フレディー・フリーマンのディールについて
色々と予定が詰まって書ききれなかったドジャースとフレディー・フリーマンのディールについて書き記しておきます。
ドジャースとフレディー・フリーマンは、現地2022年3月17日に合意。そして18日に正式にサインしました。
I really can’t tell if Freddie Freeman is happy to be a Dodger. #Dodgers pic.twitter.com/Q00kh3r5AT
— Apasity (@officialapasity) March 19, 2022
マット・オルソンのトレードが決まり、詰将棋のように実質的にアトランタから離れることが決まり、どこが競り落とすのかという過程は、ファンとしてはスリリングでしたが、当の本人はかなり複雑だったことが明かされています。それはそうですよね。これまでのアトランタでの貢献が何か、ないがしろにされているような気がしたと思います。
契約:6年/162Mドル
その契約詳細を見てみます。
- 6 年/$162M (2022-27)
- $27M/年均等
- $162Mのうち、$57Mが繰延払い
- 2022-24: $27M/年のうち、$7M/年 x 3=$21Mを繰延払いに
- よって、この3年間にタイムリーに支払われる額は$20M/年x 3= $60M
- 2025-27: $27M/年のうち、$12M/年 x 3 =$36Mを繰延払いに
- よって、この3年間にタイムリーに支払われる額は、$15Mx3 =$45M
- 繰延払い分の$57Mは利率なしの設定になるので、その分を現在価値を換算すると、$162Mが$148,195,494になってしまう。
- 繰延払$57M分の受け取りスケジュール
- 2028年-35年の間に、毎年7/1に$4Mドルずつ8回(年)に亘って受け取り
- 2036年-40年の間に、毎年7/1に$5Mずつ5回(年)に亘って受け取り
- 2022-24: $27M/年のうち、$7M/年 x 3=$21Mを繰延払いに
現在価値について
ジャスティン・バーランダーやザック・グレインキ、スティーブン・ストラスバーグのディールの時にも書いた現在価値について少しだけ触れておきたいと思います。
どうして$162Mが$148,195,494($148.195M)に減額されてしまうのか?の考え方です。
今現在の$4Mとフリーマンが繰延払いとして受け取る6年後から受け取る$4Mの価値は違うからです。
というのは、お金の価値はインフレ率などが加味された金利がついていますので、年々上がっているのです。よって、フリーマンの場合、6年後から受け取る額が$4Mと決まっていて、しかも利率の設定なしということですから、現時点での価値は、金利分を割り引いて計算しないといけません。
現在価値の計算式などもあるのですが、要は現在の$4Mは将来受け取る$4Mより価値が低いのです。よって、$162Mのうちの$57Mを現在価値に換算すると、$148.195Mほどになるのです。
ちなみに、これは選手会も計算の上で、フリーマン側も合意済み。
繰延払いにすることのメリットは選手は、引退後もかなりの長い期間に亘って、収入が見込めること。フリーマンの場合は、ペンション(年金)もありますから、引退後は相当楽ですね。
さらに、クラブ側は長期に渡り支払いが発生するものの、直近のキャッシュの支出を和らげることが出来るというのはやはり大きいです。もちろん、繰延払いの選手が増えると、将来に亘って重くのしかかってきますが、それでも今の時点でキャッシュの支出を減らせるのはかなり大きいです。
CAネイティブ
フレディー・フリーマンはカリフォルニア州、オレンジ郡の出身。アナハイムがあるところが、オレンジ郡ですね。
今回、マット・オルソンがジョージア州ネイティブで、フリーマンはカリフォルニア州ネイティブですから、両者は地元に帰ったことになりました。
ただ、上述した通り、フレディー・フリーマンはマット・オルソンのトレードが決まった時、かなり複雑な心境だったようですね。
これまで大きくブレーブスに貢献してきたフレディー・フリーマンのSTATS、AWARDはこちらです。
フリーマンの実績
なお、フレディー・フリーマンは、1989年9月12日生まれの32才(現地2022年3月20日時点)。今回の契約は37才までのディールですね。
ドラフトは、2007年のブレーブスの2巡目指名。高校卒で2巡目はかなりの評価を意味しています。そしてデビューは2010年9月。20才(と354日)という非常に早いデビューでした。
その後の実績はご覧の通りです。
- 2011: ROY 2位(1位は、ATLの同僚、クレイグ・キンブレル)
- オールスター出場:5度 (2013, 2014, 2018, 2019 & 2021)
- ゴールドグラブ賞受賞:1度 (2018)
- シルバースラッガー賞受賞:3度 (2019-2021)
- NL Runs Scored 1位:2度 (2020 & 2021)
- NL 最多安打:1度 (2018: 191安打)
- NL 二塁打1位:2度 (2018:44、 2020:23)
- 20HR以上のシーズン: 8度 (2011-2013, 2016-2019 & 2021)
- 30HR以上のシーズン: 3度 (2016, 2019 & 2021)
- 100 RBI 以上のシーズン: 2度 (2013 & 2019)
- 100 Runs Scored以上のシーズン: 3度 (2016, 2019 & 2021)
- サイクル安打達成:2度(2016/2021)
- ワールドシリーズ・タイトル(2021:ATL)
- MLB 12年/ 通算打率.295、OBP .384、SLG .509、OPS .893/ HR:271/ RBI: 941
とにかくチャンスに強いですし、劣勢を変えることの出来る選手で、ドジャースはものすごい戦力になったことはご承知の通りです。
怪我にも強い選手です。契約最終年までしっかりと機能してくれると思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント