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【MLB2023】レンジャーズ、アロルディス・チャップマンをトレードで獲得

三振の取れるリリーバーを獲得

 レンジャーズが動きましたね!

 現地2023年6月30日、ア・リーグ西地区首位を走るテキサス・レンジャーズがブルペン補強に動きました。カンザスシティ・ロイヤルズからアロルディス・チャップマンを獲得しました。

 ゲーム後半、大事な場面で三振を奪える投手がブルペンに加わりました!

トレード概要

 このトレードは3人が動きます。

レンジャーズGet

ロイヤルズGet

  • コール・レーガンズ(Cole Ragans /25) LHP: 2016年TEX1巡目指名
  • ロニ・カブレラ(Roni Cabrera /17) OF or DH/右投げ右打ち

背景 

TEX打線はMLB NO.1の得点力 

 現地2023年6月30日のゲームを終えて、49勝33敗と50勝目がそこに迫ったレンジャーズが今のポジションにいるのはなんと言っても強い打線のおかげ。

 30日時点でチームOPSは.800でMLB3位というのも素晴らしいのですが、加えて486得点はMLB NO.1 。いつの間にかレイズを抜きました。安打数786もMLB NO.1です。破壊力抜群です。

スターターのERA はMLB NO.2

 そして打線に仕事をしやすくさせているのはスターター陣。スターターのERAは3.56。これはレイズの3.49に次ぎ、MLB NO.2の数字。

 大エースのジェイコブ・デグロムがトミージョン手術で離脱するというトラブルがあったにも関わらず、レッドソックスから移籍してきたネイサン・イオバルディが9勝3敗と大健闘。先発5人のうち、ネイト、ジョン・グレイ、デーン・ダニングの3人がERA 2.00台。左腕のアンドリュー・ヒーニーとマーティン・ペレスがERA 4.00台と右腕が非常に頑張っています。

 ゲーム中盤以降、打線に焦らない状況を作っているのもこのスターター陣の光る仕事ぶりがあります。

リリーバーのERAは悪し!

 その素晴らしいスターター陣に比べ、弱めなのはブルペン。そもそもオフの補強でもデグロム、ネイト、ヒーニーとFAでスターターを固めつつも、ブルペン補強は弱めでした。これは予算もあったのでしょう。

 今季のリリーバーのERAは4.31。これは2023年6月30日時点でMLB 24位です。

後ろは良いがそれまでが課題

 これももう少し正確に言うと、クローザーとセットアップはまあまあ良い方です。クローザーのウィル・スミスのERAは2.73。14セーブを上げています。

 ジョシュ・スボルツは33.1イニングでERA 2.70、左腕のブロック・バーグは30イニングでERAは3.30。ホセ・ルクラーク(Leclerc)はERA 3.42ですが、現時点では15 Day IL中。グラント・アンダーソンとジョー・バーローはERA 3.00台。

 この当たりまでは良いのですが、この後がグンとERAが落ちるのです。左腕のコディー・ブラッドフォードはERA 5.59、左腕のジョン・キングはERA 6.61。

 なお、ブルペン陣の名誉を保っておくと、BB数 91はリリーバー陣の中でMLB最少です。

 クローザーのウィル・スミスもばったばったと三振を取るタイプではなく、ここは三振が取れる投手をということになると、やはりアロルディス・チャップマンは非常に魅力なのでした。チャップマン1人が入ることで、セットアップの一人を中盤に使うことも可能になり、手厚いブルペンにもなります。 

 また、ロイヤルズ側からすれば、今季はもう次ぎに向けて若手を試すしかありませんから、チャップマンはこのトレードデッドラインの有効な切り札でもありました。

今季のチャップマンは2019年レベルへ

 アロルディス・チャップマンの2022年のERAは4.46。完全にキャリア・ワーストのシーズンでした。さらにはチームのワークアウトを欠席してプレーオフのロースターから外れもしました。

 ヤンキースでのファイナル・イヤーが荒れたものになったことから、FAとなったオフでは安く買い叩かれました。1 年/$3.75M (2023)という契約です。

 そんなチャップマンですが、今季のロイヤルズでの投球はかなりよくなりました。かつてはERA1.00台で、彼が出てくると相手打線はノーチャスで、さすがに今季はそこまでは戻っていませんが、2019年のERA2.21レベルには戻りつつあります。

SO%が前年よりアップ!

 31試合、29.1イニングを投げ、ERAは2.45。奪三振数は53で、奪三振率はなんと43.4%。ちなみにチャップマンのキャリアハイの奪三振率は2014年の53.5%。これはまあ置いておくとして、2020年以降で最も高いSO%です。

 20イニング以上登板したリリーバーの中ではNO.2。彼の上は50.3%をマークしているオリオールズのクローザーのフェリックス・バティスタだけです。

 2023年の4シームのアベレージは99.4MPH。ちなみにシェアはスプリットとそれほど変わらない%ですが、シンカーのアベレージは101.3mphをマークしています。

 基本は4シームとスライダー。スライダーのそれは88.2MPHで、4シームとともに前年より球質がアップしています。

 Whif %(空振り率)は、4シームが31.9%→38.7%、スライダーが36.1%→40.0%。右左の打者との対戦は右打者の打率は.146、左打者の打率は.211。またSLGは右打者が.183、左打者が.211。打者はにとってはかなり厳しい数字です。どちらかと言うと左打者の方が若干のチャンスはある感じです。

BB%が高い!

 懸念点を上げるすれば、BB%の高さです。16.4%もあります。これは20イニング以上を投げたリリーバー5人の中でトップの多さ。ここはレンジャーズのクリス・ヤングGMもわかった上での獲得になりました。

レンジャーズの支払い

 チャップマンのサラリーの残りはレンジャーズが支払います。$1.875Mと言われております。また、今季はボーナス設定があり、20試合以上以降、5試合登板数が増えるごとに$0.3125Mが加算されます。現時点で31試合で$0.625M。仮に55試合登板だと$2.5Mですが、ここは50試合に行かないようにうまく調整しそうな気がします。なお、ボーナスはレンジャーズ持ちのようです。一応、もう少し時間を置いてから確認しておきます。

 なお、レンジャーズは現時点での40manの贅沢税上のサラリーは$227M超え。今季は$233Mが基準額ですから、まだ余裕はあります。

【KC】コール・レーガンズとは

 なお、ロイヤルズに移籍するコール・レーガンズは、1997年12月12日生まれの25才の左腕。2016年のレンジャーズの1巡目指名で全体で30位。

 2022年にメジャー・デビューしており、9試合に先発して、40.0IPでERA 4.95。SO%は15.5%、BB%は92 %。

 2023シーズンはここまでブルペンとして17試合に登板。24.1IPで ERA は5.92。SO%は22.6%、BB%は13.2%。大谷選手が20号をTEXではなった時の投手。

【KC】ロニ・カブレラとは

 ドミニカ共和国出身の右打ち外野手で、2005年7月31日生まれで現時点では17才。

 過去2シーズンをドミニカ・サマーリーグで過ごしています。まもなく18歳。契約イヤーも2022年かと思います。パワーポテンシャルがあり、コーナーOFとして期待されている選手です。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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