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【MLB2023】アスレチックスのラスベガス移転は11月半ばのオーナー会議で採決へ(追記あり)

移転に向けて大きな一歩

 現地2023年10月27日のこととなりますが、ワールドシリーズのGame1がグローブライフ・フィールドで行われたこの日、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーが、オークランド・アスレチックスのラスベガス移転に関し、11月14日から16日までテキサス州ダラスにおいて開かれるオーナー会議で採血されると明言。これによりアスレチックスのラスベガスへの移転が大きく進むことになります。

3/4の承認で可決

 またマンフレッド・コミッショナーは、現状の進捗も説明。

 それによると、オーナーの中で「移転委員会」というのがすでに発足しており、そのメンバーは、ブルワーズのマーク・アタナシオ会長、フィリーズのジョン・ミドルトンCEO、カンザスシティ・ロイヤルズのジョン・シャーマンCEOの3人から構成されており、当該アスレチックスの移転の申請について定期的に会合が開かれていると。

 また、オーナー会議の採決にかけるために、まずは8人で構成される執行評議会(executive council)に進み、ここで過半数の承認を得る必要があります。

 執行評議会で5人以上が承認すれば、晴れてオーナーズ・ミーティングの採決に。そしてオーナーズ・ミーティングの採決では4分の3が承認すれば、晴れて正式に移転の許可が降りることに。30名の3/4ですから22.5人なので23名の賛成票が必要。反対票を7名までに抑えることが出来れば良いということに。反対する理由がないオーナーがほとんどなので通ると思われます。

追記:満場一致で可決

 追記です。現地2023年11月16日のオーナーズ・ミーティングで本議題は満場一致で可決し、アスレチックスのラスベガスへの移転が決定しました。

 地元ファンの残留の声も届かずといった結果となりました。ジャイアンツとのインターリーグではベイブリッジシリーズと呼ばれるほどフランチャイズが近くて盛り上がったものの、やはりファンの数は圧倒的にジャイアンツの方が多かったのも事実です。また、今はサンフランシスコ周辺はかなり治安もみだれているとも聞きます。スタジアムの老朽化もあり、これは移転も已む無しといった状況でもありました。問題はスタジアムが出来るまでどうするか?ですね。

トロピカーナ・ホテル跡地に

 このプロジェクトは当然具体的にかなり進んでおり、アスレチックスのホームページにも記載があります(どういう訳か、ホームページのヘッダー・ナビの”TICKET”にカテゴライズされています)。

A's New Ballpark | Oakland Athletics
To stay up-to-date and to learn more about the A's new ballpark proces...

 アスレチックスはラスベガスにすでに移転を申請。トロピカーナ・ホテル跡地にニュー・ボール・パークを建設する契約を結んでおります。新スタジアムは開閉式でスポーツ、エンターテインメント、コミュニティーの拠点となる予定で、アスレチックスの試合だけでなく、コンサート、コミュニティーの集会など様々なイベントで利用される見込みです。

 ラスベガスのあるネバダ州のロンバルド州知事は、2023年6月に球場建設を支援するアスレチックスの官民パートナーシップ法案であるSB 1という法律に署名。アスレチックスは、地元で大きな雇用を生む約束をしており、建設雇用として16,000名、完成後の年間雇用で13,000名を創出することになっています。

 なお、クラブ移転があると様々な方面から反対意見が出されますが、地元オークランドでも残留を求める声が上がりました。そして受け入れ側のラスベガスでも当該移転計画に公的資金を投入することを反対する声が上がりました。こういうことがあると色々な考えが衝突します。

大きな問題は、「移転までどこで?」

 このプロジェクトは「ベガスにMLBを!」という長年の声を実現させ、これからさらに具体的な形になって行くのですが、1つ大きな問題が横たわっています。

 それはスケジュール。建設予定地であるトロピカーナ・ホテルをこれから解体するのですが、新球場の工事着手は早くて2025年から。そこから約3年をかけて2028シーズンの開幕に間に合わせたいというスケジュール感で進みます。そして、現在のオークランド・コロシアムのアスレチックスのリース契約は、2024年シーズン終了時に終了するということ。

 工事着手から完成までの3シーズンはどこでプレーするのか?という大きな問題がまだ解決していません。これから出て行くというクラブに対して、オークランドがリース期間の延長を引き受けるかどうかも定かではありません。もしだめなら、マイナーのスタジアムを使うのか?など様々な解決策がこれから寝られて行きます。

レイダースもベガスに移転済み

 オークランドのロケーションはこちらの記事に記載しています。

 いわゆるベイ・エリアというところにあるのはMLBファンの方ならご存じかと思いますが、ここはもうジャイアンツの牙城と言っていいところです。またサンフランシスコ自体もコロナ・パンデミック以降はかなりの変化があるようです。

 街の状況もさることながら、アスレチックスの場合は観客動員の問題が大きいです。下記は2023シーズンのホームゲームの1試合当たりの平均観客数。

【2023観客動員】

  1. ドジャース: 47,371名/ Game (MLB NO.1)
  2. ヤンキース: 40,862名/ Game 
  3. パドレス: 40,389 名/Game
  4. カージナルス:40,013/Game
  5. ブレーブス: 39,401/Game

 キャパの大きいスタジアムが上位を占めております。キャパで行けばアスレチックスはかなり大きいはずですが、1試合当たりの観客数は10.275名でこれはMLB ワースト。2023年はサラリーの高い選手を全て移籍させましたので、厳しい戦いを強いられたことがさらに拍車をかけたというところです。

 NFLのオークランド・レイダースも2020年からラスベガスに移転してラスベガス・レイダースに。

 アスレチックスもその流れにというところかと思います。 

 なお、アスレチックスのラスベガス移転に関しては、こちらの動画が非常によくまとめてくれております。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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