2019 ALCS Game4
悪天候により1日順延となったALCS Game4が現地2019年10月17日に無事に開催されました。10月も後半に入り、東海岸のナイト・ゲームということでダグアウトにいる選手はヘビー・ウェイト・ジャケットを羽織る姿が目立ちました。ゲーム開始時の気温は華氏56度(摂氏13.3度)。投手にとってはやや指先が気になる中でのプレーボールです。
スターティング・ラインナップ
打率はGame3終了時点での数字です。
Astros | Yankees |
1. スプリンガー-CF-.083 2. アルトゥーベ-2B-.417 3. ブラントリー-LF-★-.308 4. ブレグマン-3B-.143 5. グリエル-1B-.091 6. アルバレス-DH-★-.000 7. コレア-SS-.167 8. チリノス-C-.000 9. レディック-RF-.250 P. グレインキ-RHP | 1. ルメイヒュー-1B-.385 2. ジャッジ-RF-.308 3. ヒックス-CF-(S)-.000 4. トーレス-2B-.417 5. エンカーナシオン-DH-.083 6. ガードナー-LF-.154 7. サンチェス-C-.077 8. アーシェラ-3B-.182 9. グレゴリアス-SS★-.083 P. 田中ーRHP |
アストロズはバッテリーのみ交代。チリノスが8番でマスクをかぶり、レディックが9番。
ヤンキースはアーロン・ヒックスを3番に、4番だったエンカーナシオンを5番に下げ、トーレスを4番に。グレゴリアスは再び9番に下がりました。
(サマリー)HOU 8, NYY 3
アストロズが2勝1敗とリードして迎えたこのゲームはGame1と同じ田中投手とザック・グレインキの顔合わせ。
雨天順延となったことで福の神のような存在の田中投手を起用することが出来たヤンキースですが、順延により有利になったのはむしろアストロズの方。これによりGame4にグレインキ、Game5にバーランダーを前倒しで使うことが出来るようになりました。ヤンキースは絶対に負けられないゲームとなりましたが、中盤に流れは大きくアストロズに傾きました。
Game Score
立ち上がりが対照的となった両先発。1回裏、ザック・グレインキは慎重になりすぎたのか、3四球などで1点を許す展開に。一方の田中投手は2回までは四球1つだけという上々の立ち上がり。
しかし、中盤に立場が逆転。3回表、田中投手はジョージ・スプリンガーに3ランHRを浴びて一気に3−1と逆転を許す展開に。
一方、ザックは初回以降、4回まではヒット1本だけのピッチング。
ヤンキースが5回裏の満塁の大チャンスを潰した直後の6回表、アストロズはエラーとヒットでランナーを貯めた後、カルロス・コレアが2番手のチャド・グリーンから3ランHRを放ち、スコアは6−1に。
ほしかった追加点はアストロズにどんと入る展開に。これでヤンキース・ナインの元気がなくなったように思います。
ヤンキースは7回から9回までの3イニングでヒットなし。エラーと四球での出塁しかありませんでした。
一方のアストロズは8回と9回にそれぞれエラーがらみで1点ずつを奪い、結局スコアは8-3。アストロズが3勝1敗とし、ワールドシリーズ進出に王手をかけました。
What Happened ?
ザックは5回途中1失点
立ち上がりが非常に不安定だったザック・グレインキでしたが、悪かったのは初回だけ。2回以降はヒット1本と四球1つによる出塁を許したのみで、結局、5回1アウトまで投球数83で、被安打が3、失点が1、与四球が4、奪三振が5という投球内容でまとめてきました。
田中投手は自責点3
ベンチの期待を一身に背負った田中投手でしたが、上述のようにジョージ・スプリンガーの3ランHRが効いてしまいました。5回、85球を投げて被安打が4、失点が4、自責点が3、与四球が2、奪三振が1、被本塁打が1という成績に。
R・プレスリーが復活の2三振
アストロズに朗報だったのが5回裏にザックから引き継いだライアン・プレスリーがナイス・リリーフを見せたところ。1アウト1塁でバトンをもらった後、代わりばなに四球を1つ出してしまいましたが、その後はトーレス、エンカーナシオンと二者連続三振を奪い、ピンチを脱出。今ポストシーズン初のナイス・ピッチング。プレスリーの復活によりブルペンはさらに厚みを増しました。
ヤンキースが4つのエラー
このゲームで痛かったのはヤンキースに4つのエラーが出たところ。しかも名手で1BのD.J.ルメイヒューが2個、2Bのグレイバー・トーレスに2個。8回と9回に集中して3個も出てしまいましたから、Game5へのモチベーションが心配になるほどです。
荒れるファン
(ザックに対して)
実はゲーム開始前から一部のヤンキース・ファンは荒れていました。ウォームアップ中のザック・グレインキに対して「うつ病」と「社内不安障害」について罵り、さらには母親に対する侮辱的な言葉を浴びせたほど。この薄汚い行為に関わった複数のファンは即時退場させられました。
ザックはプロに入ってからの2006年に社会不安障害(うつ病)で一時期、戦列を離脱したことがあります。これは先発がうまく行かなくてゲームに出るのが怖くなってしまい、その症状がどんどん悪化してしまったのです。
そういったことを揶揄する共感力のない人間は卑劣以外の何ものでもないので、一生出禁にしてもらいたいものです。
(RFに対して)
またゲームが進むにつれてスタンドが荒れていた様子もよくわかりました。最後はもう皆帰途についてスタンドに空席が目立つようになったほど。
アストロズのヒンチ監督がかなり怒っていたのですが、Game3、Game4と一部のファンがRFを守っていたレディックなどにデブリ(ゴミ)を投げつけてきたということです。これはだめですね。セキュリティーが厳しいので何か硬めの物品を投じたのだと思います。
サバシアが肩痛で退場、最後の登板に
荒れ気味だったゲーム後半、雰囲気を和らげたのはC.C. サバシアの登板でした。サバシアは8回表、オッタビーノが先頭のブレグマンに二塁打を許し、グリエルの当たりをルメイヒューがエラーをしたところで登板。ノーアウト1・3塁からでした。
ヨルダン・アルバレスの打球は2Bのトーレスのエラーとなり1失点。つづくコレアはRFライナーで1アウト。チリノスには死球。アレドミー・ディアスをRFフライに打ち取り2アウトまで奪いました。そしてジョージ・スプリンガーに3球投げたところで肩に異変が発生。ベンチから監督とトレーナーが出てきました。投球練習を1球投じましたが、やはり無理ということで交代。
どうやらこれがサバシアの現役最後の登板になりそうです。
いよいよGame5です。バーランダーとパクストンの投げあい。アストロズがこのまま取りそうな雰囲気ではありますが、ヤンキースが一矢報いることができるか、注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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