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【MLB2025FA】レッドソックス、ベテランのマット・ムーアを加え、ブルペンをさらに補強

マット・ムーアとのマイナーディールが正式決定

 現地2025年2月23日、ボストン・レッドソックスとベテラン左腕のマット・ムーア(Matt Moore)が正式に契約を結びました。

 こちらはマイナー契約でマット・ムーアは当然のごとくNRI(Non Roster Invitee)としてスプリング・トレーニングに参加します。

左腕のブルペンを補強

 2024シーズンはブルペンのサウスポーで苦しんだレッドソックスは今オフにクローザー・ロールも期待できるアロルディス・チャップマンと1年契約でサイン。さらに37歳のベテランで、メジャー通算587試合に登板しているジャスティン・ウィルソンともサイン。

 この2人がオフシーズンにFAで獲得したトップ2左腕リリーバーです。

ザック・ペンロッドは離脱見込み

 その他サウスポーは、チーム内からは過去2シーズンでそれぞれ50試合以上に登板してブルペンに貢献するも、今ひとつ安定して来なかったブレナン・ベルナルディーノ、27歳で2024年に4.0 IPながら、良い投球を披露したザック・ペンロッドがおります。彼らはともに40manロスターに入っています。

 そのザック・ペンロッドですが、今年は飛躍の年になるかと思っていたのですが、2月に入り、肘の痛みを訴え、MRI検査に向かっている最中。、最悪の想定としては手術も考えられ、長期離脱の考えなければなりません。

 今回、マット・ムーアを獲得に至ったのはこのペンロッドの枠を気にしてのことです。

 このスプリング・トレーニングでロースター外のNRIとして同じ立ち位置を争っているのは、ジョバニ・モラン、ショーン・ニューカムらもおります。

 いずれにせよ、ブルペンのサウスポー枠は今のところ3人です。

M・ムーア:先発→リリーバーへの歩み

 かつてはレイズに所属して、2011年にデビューたマット・ムーアは背番号55をつけていました。2012年に松井秀喜選手がレイズに移籍した際は55番をつけるプランもありましたが、松井秀喜選手の方がむしろトップ・プロスペクトのマット・ムーアに敬意を払って背番号を奪うことなく、35番をつけたという経緯があったほど、非常に力のあるルーキーとして台頭していました。

 マット・ムーアの同世代はマイク・トラウト(2011年デビュー)、ブライス・ハーパー(2012年デビュー)で、彼らと肩を並べるトップ・プロスペクトとしてキャリアをスタートさせました。

2014年にTJ手術

 2012年に31先発、177.1 IPで11勝11敗、ERA 3.81をマークしたマット・ムーアは翌2013年には27先発で150.1 IPを投げ、17勝4敗、ERA 3.29をマーク。まさにトラウトやハーパーと双肩する実力を発揮しておりました。

 しかし、2014年にトミー・ジョン手術後、完全に復調するには至りませんでした。

 2016年には198.0イニングを投げてERA 4.08と持ち直しつつあったものの、2013年のようなムーアではなくなりました。

 2017年から18年にかけてジャイアンツとレンジャーズで苦戦。2019年にはタイガースでシーズン2度目の登板で膝を痛め、ほぼ全試合に登板できず。

2020年にNPBへ

 そんな中、転機となったのは2020シーズン。同年はNPBもMLB同様にコロナ禍の影響を受け、120試合の短縮シーズンとなりましたが、この中でマット・ムーアは来日。初めてのリーグでしかも変則シーズンで調整も難しかったと思うのですが、マット・ムーアはこの状況の中、集中力を見せ、かつてほどではないにせよ、ここで輝きを放ちました。ソフトバンクの1軍で13試合、78.0 IPで6勝3敗、ERA 3.69をマーク。驚くような成績ではありませんでしたが、それでもきっかけを掴むには十分なシーズンに。

リリーバーとして好成績

 2021年はMLBに戻り、フィリーズとサイン。先発への復帰も試み、13試合に先発したものの、56.1 IPで自責点41、ERA 6.55、HR 13、BB 33と散々の出来で、これがきっかけでリリーフへ。

 リリーフに回ってからは11試合、16.2 IPでERA 5.40と若干落ち着き、数字以上にリリーバーとして良い感触を掴んだというシーズンに。

 リリバーとして素晴らしかったのは2022年で、この年はレンジャーズに在籍して、63試合オール・リリーフで74.0 IPで ERA 1.95をマーク。ショートイニングならかつての輝きを取り戻せたのでした。

 2023年はその実績も買われて大谷選手のエンゼルスのファイナル・シーズンにポストシーズンへ進出するべくエンゼルスと契約へ。46試合でERA 2.66と結果を出したのですが、エンゼルスは8月に大失速し、マット・ムーアはサラリーを削る対象でウェーバーにかけられ、ガーディアンズに移籍。

 いみじくも、この年にやはりエンゼルスに途中から在籍し、同様にウェーバーにかけられたルーカス・ジオリトとは今回はまたチームメイトになります。

 2023年はガーディアンズ、マーリンズにも移り、計3クラブでプレー。年間のERAは2.66。

 2024年は再び、エンゼルスに所属。51試合に登板し、ERAは5.03でした。この数字は2度のラフな登板によって歪められている面もあります。5月11日のカージナス戦の0.1 IPでER 4と、7月19日のアスレチックス戦での0.2 IPでER 5という投球です。

前腕部は癒えたか?

 2024年は2022年、2023年に比べると荒れた感のあるマット・ムーアは、ファストボールのアベレージ・ベロシティーが92.7mphを記録。前年が94mphでしたから、打者の体感としてもかなり落ちた感があったと思います。

 その原因ですが、前腕部の張りが出たためで、2024年は8月25日のブルージェイズ戦が最終登板となり、シーズン・エンドとなってしまいました。2022年から2024年まで63試合、50試合、51試合とかなり投げてきたこともあり、肘が悲鳴を上げたというところでしょうか。

 マット・ムーアは2025年は36歳のシーズン。なんとか良い状態でシーズンを迎え、レッドソックスのブルペンで力を発揮してもらいたいところです。

ロスターに残るか?オプトアウトするか?

 マット・ムーアは2025年1月時点でMLSは12.000、2024シーズンを60Days IL で終えました。

 要はFAの資格を満たしているのですが、2022-26 CBAでは、そんなFA選手がマイナー契約を結んだ場合には、一律にオプトアウトの日程が与えられることになっています。これはクラブ側に使わないのなら、他のクラブとの可能性を排除しないように早く契約解除をしてくれと要請できる権利。その日付が下記の3段階であります。

  • 開幕の5日前(今回は3月22日)、
  • 5月1日
  • 6月1日

 マット・ムーアは、レッドソックスが40manロスターに加えない場合、それぞれの日に契約解除をしてもらうように選択することが出来ます。

 レッドソックスはマット・ムーアがヘルシーであり、スプリング・トレーニングでもある程度の結果を残せば、たぶん、ロスターに入れると思います。よくあるのが、マイナー契約の選手がオプトアウトを選んだ直後に、アクティブ・ロスターの投手が怪我で離脱するというパターンですが、このケースはどうなるでしょうね?!

 お読みいただき、ありがとうございました。

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