抜群に面白かった9回裏の攻防!
現地2025年10月6日、ドジャースの1勝で迎えたフィリーズとのNLDS Gm2は序盤はドジャース先発のブレイク・スネルとフィリーズ先発のヘスス・ルザルドが互いに力を発揮し、6回までスコアレスの緊迫した展開に。
そしてこのゲームは土壇場9回裏が非常に面白くなりました。
先発が互いに譲らず
立ち上がりはともにランナーを出した両先発ですが、2回から6回まではともにテンポもよく、どちらかというとヘスス・ルザルドがかなり攻めた投球を見せ、97mphをコンスタントにマークし、シンカー、スライダー、チェンジアップを自在に操り、ドジャース打線を圧倒したという言い方をしていいと思います。守りからリズムを作り、攻撃への流れを作りかけていました。
しかし、そうはさせじと立ちはだかったのがブレイク・スネルで、さすがサイ・ヤング賞2度受賞の実力を発揮。いつものいい角度から4シーム、カーブ、スライダー、チェンジアップとヘスス・ルザルドに対抗するように素晴らしい投球を見せ続けました。
ヘスス・ルザルドが6イニングを3ヒッターだったのに対し、ブレイク・スネルは6イニングを1ヒッター。ただBBの数はブレイク・スネルが4でヘスス・ルザルドは1。その意味でフィリーズの方が出塁の機会は多かったです。
ドジャース、7回に4得点
均衡を破ったのはドジャース。7回のマウンドにも上がったヘスス・ルザルドに対し、先頭のテオスカー・ヘルナンデスがチェンジアップを捉え、CF前にクリーンヒットで出塁。
ここでフレディー・フリーマンの打席となり、フリーマンはあの独特のバットの角度から低めのスウィーパーをさばき、これがRFへの2ベースとなり、ドジャースはノーアウト2、3塁の大チャンスを迎えます。
フィリーズはここでロブ・トムソン監督が出てきて、好投のヘスス・ルザルドを労い、オライオン・カーカリングへの交代を告げました。
このピンチにオライオン・カーカリングはトミー・エドマンをスライダーと4シームのミックスで三振を奪い、1アウト。つづくバッターはキケ・ヘルナンデス。フィリーズの守備は前進守備とは言い難いやや高い位置。
ここでキケ・ヘルナンデスはどん詰まりのSSゴロを放ち、3塁ランナーのテオスカー・ヘルナンデスがスタート。SSのトレイ・ターナーがうまく捌いてホームへ送球したのですが、ここはテオスカー・ヘルナンデスの足がわずかに早く入って得点。ドジャースが珍しい形で先制点を上げました。
フィリーズの守備ですが、ダブルプレーもなかったので、しっかりと前進守備でも良かったのでは?とも思いましたが、これはまあ結果論ですね。
この後、ミゲル・ロハスに代わってマックス・マンシーが代打に送られましたが、マンシーは四球で出塁。ドジャースはまだ1アウト満塁のチャンスです。つづくバッターはアンディー・パヘスでしたが、1Bポップフライに倒れて2アウト満塁に。
ウィル・スミス、大谷がタイムリー
ドジャースは試合途中から捕手にウィル・スミスを起用。ここでウィル・スミスに打席が回ってきたのですが、初球のスウィーパーをLFに弾き返すヒットを放ち、2人が生還してドジャースが3−0とリードを拡大。
大谷選手に打席が回ってきたのですが、フィリーズは左腕のマット・ストラムを起用。せっかくの左投手だったのですが、大谷選手はインコースのシンカーを力強く捌いてこれがCF前に抜けるタイムリーとなり、マンシーが生還してドジャースは4-0とリードを拡げます。
ドジャースの継投
4-0としたドジャースは7回裏にエメット・シーハンを起用。三者凡退に押さえ、ますますドジャースへの流れを作ります。
ドジャースは8回裏からRFの守備にジャスティン・ディーンを起用。逃げ切り策の一つです。そしてマウンドは引き続き、エメット・シーハン。シーハンは先頭打者を打ち取ったまでは良かったのですが、つづくオットー・ケンプの代打、マックス・ケプラーに三塁打を打たれ、ピンチを招きます。インローへのいいスライダーだったのですが、これはケプラーの打撃が良かったのでしょう。
この後、怖い1、2、3番のターンとなり、シーハンはトレイ・ターナーにタイムリーを打たれ、1点を返されます(LAD 4-1 PHI)。しかし、シーハンはこの後、カイル・シュワーバーを三振に、ブライス・ハーパーをCFフライに打ち取り、1失点でなんとか凌ぎます。
9回裏、ロバーツ監督がまたやってしまう
9回裏、ドジャースは佐々木投手を投入するものだと多くの人が考えたと思うのですが、ロバーツ監督は準備の段階からブレイク・トライネンと決めていたようでその通りに起用、そして危うく逆転されるところでした。
ロバーツ監督はおそらく心配症なのでしょう。もう就任当初から投手交代は下手で余計なことを考えすぎてそうじゃない方を選ぶのは多々ありました。今回は素直に佐々木投手で良かったと思います。トライネンは佐々木投手に何かあった時のバックアップとして準備してもらえばよいものを・・・。
結果、ブレイク・トライネンは1アウトも取れず、2失点を喫し、3-4と1点差に詰め寄られ、しかもノーアウト2塁で1本出れば同点のピンチ。
ドジャースはここでアレックス・ベシアに交代。
ムーキーのカバーが同点を防ぐ
ノーアウト2塁でマウンドに上がったベシアはブライソン・ストットとの対戦。
ここで名将ロブ・トムソン監督の采配で「どうか?」と思うシーンがありました。それはダブルプレーもない中、ブライソン・ストットにバントを命じたのです。ストットなら、進塁打を期待してよかったのでは?と思います。相手が左腕のベシアだったので、外のスライダーを引っ張ることは難しかったかもしれませんが、なんとか転がすことは出来たと思うのですが、これも結果論かもしれませんが、バントはどうかと思いました。
そのストットのバントですが、3B前に転がりました。ドジャースはこれを3Bのマンシーが処理。そして3Bへ転送。見事に2塁ランナーのニック・カステヤーノスをタッチアウトにしました。
このプレーですが、3Bカバーに入ったムーキーはむしろランナーより早く3Bへスタート。これはNPBでは見られない形で、こういうサインプレーの練習でもしたのでしょうか?試合後、ムーキー・ベッツはアドリブだったとコメントしましたが、普通なら3Bは少し前に来てまた3Bをカバーするのが良いと思うのですが、結果オーライなのか、ミラクルと呼んでいいのか!?
ただ、事実としてこのプレーが活きて、この後、ベシアはハリソン・ベイダーにLFへのシングルを打たれたものの、失点せずに済みました。もしカステヤーノスが3B、あるいは2Bにいれば同点になるところでした。ジーターの伝説のカット・アシストを思い出しましたね。
佐々木登場
この後、ベシアは1アウト1、2塁でマックス・ケプラーを1Bゴロに仕留めて2アウト1、3塁でトレイ・ターナーを迎えたところでようやく佐々木投手の登板に。
その佐々木投手は初球はスプリッターがインコースに抜けたものの、2球目のインコースへの4シームでターナーをつまらせ、2Bゴロに。2Bのトミー・エドマンが1塁に1バウンドの送球を投げヒヤッとさせましたが、ここは名手フレディー・フリーマンがきれいに救い、ターナーはアウト。
佐々木投手は2球でピンチを脱し、4-3でドジャースが勝利。連勝となり、NLCSへ王手をかけました。
ドジャースにとっては4-1のゲームでしたが、危なかったですね。たっぷりご覧になりたい方はこちらを(↓)。
フィリーズ、上位打線が苦戦中
NLDSからの参戦となったフィリーズは、JT・リアルミュートが打率.375、マックス・ケプラーが.333と結果は出ているものの、上位打線が一様に苦戦中です。
- トレイ・ターナー:7打数1安打(この日ようやく一本が出ました)で打率.143
- カイル・シュワーバー:7打数0安打、打率.000
- ブライス・ハーパー:7打数1安打、打率.143
- ニック・カステヤーノス:6打数1安打、打率.167
- アレク・ボーム:6打数1安打、打率.167
果たしてGm3は打線が復活するのか?Gm3は移動日で一日空いて現地8日、ドジャー・スタジアムでの開催で山本投手とアーロン・ノラのマッチアップです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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