急遽、浮上した1B問題
The Red Sox have placed Triston Casas on the injured list with a with a left patellar tendon rupture pic.twitter.com/De2VTZFAd4
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) May 3, 2025
現地2025年5月3日時点で、勝ったり負けたりで勝率5割ラインを少し超えたところでホバリングをしているレッドソックスは強いのか?弱いのか?よくわからない戦い方をしているのですが、良い見方をすると投打ともに前年よりもアップグレードしているのは確か。ただ、打撃のチームが案外打てていないというのも2025シーズンの最初の1ヶ月の戦いぶりです。
そのレッドソックスの打撃陣の中で沈黙していたのがトリストン・カサスで、彼が機能すればもっと楽に勝てるのにという試合が結構ありました。そしてそのカサスが4月下旬にようやく調子を上げ、さあこれから!という時に発生したのが、今回のアクシデントです。
カサスの怪我
トリストン・カサスが怪我をしたのは現地2025年5月2日のフェンウェイ・パークでのツインズとのGm1。
この日、レッドソックスはツインズに6-1で結果的には完勝したのですが、事故が起こったのは2回裏。先頭のトリストン・カサスがジョー・ライアンが投じた5球目のスライダーに対してチェックスイング。これが当たってしまい、1塁と本塁の間に転がるバントのような打球となり、ジョー・ライアンが処理して1塁に投げるもカサスの方が一歩早く一塁に到達。記録的にはフィールド・エラーとしてカサスは生き残りました。
ところがカサスは1塁ベースを踏む手前で明らかな足の故障で体勢が崩れ、1塁を過ぎたところでうずくまってしまいます。
そして歩けないカサスはそのままカートに乗せられ、ゲームから離脱。
この姿を見た時に多くのファンが「(復帰まで)長いな」と直感したと思います。
シーズン・エンドの見込み
そして診断の結果、left patellar tendon rupture(左膝蓋腱断裂)が判明。これはもう長期化が免れない怪我で、シーズンエンドは確実となりました。
ここが切れるとジャンプ出来ないことからジャンパー膝とも呼ばれますが、同じ症例として有名なところでは2023年のWBCでプエルトリコがドミニカ共和国を下したゲームでエドウィン・ディアスが勝利後のセレブレーションで皆でジャンプしている時に誰かが乗っかったのか?右膝蓋腱を断裂し、2023シーズンを全休しました。
場所の特定ということで、Xに上がっていた写真も貼っておきます。違う競技の選手の症例ですが、参考になるかと思います。「復帰まで6ヶ月で、その間著しい筋力があるので、リハビリは前十字靭帯断裂を断裂したときのそれよりも厳しいと言えるでしょう」と書いています。
Confirmation of a patellar tendon rupture for Connor Watson, suffered in early January at Roosters training. Has undergone repair surgery & is aiming for a 6 month return to play. Extremely challenging rehab (significant strength loss), arguably tougher than ACL tear pic.twitter.com/dLGDcZ1D0K
— NRL PHYSIO (@nrlphysio) February 10, 2023
リハビリを入れて6ヶ月かかるというだと、11月ですからレッドソックスがワールドシリーズに残っていればひょっとしたら!!というところですが、その頃のフェンウェイ・パークは極寒ですから無理はさせず、復帰は2026シーズンになることはほぼ確定かと思います。
1Bは?
直近7試合で.250/.400/.400、HR 1と上向きだったカサスが離脱したということで、レッドソックスは2日のゲームではロミー・ゴンザレスを1Bに起用。これはカサスを使わない日はもともとロミー・ゴンザレス(右打席)を起用してきたので、当然といえば当然の起用でした。
さらに現地3日のゲームでも1Bはやはりロミー・ゴンザレスを起用し、チャンスに違いないロミー・ゴンザレスは6番1Bで4打数3安打を発奮しています。
ロミー・ゴンザレスは内野のバックアップとしてデービッド・ハミルトンとともにアクティブ・ロスターにいるわけですが、貪欲に別のオプションを実施する考えもあるわけです。
デバースは1Bを拒否
まず筆頭に上がったのがラファエル・デバース。アレックス・ブレグマンに3Bを譲った形のラファエル・デバースは現在DHで出場中。守備からのリズムづくりがなくなったせいか開幕当初は大スランプに陥りましたが、2週間程度でもとの状態に戻してきました。まだファストボールに遅れることもありますが、今季はボール球に手を出さず、しかも変化球を尽く捉えているのはさすがです。夏にはさらに爆発しそうです。
CBO(Chief Baseball Officer)のクレイグ・ブレスローはそのデバースに1Bへの打診を行いましたが、デバースはこれを拒否しました。DHでのリズムづくりもあるでしょうし、3Bとは正反対ですからやむなしというところでしょうか。
アンソニー、メイヤーも拒否
ここで浮上したのがマイナーで打ちまくっているレッドソックスが誇るトップ・プロスペクトのローマン・アンソニーとマーセロ・メイヤー。
レッドソックスのNO.1プロスペクトのローマン・アンソニーは、トリプルAで.290/.41/.510、OPS .921、HR 5、RBI 16、Run 22と大活躍。いつメジャーデビューしてもおかしくはない状況。打席は左で守備はOFです。
さらにマーセロ・メイヤーは左打席のSSで、すでにデビューして3月/4月のROMを受賞したクリスチャン・キャンベル(右打席)と同じポジションですが、彼もトリプルAで.262/.319/.495、OPS .814、HR 7、RBI 34、Run 17と活躍。
いい素材の彼ら2人は揃って1Bは拒否したと言われています。OFの選手が1Bを守ることはありますし、いい機会だと思ったのですが、ローマン・アンソニーは守備でのリスクも考えたのでしょうか。
マーセロ・メイヤーはやはりSSという矜持があるのかもしれず、3Bや2Bなら応じたかもしれませんが、1Bは拒否した模様です。
と言ってもあと数日すればどうなるかわかりません。メジャーでプレーしたいと思うかもしれませんね。
ヤズマニ・グランダールほか、捕手の1B起用
そこで浮上してくるのが、もう1つの選択肢。ヤズマニ・グランダールの1B起用。
ヤズマニ・グランダールは正捕手のコナー・ウォンが4月7日のブルージェイズ戦で右手小指を骨折したことにともないFAとしてマイナー契約した選手。5月1日に2022-26 CBAのXX条(b)に基づく1度目のオプトアウトの期限を迎えましたが、それは行使せずにレッドソックスに残りました。
トリプルAでは現地2025年5月3日時点で8試合に出場し、.250/.364/.464、HR 1をマーク。調子を上げております。
2024年は2試合しか1Bを守ってこなかったヤズマニ・グランダールですが、彼の1B起用もあるかもしれません。
C・ナルバエスの1Bも
グランダールとのサインのきっかけになったコナー・ウォンは5月2日から復帰しております。コナー・ウォンはシーズン開始当初から怪我をするまで成績が冷え切っていたのですが、復帰戦で1安打を放ち、3日のGm2でも1安打。これを復調と見るのかどうかです。
コナー・ウォンの復調が遅れる場合はウォンの不在の間にホームベースを守ったカルロス・ナルバエスを捕手に使い、ウォンを1Bに、あるいはヤズマニ・グランダールを1Bにという選択肢もあり得ます。カルロス・ナルバエスはウォンの復帰直前は捕手としての信頼感が増していただけにここでひっこめるのはちょっともったいないと思える状況でした。
捕手はかならず控えを置いておかないといけないので、その場合は3人が登録されるということになるのですが、1人はほぼ1B起用で、ブレイク・サボルよりはヤズマニ・グランダールの昇格になるのではないか?と思います。
レッドソックスはウォーカー・ビューラーも15 Days IL (肩)に入りましたし、ロスターがちょっと慌ただしくなっております。
果たしてロミー・ゴンザレスがこのまま好調を維持するのか?も見ものです。
どうなるでしょうね?
現地2025年5月3日のゲームでも1点差負け。
まだまだオフェンスは本調子ではないので、なんとかしてもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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