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【MLB2025】ドジャースがベテラン・ユーティリティーのクリス・テイラーを解雇へ

DFAではなくリリース

 現地2025年5月18日、ロサンゼルス・ドジャースはベテラン・ユーティリティーのクリス・テイラー(Chris Taylor)をリリースしたと発表しました。

 これにより、クリス・テイラーのドジャー・ブルーでのプレーに終止符が打たれました。2025年で計10シーズン目でした。

 当初、メディアではクリス・テイラーがメジャー枠から外れる、いわゆるDFAになったと報じられました。しかし、ドジャースが正式発表したのは1週間ほど宙ぶらりんの形が続くDFAではなく、リリースでした。

 ドジャースのこの決断はクリス・テイラーをウェーバーで獲得するクラブはないと判断したため。というのもウェーバーで獲得すれば残りサラリーを負担する必要があり、とてもそのようなクラブは出てこないとの判断です(後述)。また、リリースで即時FAの状態になれば、次に獲得するクラブはメジャー最低年俸の日割りのみでいいことになり、その方がクリス・テイラーも次の所属先を探しやすいというのもあります。

クリス・テイラーのサラリー

 そのクリス・テイラーのサラリーですが、ご覧の契約になっていました。

  • 4 年/$60M (2022-25) + 2026 $12M クラブオプション($4Mバイアウト)
    • $15M/年(2022-2023)
    • $13M/年(2024-2025)

 2025年はそもそも契約ファイナル・イヤーで、単価は$13Mで今季の残は約$9.55Mほど。ゆえにこれを引き継ぐクラブはないとの判断するのも妥当なところです。

 ドジャースは残債の支払い義務もありますし、2026年のバイアウト分の$4Mも支払うことになります。仮にクリス・テイラーがどこかとメジャー契約した場合、上述の通り獲得クラブはメジャー最低年俸の日割り分でよく、ドジャースの残債はその分だけ割り引かれます。

スーパー・ユーティリティーのエドマンが復帰

 クリス・テイラーと言えばドジャースが誇るスーパー・ユーティリティー3人衆の一人でしたが、一旦はボストンに所属していたキケ・ヘルナンデスが2023年のトレード・デッドラインでドジャースに復帰。さらに2024年のトレード・デッドラインではカージナルスからトミー・エドマンが移籍し、この時点でドジャースにはスーパー・ユーティリティーとも言える選手が3名いたということになります。

 彼らは3人ともアクティブ・ロスターに入っていたわけですが、4月29日のゲームでトミー・エドマンが右足首を捻挫し、4月30日スタートの10 Days ILに入っていました。

 その際にドジャースは他の内野手をアクティブ・ロスターに入れたりしていたのですが、そのトミー・エドマンが5月18日付けで復帰することになり、押し出されるような形でクリス・テイラーはリリースされることとなりました。

クリス・テイラーのキャリア

 1990年8月29日生まれのクリス・テイラーは現時点で34歳。もともとは2012年のアマチュア・ドラフトのマリナーズの5巡目指名でプロ入り。

 メジャー・デビューはマリナーズ時代の2014年でこの年は47試合で、.287/.347/.346、HR 0。2015年もパッとしない成績で、2016年6月にマリナーズが右腕のザック・リーを獲得したトレードでドジャースに移籍。ここからクリス・テイラーの力が発揮されることとなります。

育成力のあるドジャースの象徴

 2016年の残り期間、クリス・テイラーはドジャースのユーティリティ内野手として活躍し始めるのですが、本格的なブレイクは翌2017年から。

2017年はNLCS MVP

 2017年、ドジャースがアストロズとのワールドシリーズに敗れたシーズンでしたが、そのレギュラーシーズンでクリス・テイラーは568打席で打率.288、OBP .354、SLG .496、HR 21本を記録し、カブスとのNLCSではMVPに輝き、ドジャースのワールドシリーズ進出に大きく貢献。

 クリス・テイラーの活躍は、それまで無名だった選手たちから素晴らしい成績を引き出すドジャースの育成力を象徴する存在だったと言えるでしょう。

 またフィールドのあらゆる場所でプレーできる能力は、彼を貴重なユーティリティオプションとしてベンチの采配も楽にしました。クリス・テイラーは、SS、2B、LF、CFとしてMLBで少なくとも174試合に出場しているほか、特にRFと3Bとしても多くの時間をプレーしました。

 さらに、2021年シーズンも平均以上の成績を残し、上述のマルチイヤー・ディールでドジャースと再契約。

 ところが、この大型長期契約が締結されて以降、クリス・テイラーの成績は降下。2017年から2021年にかけて2382打席で打率.265、OBP .343、SLG .461を記録したものの、2022年の開幕戦以降は1119打席で打率.222、OBP.307、SLG.369へと落ち込みました。

 当然ながら出場時間も減り、2025年は、28試合、35打席にとどまっていました。

ドジャースはエンゼルスにスウィープされる

 ドジャースはエンゼルスとのフリー・ウェイ・シリーズの前のアスレチックスとの3連戦中の5月14日にベテラン捕手のオースティン・バーンズをDFA。そして今回、フリー・ウェイ・シリーズのGm3の日にクリス・テイラーを解雇。

 相次ぐ2人のベテラン選手の放出があったのかどうかは定かではありませんが、ドジャースはエンゼルスにスウィープされる事態に。 

 このロスター調整に現場の選手達がどういう反応をしているのか、いささか気になります。もちろん、ダルトン・ラッシングのデビューやトミー・エドマンの復帰は歓迎されるところではありますが、果たしてフロントと選手の間に溝は出来ていないのか?ドジャースの求心力の低下が気になります。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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