負けない=お客さんが詰めかける!
HOW do they keep topping themselves??? pic.twitter.com/FIJlO0NkJq
— Milwaukee Brewers (@Brewers) August 10, 2025
現地2025年8月10日、アメリカン・ファミリー・フィールドで行われたメッツ@ブルワーズ戦はすごかったですね。ブルワーズが負けません!!
この日は、後述しますが0-5からのカムバックです。ちょっと信じられないですね。しかもメッツのピッチャーはショーン・マナエアで、これで逆転するんですから、信じられない勝ちっぷりが続いております。
まるで魔法がかかったかのようなブルワーズの勝ちっぷりを見ようとお客さんはほぼ満員の状態。実はミルウォーキーはこの週末、ひどい状況だったのです。
ミルウォーキーは洪水!
Early this morning, a flash flood turned the streets into rivers in Milwaukee, Wisconsin, USA. pic.twitter.com/tSIY9bDRnI
— Weather Monitor (@WeatherMonitors) August 10, 2025
日本でも2025年8月10日-11日にかけて、九州地方を中心に線状降水帯が発生し、熊本県などでは大きな被害が出ております。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
実はこの試合が行われたウィスコンシン州ミルウォーキーもこの週末にかけて深刻な洪水に見舞われていて、一部地域では記録的な降雨量で10~15インチ(254ミリから381ミリ )に達し、これにより鉄砲水、甚大な物的損害、広範囲にわたる停電が発生。数十件もの水難救助活動が行われる事態となっておりました。
さらに、河川の氾濫、道路の通行止め、数千もの地下室や車が浸水したため、ミルウォーキー当局は非常事態を宣言。ウィスコンシン・ステート・フェアや市内の主要イベントも軒並み中止という事態に。
開催決定の判断
クラブ関係者は試合を行うかどうかの決断を下さなければなりませんでした。
まずは球場の施設が「建物に損傷や浸水がないこと」を確認。これは幸運でした。
そして次にアクセスの確認がありました。ブルワーズによると、スタジアムの駐車場への主要アクセス道路のうちウェスト・キャナル・ストリートとブルワーズ・ブルバード(ウィスコンシン州道175号線)の2本が水没。そして1万3000台以上収容可能な駐車スペースの約半数が水没していたとのこと。
ただ、アクセスに関しては選手間でのテキストメッセージのやり取りもあり、最も簡単なルートを見つけることができたようで、選手と球場スタッフは全員無事。ビジターであるメッツも問題なくスタジアムに到着しました。この状況もかなり不幸中の幸いでした。
ファースト・ピッチを遅らせるというオプションもあったようですが、遅らせたところで水没しているルートがすぐに復旧する見込みもなく、遅らせるという連絡にかなりの手間も要することから、13:00 定刻にスタートすることを決断したとのこと。
チームがこういう状況ですから、スタッフも試合を運営したくて仕方なかったようです。
33,700人が入場
このような形でメッツ@ブルワーズ戦はなんとか開催にこぎつけ、広報の発表では42,461人の有料観客(シーズン・チケットなど)のうち、33,700人のファンが入場ゲートを通過したとの発表がありました。
ブルワーズは、試合に来られなかったファンに対してもしっかりとケアしており、未使用のチケットにプリペイド駐車券もアカウントに付与して、2025年のレギュラーシーズンの残りのホームゲームで使用出来るようにしたとのこと。
お客さんを夢中にする逆転勝利!!
また、ブルワーズは7試合連続でホームゲームが完売。これは2008年以来のことになるようで、これにはチームのスターであるウィリアム・コントラレスやアイザック・コリンズのような新スターの活躍などもありますが、やはりここ28試合で24勝を挙げ、MLB勝利数トップに躍り出ている今の状況が、ミルウォーキーのお客さんの心を掴んでいると言って良さそうです。
それに勝ち方にも注目が集まっています。相手チームが先制した今季最初の22試合では勝利したのがわずか2勝。今季初めは先制されるともう負けがほぼ確定していたのです。
ところが、その後に先制された31試合では21試合で逆転勝利。しかも、8月8日からスタートしていたこのメッツとの3ゲームシリーズでは、Gm1が0-2から3-2の逆転勝利、Gm2は0-1から最終的に7-4で勝利。そしてこの日のGm3ではなんと0-5からの大逆転勝利。直近の9連勝のうち6試合が逆転勝利なのです。
こんな面白い展開となっては、お客さんも最終的に勝利の美酒を味わえるのですから、観に行きたくなりますよね。
0-5からのカムバック
そのメッツのGm3ですが、メッツがショーン・マナエア、ブルワーズがクイン・プリースターが先発。
クイン・プリースターが炎上
ブルワーズ先発のクイン・ブリースターですが、今季はすでに11勝をマークするも、この日は毎回失点する投球。1回表はフランシスコ・リンドーアに死球を当て、盗塁も絡められた上でフアン・ソトにタイムリーを浴びて1失点。その後もランナーを溜め、ジェフ・マクニールにタイムリーを浴びて2失点目。
2回表にはブレット・ベイティーにソロHR、3回表にはピート・アロンゾとロニー・マウリシオのコンビで1失点、4回表はセドリック・マリンズにソロHR。この時点で、クイン・プリースターは5失点で、ブルワーズは0-5とリードを許していたのです。
なお、クイン・プリースターは5回表にはフアン・ソトとピート・アロンゾのコンビでもう1失点し、この日はまるで落ち着きがありませんでした。クイン・プリースターは4.1 IPで被安打10、失点6、ER 6、BB 1、HBP 1、SO 2、HR 2。
もともと被安打が重なる投手ではありますが、ちょっと打たれすぎました。
ブルワーズが反撃開始
さて、ブルワーズ打線の方は、3回まではショーン・マナエアに対し、無得点。安打は1回裏にアイザック・コリンズが二塁打を放ったのみでした。
しかし、4回裏、ブルワーズが反撃を開始。先頭のウィリアム・コントラレスがインコースへの91.1mphの4シームをLFスタンドに放り込むソロHRを放ち、まずは1点を返し、1-5。
さらに、続くアンドリュー・ボーンがCF前にシングルを放ち、さらなる追い上げムードを作りますが、この後、2人続けて倒れて2アウト。これでチャンスは潰えたか?と思ったのですが、つづくダニー・ジャンセンがLFへ二塁打を放って2アウト2、3塁とチャンスを拡げると、つづくブランドン・ロックリッジが四球を選んで2アウト満塁に。
ここでチャンスに強いSSのジョーイ・オルティズがLF前にシングルを放ち、2人が生還して3-5に。ブルワーズはこれで一方的な展開をキャンセルし、射程圏内の2点差に詰め寄りました。
ウィリアム・コントレラスが2本目のHR
3-6となった5回裏、ブルワーズは先頭のアイザック・コリンズがRFへシングルを放って出塁。メッツはここでショーン・マナエアを諦めました。ショーン・マナエアもピリっとしない投球内容で、4回、被安打6、失点4でした。
メッツのピッチャーは右腕のリード・ギャレットにスイッチ。その代わりばな、ウィリアム・コントラレスが今度はアウトコースの厳しい球をRFポール際ギリギリに入る2ランHRを放ち、ブルワーズはこれで5-6と1点差に。
ブルワーズ、R・ヘルスリーを攻略!
8回裏、メッツはトレード・デッドラインでカージナルスから獲得したライアン・ヘルスリーを投入。クローザー・ロールを任されてきた投手をセットアップに使うというなんとも贅沢な使い方を実行。
しかし、ブルワーズはそのライアン・ヘルスリーを攻略。まずはイニング先頭のブライス・トゥランが四球で歩き、チャンスメイクすると1アウトからダニー・ジャンセンがLFへシングルヒットを放ってつなぎ、1アウト1、2塁。
このチャンスにブランドン・ロックリッジが打席に入りましたが、ここはヘルスリーが勝って三振で2アウト。
ここでバッターはジョーイ・オルティズ。オルティズの当たりは1塁線を抜けてRF前へ。これで2塁からブライス・トゥランが還り、ブルワーズがついに6-6の同点に追いつきます。
アイザック・コリンズがサヨナラHR
9回裏、メッツはマウンドにエドウィン・ディアスを投入するも、ブルワーズはイニング先頭のアイザック・コリンズが5球目の甘いスライダーをRFスタンドに放り込み、試合が決まりました。アイザック・コリンズのサヨナラHRでブルワーズが7-6で勝利。
メッツをねじ伏せました。
それにしても信じられない展開になりました。
2番手DL・ホールが3.2 IPをスコアレス
このゲームは、2HRを放ったウィリアム・コントレラス、いい場面で2度もタイムリーを放ったジョーイ・オルティズ、サヨナラHRを放ったアイザック・コリンズなど打者がいい仕事をしたことは間違いないところです。
ただ、筆者はクイン・プリースターが乱したゲームを2番手として5回途中から8回までの3.2イニングを無失点に抑えたDL・ホールがゲームMVPではないか?と思います。彼の口頭がなければ、流れはメッツにグイッと傾いていたのではないかと思います。
ブルワーズ、勝ちパターンを使わず
ブルワーズは9回表に右腕のニック・ミアーズを起用。超軟投派です。投球のほとんどが87mphほどのスライダー、もしくは82mphほどのカーブ。そしてたまに投げる4シームは96-97mphの間。結構、速いボールも投げるのですが、ほとんどが抜いた球。
今季はこのゲームも含めて43.2 IPでERA 2.68。またブルワーズが目覚めさせた投手と言っていいでしょう(キャリア通算のERAは4.47)。
本来なら9回はトレバー・メギルなのですが、メッツとのこのシリーズで連投していたので、ベンチはGm3でメギルを休ませました。また、本来、8回はアブナー・ウリーべですが、彼もトレバー・メギルと同じで連投していたのでこの日はあえて使わず。
だから、DL・ホールを3.2イニングも引っ張ったわけですが、それにしても勝ちパターンのセットアッパーとクローザーを使わずに終盤での僅差のゲームをものにするとは、もはやブルワーズは神がかっていますね。
I・コリンズはルール5経由(マイナー・フェイズ)
ちなみに、この日は打者の方ではクリスチャン・イエリッチを温存して勝利しています!!
そして大活躍のアイザック・コリンズは2022年のルール5ドラフトでマイナー・リーグ・フェイズでロッキーズから獲得した選手であることをお見逃しなく!ブルワーズはもう選手開発が凄すぎて、感心してしまいますね。
ブルワーズの大型連勝は3度目
ブルワーズですが、またもや連勝街道を突っ走っております。
5/25から6/2にかけて1度目の連勝でこのときは8。7/6から7/21にかけては2度目の連勝でここでは11。これは長かったです。そして今回の8/1から8/9にかけて(まだ伸びるかも)の9連勝と、今季3度目の大型連勝です!!
お読みいただき、ありがとうございました。
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