SDP 21 @ 0 COL (現地2025年5月10日)
衝撃的な結果となってしまいました。
現地2025年5月10日のパドレス@ロッキーズ戦は試合結果をチェックする度にパドレスの一方的な展開になっていき、2回を終えた時点で6-0のスコアで、先発が大炎上したのは間違いないところでしたが、4回を終えて15-0となり、5回を終えた時点で19-0という衝撃の展開に。
これはどうなることか?とかなり心配したのですが、それ以降は2失点のみでなんとか食いとどまり、結果は21-0。下手をすればパドレスはアメフト並みの30得点まで行くのではないか?と思っていたのですが、なんとか21点で収まりました。
B・バーロックが被安打13、失点12
ロッキーズの先発はブラッドリー・バーロック(Bradley Blalock)。24歳の右腕でキャリアを通じて先発が多いのですが、本来はリリーバー。
ブラッドリー・バーロックは初回に2つの四球が絡んで1アウトを奪う間に1点を奪われると、その後はワイルドピッチと内野ゴロで追加で2点を失い、さらにギャビン・シーツに2ランHRを浴びて、初回に計5失点。
バーロックは2回、3回にもそれぞれ1失点ずつ献上し、3回を終えて0-7。
4回表は先頭から3連続長短打を浴びて、1点を献上すると(0-8)、2アウトまでこぎつけたものの、犠牲フライで1点を献上(0-9)し、さらにジェイソン・ヘイワードには3ランHRを打たれてスコアは0-12。バーロックはここで降板しました。
大炎上したバーロックですが、それでも四球は初回の2つだけで後は、3.2イニングで被安打13、失点12、SO 1、HR 3。3本のHRが余計に大量点につながったのでした。
2番手のフアン・メヒアもこの勢いを止めることが出来ずに、さらに3失点し、このイニングは計8失点でスコアは15-0。
5回表もザンダー・ボガーツとフェルナンド・タティス・Jr.にそれぞれ1発が出てパドレスは4点を追加してスコアは19-0。
6回表はスコット・アレクサンダーが3安打を浴びて1点を献上し、この時点で20-0。
7回表はタイラー・キンリーがスコアレスで抑え、8回表からは捕手のジェイコブ・ストーリングスが登板。2イニングを投げて被安打2、失点1に抑えてこれで21失点。
ジェイコブ・ストーリングスの2イニングでようやく地元のお客さんも少しは和んだという記録的な敗戦となりました。
GMも「歴史に追われている」
ロッキーズのGMはビル・シュミットですが、彼はロッキーズが今、歴史に追われていることを自覚しています。つまり、敗戦数、最多失点を含めた数々のシーズンのワースト・レコードを記録してしまうかもしれない状態であることを自覚しています。
2024年、ALのホワイトソックスがシーズンワーストの121敗を記録(41勝)。
それをも更新しそうな匂いが現時点からプンプンしているのがロッキーズの現状で、 GMのシュミットは「多くの人が同情しているだろう?。そして多くの人が気にかけている。それを乗り越えようと努力し続ける。それしかできない」と苦しい胸の内を晒しています。
史上ワースト・タイの39試合目
このゲームを終えてロッキーズは39試合で、シーズン成績は6勝33敗。この成績は1900年以降では1988年のオリオールズに並んでワースト・タイ。
それ以前では1884年のカンザス・シティ・カウボーイズと1876年のシンシナティ・レッズが同じ6勝33敗を記録しており、AL/NL史上ワースト・タイの39試合目です。
大苦戦の原因
(1)ローテーションの不調
序盤の数週間は好投していた先発ローテーションも、現在はほとんどが不調。
先発はこの日の大敗戦が影響してERA 7.31とMLBワーストになってしまいました。それまではマイアミと争っていたのですが、このゲーム後はワーストということに。
ERA7.31は、1913年にERAが統計化されて以来、39試合を通して3番目に高い数字。直近では2023年のアスレチックスが7.78、2004年のロッキーズが7.49を記録(ワースト記録を持っているのがロッキーズ)。
ただし、チェイス・ドーランダーも出てきて希望はあります。
先発のけが人
先発はとにかく頼りにしていたオースティン・ゴンバーが左肩痛のため、60Days IL中。2021年以降、ロッキーズで堅実は仕事をしてきた左腕が不在なのがまず痛いところです。
また右腕のライアン・フェルトナーは背中の痙攣で5月2日から15 Days ILで離脱中。IL期間はもう少し延びるかもわかりません。
ブルペンはそれほどひどくない!!
ただ、ブルペンの名誉のために書いておきますと、リリーバーのERA 4.18はMLBで19位。そこまでひどくはないのです。
(2)元凶は打線!!
打つイメージのあるロッキーズはこれまでは投手が打たれても、クアーズ・フィールドの地の利(ヒッターズ・パーク)も活かしてある程度は打線でリカバーしてきました。ところが今季はこの打線が大沈黙しているのです。
元凶はローテーションどうのこうのよりもむしろこちらです。
現地2025年5月10日時点の得点は124。これはワーストのパイレーツの123と1点差ですが、ほぼMLBワーストと見ていいでしょう。
チーム打率.215は、ワースト2で、ワーストはホワイトソックスで.213。これもそれほど変わりません。
チームOPS.634はワースト3位。ワーストはホワイトソックスの.611、ワースト2位はパイレーツの.625。
いかに打てていないかがおわかりになるかと思います。
ブラックモンが打撃を見ているが・・・
このゲーム前もロッキーズの打撃練習の柵の後ろには昨年で引退し、フロントオフィスの特別アシスタントとして雇われたチャーリー・ブラックモンが熱心に指導。
現有戦力の最大化だけではどうにもならないのがこの打撃不振です。
まず、シーズン前に頼りにしたタイロ・エストラーダ(Thairo Estrada)が開幕前に右手首を骨折し、現在は 60 Days IL。彼がいないのは痛かったです。
さらに2024年のゴールド・グラブのSS、エセキエル・トーバーは、シーズン最初のシリーズで左臀部を痛め、4月16日にIL入り。
トーバーは最初の5試合で打率.282を記録していたものの、この時からすでに痛みを抱えていたようで、ブレントン・ドイルが大腿四頭筋の問題で欠場していたため、無理しながらプレーしていたとのこと。
トーバーのIL入りでロッキーズ打線は崩壊。ライアン・ミクマン(Ryan McMahon)とマイケル・トグリア(1B)もスタートは苦戦。
SS/3Bのタイラー・フリーマン(左腹斜筋)と同じくSS/3Bのアーロン・シュンク(左鼠径部)の2人もIL入り。
さらに、上述のブレントン・ドイルの故障などで結果、見事に打線が崩壊したというところです。
クリス・ブライアント問題
そしてロッキーズに重くのしかかっているのが長期契約してほとんど稼働していない、かつてのNLのスター、クリス・ブライアントの問題。
DHのクリス・ブライアントは5月10日、厄介な背中の治療として焼灼手術を受けており、2、3週間後には強化練習を開始したいとのことですが、復帰見込みは立っていません。焼灼手術とはレーザー理療のことです。
もし、ロッキーズがロースター・スポットを必要とする場合、ブライアントは60 Days ILに移ることになります(現時点ではまだ10 Days IL)。
彼のサラリーが重くのしかかっているために、ロッキーズはなかなか思い切った補強が出来ていないという現状もあります。これが一番根深いかもしれませんね。ブライアントはかなり重病で、本人には気の毒な書き方なのですが・・・。
復帰見込みの選手も
ただ、先発投手のオースティン・ゴンバー、タイロ・エストラーダ(2B)、リリーバーのビクター・ヴォドニック(右肩の炎症)など負傷した選手たちは復帰に向かってはおります。トーバーはもう少しかかりそうです。
この悲惨な状況にオーナーのディック・モンフォートはどうしているかというと、特にコメントを発しておらず、大きな変化の噂もありません。GMのビル・シュミットと現場を預かるバド・ブラック監督がなんとか知恵を絞っている状況。
ここまでは最悪のスタートでしたが、けが人が復帰して以降、巻き返す力はあります。それまでどう耐え凌ぐかについてはもはや補強するしかないのですが、それにはオーナーのアシストも必要です。現場を救って上げてほしいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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