新スタジアムは”Globe Life Field ”
現地2019年3月7日、テキサス・レンジャーズは2020年の開幕に向けて建設途中である、”Globe Life Field (グローブ・ライフ・フィールド)”の概要と建設の進捗具合を披露してくれました。
ロケーション
新スタジアムの場所は現状のスタジアムの横。野球場で式年遷宮のように横に設置出来るのは土地が広い証拠ですね。さすがアメリカ。
特徴
今回はコンセプト満載で設計したと思います。その中から際立ったものだけを上げておきます。
開閉式ルーフ
ついにルーフを設置しました。これで猛暑対策はバッチリですね。
場所柄ゆえに現状のスタジアムはかなり暑いと言われていますが、屋根はなくとも避暑する場所が結構あるのでなんとか快適さは保てていたようです。その前のアーリントン・スタジアム(1965-1993)は死ぬほど暑かったそうです。
また、現状のスタジアムは空気が乾燥していてヒッターズ・パークと言われていましたが、屋根を閉じることでいくぶんか投手有利の影響が出てくるかもしれません。
エアコンの冷気でもっと乾燥してボールが飛ぶかもことも十分に考えられるのですが。
観客保護
レンジャーズは今回のスタジアムに観客保護の観点を取り入れています。
防御ネット
2017年9月21日、ヤンキースタジアムでのレッズ@ヤンキース戦でトッド・フレイジャーの放ったファウルボールが100マイル(162キロ)を超える速さで(一説では105マイル-170キロ-にも達したと言われる)、スライドしながらスタンドへ到達。
11才の女の子が大怪我をする事態となりました。この時は選手みんなが取り乱しておりましたね。
今回のスタジアムはフィールドにより近く、より低くなるよう設計されているため、お客さんを保護する必要が出てきたことから、MLBでは非常に珍しい、内野の低層にネットを設置。
ファウルボールや折れたバットで怪我をしないよう配慮する予定です。
違う論点のツイートですが、フェンス際にネットが設置してあるのがおわかりいただけると思います。
現状のイン・アーリントンにおいてもベンチ裏など一部にはネットが設置されていますが、今回は日本の野球場のように内野フェンス沿いに設置するようです。イラストを見る限り、甲子園の内野のネットくらいの高さになりそうですね。
落下防止対策
2011年7月7日、アスレチックス@レンジャース戦において、ジョシュ・ハミルトンがスタンドに投げ込んだボールを捕球しようと夢中になるあまり、地元の男性が選手が高い所から落下し亡くなるという事故が発生しました。
今回はそれを踏まえて、落下事故が起こらないような運用にするようです。どうするのかは今のところ不明ですが、現状のような高いところで体が乗り出さないような設計にするようです。
進捗状況
現地2019年3月7日のスタジアムの進捗状況です。もうスタンドの土台部分まで組み込んでいますね。早い!
今のスタジアムとの名前の違い
2019シーズンまで使用するレンジャーズの現本拠地の名前は「グローブ・ライフ・パーク・イン・アーリントン」。
新しい球場が「グローブ・ライフ・フィールド」ということで非常にややこしいです。
どちらも「グローブ・ライフ」という生命保険会社がスタジアムの命名権を取得しているせいですが、このような違いがあります。
- 新しい方は:フィールドがつく(グローブ・ライフ・フィールド)
- 古い方は:イン・アーリントンがつく(グローブ・ライフ・パーク・イン・アーリントン)
ダルビッシュ投手が2012年に移籍してきたときは「レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン 」でした。この名前は、オリオールズの「オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ(1992開場)」を意識したと言われております。
現スタジアムはまだ25年
現在のスタジアムも大変豪華な建築物ですが、開場となったのは1994年。2019年がラストイヤーでまだ25年しか経っていないのに新球場を建設しております。
(追記です)現地2019年10月17日時点、グローブ・ライフ・パーク・イン・アーリントンはすでに改装中です。ご覧のようなフットボール・フィールドになります。なにか旧ターナー・フィールドがアトランタ五輪をやっていた時のような変形っぷりです。
早いピッチでの球場建設といえば、ブレーブス
1996年のアトランタ五輪のメイン会場としてオープンし、1997年にMLBのスタジアムとして再オープンとなったターナー・フィールドは2016年で終了。サントラスト・パークが2017年からのオープンですから、20年ほどで野球場としては幕を閉じたことになります。
ターナー・フィールドですが、現在はフットボールスタジアムとなっています。
ビジネスとの絡み
よく資金が集まったなと感心しているのですが、テキサスの景気をささえる一つの策だったのかもしれませんね。オーナーはエネルギー会社の人です。当然ファンドも組んだ大きな力で資金を動かしたことと思います。
どこかで見た覚えが!
アメリカにもツッコミの激しいファンがたくさんいらっしゃいますが、私もレフトスタンド後方の柱と壁を見て思いました。
「ミニッツ・メイドやん!」。
追記:85%進捗完了
現地2019年11月19日、進捗率が85%になったところでマンフレッド・コミッショナーとレンジャーズ幹部が報道陣とともに中に入りました。完成後はもう見られない映像なので貴重かもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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