カブスの打撃のキーマン
現地2025年8月22日、シカゴ・カブスはこの日からエンゼルス、ジャイアンツ、ロッキーズと対戦する西海岸への遠征シリーズがスタート。
この直前のブルワーズとの直接対決は雨でリスケされてダブルヘッダーになったのを含め、5連戦が組まれ、なんとか3勝2敗で勝ち越しに成功。ただ、ブルワーズとの直接対決は今年はこれが最後でした。
よってカブスはこれからは勝ってゲーム差を縮めるしかありませんが、現時点ではNLワイルドカード・スポットのNO.1、2を争っており、このまま大型連敗さえしなければプレーオフには出場出来そうなポジショニングです。
直近15試合でCHCのチーム打率はMLB最下位
そんなシカゴ・カブスはオールスター前とは異なり、打線が非常に苦戦しております。直近15試合のチーム打率は.207で、これはMLB最下位。
逆に直近15試合のチームERAはいくらかというと、3.02でMLB NO.2。もう打線の奮起次第ということになっております。これはもう昨年と同じ事態になっていて、2024年はレイズからアイザック・パレデスを獲得してプレーオフに猛プッシュをかけたのですが、叶いませんでした。
前半戦にセンセーショナルな打撃を見せたピート・クロウ=アームストロング(以下PCA)が大スランプに陥ったのがその要因の一つでもあり、また鈴木誠也選手も開幕から3ヶ月は毎月HRを7-8本、RBIを25-27ほどマークしていたのですが、7月・8月は2ヶ月でHR 5、RBI 17と落ち込んでおります。
カイル・タッカーは6月に不全骨折(ヒビ)
さらに深刻だったのがカイル・タッカー。オフェンスのテコ入れで今オフにトレードでアストロズから獲得した打撃のキーマンなのですが、かなり落ち込んでおりました。
とにかく目に見えて不調に陥ったカイル・タッカーに何があったのか、それが8月21日の報道で明らかになりました。実はカイル・タッカーは6月のゲームでヘアライン・ハンド・フラクチャー(=不全骨折、またはヒビ)を発症していたのです。
6月1日のレッズ戦で2盗を試みた際、ヘッドファーストのスライディングで右手の上に体が乗ってしまい、この日はこれでゲームから退きました。
大事に至らなかったのは数日休んだだけで6月4日のナショナルズ戦から復帰したため。時期は不明ですが、その後の検査で、薬指と小指の間の手の甲に小さな骨折(ヒビ)が入っていることが判明。この時、カブスは診断結果を発表しておらず、さらにタッカーもILに入りませんでした。オールスターに4度選出されたこともあるカイル・タッカーは、怪我をしながらプレーすることを選んだのです。
強行出場の結果
この追い込みの時期になり、果たして強行出場が賢明だったかと言われれば、休んでおくべきだったと言わざるを得ません。6月はPCAと鈴木選手が絶好調でしたし、いい条件が整っていました。タッカーにしてみればそのいい波を欠場により小さくしたくなかったのかもしれませんが、これが響いてきているのです。
序盤はMLB屈指のヒッター
カイル・タッカーはシーズン最初の2ヶ月間、MLB屈指のヒッターでした。5月31日までの成績は、58試合でPA 266でAB 223、Hits 63、 .283/.391/.520、OPS .911、HR 12、RBI 39をマーク。まさに打って守って走ってと全ての面でチームに貢献。
また厄介だったのは6月も好調を維持したのです。6月は.311/.404/.578、OPS .982と前の2ヶ月よりも良い数字で、しかもHRはやや落ちたとは言え月間で5本をマークし、RBIも13。
7月・8月に影響が出る
しかし、7月に入り、その影響は如実に顕れてしまいました。7月は.218/.380/.295、OPS .675でHR 1、二塁打 3。8月は(22日のゲーム前までは).138/.231/.138、OPS .369、HR 0、二塁打・三塁打ともに0。
ハードヒットを失っただけでなく、コンタクトさえも失っていたのです。
直近で対戦したブルワーズのパット・マーフィー監督も、カイル・タッカーは怪我を抱えながらプレーしていると述べたほど。
タッカー自身は体調は良好だと主張。シーズン終盤のことを考えれば休めばよかったのですが、この1ヶ月半は厳しい結果となりました。上述の鈴木選手、PCAの不調の波と重なったこともカブスが首位転落の要因にもなってしまいました。
タッカーが久々のHR
しかし、現地2025年8月22日のエンゼルス戦で2番RFで出場したタッカーは、1回の第1打席でタイラー・アンダーソンから右中間へ先制のソロHRを放ち、ようやく長打を打つことができました。
3回表の第2打席は三振に終わりましたが、積極的にスイングをかけて行きました。このイニングはランナーを貯めて鈴木選手が犠牲フライを放って追加点を上げております。
5回表の第3打席はRFフライ。8回表の第4打席は1Bゴロ。この日は4-1でしたが、内容は良かったと思います。怪我から2ヶ月半を経て、そろそろ完全回復に近いのではないか?と思います。
PCAが勝ち越しHR
さて、ゲーム展開です。2-0とリードしていたカブスでしたが、中盤にエンゼルスに追いつかれ、2-2のまま9回表に。エンゼルスのマウンドはケンリー・ジャンセン。1アウト後、PCAに打席が周り、PCAは3球目のカットボールを右中間スタンドに放り込み、これが決勝点となり、カブスが3-2と勝利を納めました。ほぼど真ん中でした。
PCAはまだ不安定なものの、復調傾向です。カイル・タッカーもこれから上がりそうな感じがしますから、カブスは残り33試合、上り調子で追い込みをかけられれば良いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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