171。

球種は4種 

 マクヒューはとにかくボールを動かす投手。球種はファストボール、カット、カーブ、スライダーの4種類。ファストボールのアベレージは92-3 mph前半。カーブが70mph中盤でブレーキング度が高いです。ファストボールは好調だった2015年とほぼ変わりません。むしろ2019年の方が2mphほどアップしたくらい。

 カットボールが87-88mphですから、ちょうどチェンジアップのような役割を担っています。

 2019年はブルペンが中心でしたから、再度スターターとして調整が必要かもしれません。しかし、彼の肘がヘルシーならグランドボーラーでゴロを打たせるのがうまい投手ですから、フェンウェイ向きではあります。

 ただし、プルヒッティングされるとGB%(ゴロ率)とERAは反比例しているのでスタンドに持っていかれる可能性も大。

 ただただ、肘がヘルシーであることを祈るばかりです。

レッドソックスのローテーション

 予想されるローテーションですが、やはり開幕1ヶ月ほどは内部からのアサインになるのではないかと思います。マクヒューがローテーションに入るなら、最後の枠になるでしょう。

  1. エドゥアルド・ロドリゲス(E. Rodriguez/LHP)
  2. ネイサン・イオバルディ(N. Eovaldi)
  3. マーティン・ペレス(M. Perez/LHP)
  4. ライアン・ウェバー(R. Weber
  5. 投手X
  6. コリン・マクヒュー ※開幕は間に合わず

マクヒュー、2017年は勇敢でなかった

 そのコリン・マクヒューですが、アストロズのサインスティーリングについてコメントしています。コリン・マクヒューは2017年と2018年のポストシーズンに登板。問題の2017年はALCS Game3でのヤンキース戦、WS Game 5でのドジャース戦にリリーバーとして登板していました。

 投手としてサインスティーリングの動きを止められなかったことを悔いており、また被害を被った相手投手の怒りも痛感しているようです。

To put myself in the shoes of the guys who pitched against us in 2017 and to know that our hitters made that job that much harder that year — it’s hard to swallow. And I feel for them and I understand the anger and I understand when people are mad and pissed off,

 なお、MLBオフィスからレッドソックスへの2018年のモニタールーム不正使用の評価はまだ下っておらず、これからとなります。

 スピードはないけれど、ブレーキングボールの精度は一級品。よい投手なので復活してもらいたいなと思います。

追記:スローイング・プログラムへ

 2020年5月10日、追記します。肘痛で苦しんでいたコリン・マクヒューですが、2020年4月からスローイング・プログラムに入ったことが判明!すでに濃厚となってきている7月開幕に間に合う見込みです!

 お読みいただき、ありがとうございました。

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