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【MLB 2021】”ドニー・スティーブンソン”と”ラット or ラクーン”騒動を経て、メッツが上昇機運の予感

メッツ

メッツの打撃コーチをめぐる展開

 現地2021年5月8日(土)、ニューヨーク・メッツはアリゾナ・ダイヤモンドバックスとの4-2で勝利。1番、ジェフ・マクニール、2番、フランシスコ・リンドーアの2人合わせて7打数3安打、3RBIと効率的に得点を上げ、勝利しました。

 これでメッツは5月5日(水)のカージナルスとのダブルヘッダーのGame2で勝利して以降、4連勝です。

 この4連勝には、打撃コーチ解任後の2つの大きな騒動がありました。まあ、あやうく内紛か!という危うさもあったのですが、選手たちは徐々に有機的に機能し始め、これからメッツは上昇気流に乗って行きそうな芽が出てきました。

騒動のまとめ

 では、ここに至るメッツの2つの騒動についてちょっとまとめておきます。これをなぜ記事にしようかと思ったかというと、不調から好調へ、その展開はどうやって起きるのか?ということとを目の当たりにしているように思うからです。では、そのきっかけです。

【契機】ヒッティング・コーチの解任

 現地2021年5月3日のこととなりますが、ニューヨーク・メッツはカージナルスに5-6で敗れたその夜、打撃不振の責任を取らせる形で、ヒッティング・コーチを解任しました。解任されたのは、チリ・デービス(Chili Davis)とアシスタント・ヒッティング・コーチのトム・スレート(Tom Slate)。

 非常に深刻な事態で、とにかく打てないメッツ。ジェイコブ・デグロムを見殺しにするケースも出ました。

メッツの打撃成績

 数字はいずれも現地2021年5月4日終了時点の成績ですが、メッツの悲惨な打撃成績は以下の通りです。チーム打率はまあまあなのですが、とにかくパンチがないのがよく分かる数字です。

  • 打率 : .240 (10位/30クラブ中)
  • HR : 18 (30位/30クラブ中)
  • 二塁打:33 (27位/30クラブ中)
  • RBI :72 (30位/30クラブ中)
  • BB: 76 (27位/30クラブ中)
  • スコアリング・ポジションでの打率: .209 (29位/30クラブ中)
  • 2アウトでスコアリング・ポジションでの打率: .143 (30位/30クラブ中)

チリ・デービスとは

 その解任されたチリ・デービスですが、ジャマイカ出身の61才(現地2021年5月6日時点)。1981年から1999年まで現役で、ジャイアンツでキャリアをスタートし、7シーズン在籍。その後、カリフォルニア・エンゼルス、ミネソタ・ツインズなどに在籍。オールスター3度、ワールドシリーズ3度制覇という人。現役19シーズンで、通算安打は2,380安打、HR 350、RBI 1,372。

 コーチ歴はドジャース、レッドソックスのマイナーでヒッティング・コーチを経験後、2011年、アスレチックスのメジャーでヒッティング・コーチに就任。2014年にはレッドソックスでもヒッティング・コーチに就きました。2017年からはカブスのヒッティング・コーチ、そして2018年秋に現在のメッツでヒッティング・コーチに就いていました。メッツでは約2年強。

トム・スレートとは

 トム・スレーターとも表記されますが、現地2021年5月6日時点で53才。現役時代はマイナーで埋もれていたようです。引退後に、2010年にガルフ・リーグ(ルーキー)、スターテン・アイランド(クラスAマイナス:当時)のいずれもヤンキースのマイナーでコーチを経験。その後、2018年秋にチリ・デービスとともにメッツのアシスタント・ヒッティング・コーチに就任していました。

新ヒッティング・コーチ

 これに伴い新ヒッティング・コーチに就任したのは、ヒュー・クアトルバウム(Hugh Quattlebaum) とケビン・ハワード(Kevin Howard)。

 ヒュー・クアトルバウムは42才。現役時代は内野手で、2000-2003年までプレー。メジャーに上がることはありませんでした。現役引退後は、主にアマチュアに打撃指導。2018年にマリナーズのヒッティング・コーディネーターに就任。メッツには、すでに2021年1月から、マイナーのDirector of hittingとして就任していました。今回はメジャーの現場への異動ということですね。

 アシスタント・ヒッティング・コーチのケビン・ハワードは39才。こちらは2003年から2014年まで現役。内野手でレッズ、ブルージェイズのマイナーでプレー。こちらもメジャーに上がることはありませんでした。引退後は主にマイナーで打撃指導。2019年から2020年まではインディアンスのマイナーのヒッティング・コーディネータに就任しています。

 コーチングには定評がありそうな2人です。

【その1】ドニー・スティーブンソン!?

 チリ・デービスはかなり現場の選手に人気のあるコーチだったようで、特にピート・アロンソ、マイケル・コンフォートらは解任の報を聞いて無念さを隠しきれませんでした。「アンクル・チリ」と慕い、いつでも味方になってくれる、そんなコーチだったようです。メッツは前GMがロッカー・ルームで選手と言い争ったりしましたが、せっかく新オーナーになったのに、また内紛か?と思われました。

 しかし、選手たちには強い味方がいたのです。それがドニー・スティーブンソン(Donnie Stevenson)。

 チリ・デービスの解任が決まる前の5月1日のゲームで、メッツはフィリーズに5-4と勝利。さらに翌日は8得点を上げ、8-7で勝利。それまで4月27日から4月30日の間の3試合で3連敗を喫し、計2得点しか上げることができなかったメッツ打線が息を吹き返しました。

 これに対し、選手達は一同に、「新採用のヒッティング/アプローチ・コーチのおかげ」と口を揃えました。

誰?と話題に

 もちろん、そのような名前のコーチはおりません。一体、誰?と話題になりました。

 We just made a nice new hire, Donnie. He’s nice. He’s a great hitting/approach coach,” Alonso said after the game.

“Donnie has been great helping the team. I think Luis (Rojas) forgot to mention Donnie. Donnie really helped us today.”

“(He’s a) new hire. He’s our mental/approach coach. I feel like we had a really cool collective team approach today, and Donnie helped us out for sure,”

 選手たちがこの名前を持ち出したのは、チリ・デービスの解任前のこと。フィリーズ戦の後のコメントです。何か「ノリ」で話したこととは思います。チリ・デービスを間接的に讃えたとか?しかし、それなら直接名前を出した方が良いと思いますし、どうしてそうなったかは謎のまま。

 ただ、選手たちが一種の秘密を共有するような形でまとまったのは事実です。

【その2】”Rat” or “Racoon”騒動

 現地7日のDバックス戦。メッツは、延長10回に5-4でサヨナラ勝利をおさめました。

 7回裏、2-4でビハインドとなった時、ちょっとした事件が発生。ドミニク・スミスと、マイケル・コンフォート、ジョナサン・ビヤーが何かを察知して慌ててベンチとロッカーをつなぐトンネルに急行しました。

 「すわ!喧嘩か?」と思われたのですが、どうやらフランシスコ・リンドーアとジェフ・マクニールの2人がそのトンネルで激しく口論をして模様。

 リンドーア「あれはネズミだ」

 マクニール「いや、違うよ。Racoon(たぬき、アライグマ)だ」

 大の大人が、トンネル内を通過した大きめの動物を見て、激しく言い争っていたのでした。

筆者の想像ですが

 二遊間を守る2人はグランド内ではコミュニケーションが不足していたようです。

 特にフランシスコ・リンドーアは4月28日のレッドソックス戦から5月5日のカージナルス戦のダブルヘッダーGame1まで、6試合連続ヒットレスが続き、ようやく5月6日のカージナルス戦で1本が出たばかり。

 一方のジェフ・マクニールは同期間に6安打、.316を放ち好調。これは想像で恐縮ですが、大型契約を結んだリンドーアが打っていないことに対して、不満があったのかもしれません。

 ところが、なぞの動物をめぐって口論したことからどうやら吹っ切れたものがあった模様。リンドーアは直後の7回裏に2HRを放ち、同点に。延長10回裏、この2人は絡みませんでしたが、メッツが5-4で勝利しました。

 どうやら”ratcoon”で良いようです。

と、ここまではあくまで報道ベースです。

 実際はどうだったのでしょうか?激しくやりあったとは思います。これはあくまで筆者の想像ですが、”Rat or Racoon”はマスコミ用にアドリブでつくったどうでも良いコメントではないでしょうか?とりあえず、内紛はまずいと。ちょうど7回表、二遊間のミスコミュニケーションがあり、SSゴロがセーフになるケースがあったのが、2人の我慢の限界だったのかもしれません。筆者の妄想であってほしいと思います。

 現地7日のDバックス戦(5-4でメッツがサヨナラ勝利)の動画です。

 とは言えです。内紛かと思われた事件もなんとか昇華できたメッツ(ということにしましょう)。これから、リンドーアも復調すれば、上昇気流に乗るかもわかりません。

 メッツ伝統のいざこざが新オーナー体制で変わったことを祈りつつ。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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