2度のドラフト1巡目指名投手がついに初勝利
現地2025年4月17日、グローブライフ・フィールドで行われたエンゼルス@レンジャーズ戦で、レンジャーズ先発のクマール・ロッカー(Kumar Rocker)が7イニングを失点3、奪三振8に抑える好投を見せ、ついにメジャー初勝利を上げました!
Congratulations!
2021/2022年の1巡目指名
クマール・ロッカーは名門ヴァンダービルト大学の出身。2021年ドラフトの大注目の右腕でした。
その名はフレッシュマン時代の2019年からつぶやかれ始め、実際、2019年はルーキーながら12勝5敗をマークし、ヴァンダービルト大のカレッジ・ワールドシリーズ優勝に貢献。6月にはノーヒットノーランを記録しました。
COVID-19で中断となった2020年は3試合で2勝1敗。
アメリカの大学の学年の呼び方
Freshman/ Sophomore / Junior / Senior(1年生/2年生/3年生/4年生)
ロッカーは2020年の冬頃から2021年の全体1位候補として噂されはじめ、2021年ドラフトでは Junior(3年)終了でメッツから1巡目(全体10位)で指名されました。
当初は全体1位の筆頭候補でしたが、TOP5にも入らなかった理由はドラフト・イヤーに評価を落としたため。出れば抑える状態であった2019シーズンと違い、2021年のロッカーからは安心感が消えておりました。
その要因となったのが球速の低下で、スカウト達は怪我を懸念したのです。
通常、全体10位だとサイニング・ボーナス・プールは約$4.7Mですが、将来の肘の状態を懸念したメッツはそれを遥かに下回る金額を提示。これでロッカー側も怒り、メッツとは破談になったのでした。
まだ大学3年生だったロッカーですが、居場所もなくなり一時はNPBも視野に入れて所属先を探しましたが、結局、独立リーグで2022年のドラフトを待つという決断を下しました。
そして2022年、ロッカーは晴れてレンジャーズから1巡目(全体3位)で指名されてメジャーへの道が築かれたのです。ヴァンダービルト大学のチームメイト、ジャック・ライターとまた同じチームでプレーすることで話題にもなりました。
ロッカーは2年連続で1巡目指名を受けた投手ということにもなりました。
やはりTJ
ただし、スカウト達の見立ても正しく、ドラフト翌年の2023年5月にトミー・ジョン手術を受けることに。
術後のロッカーは2024年9月12日のマリナーズ戦でメジャー・デビューを果たし、2025年に期待できるプロスペクトとして今季に望んでいたという流れです。
メジャー7戦目で初勝利
クマール・ロッカーは2024年は3度先発の機会がありましたが、いずれも5イニング未満で降板。
2025年はローテーションの一人として稼働し始め、このゲーム前までは3戦に先発。シーズン・デビューの3月31日のレッズ戦は3イニングで6失点と大荒れでしたが、2戦目のレイズ戦(4月6日)には5イニングで1失点と好投。ただ、この時は勝ち星はつかず。
3戦目の4月12日のマリナーズ線では再び4回持たず4失点(ERは3)と、またラフ・アウティングとなり、4戦目のこの日が悪ければ、ローテーションの座も怪しくなるという状況でした。
そんなロッカーは1回表にホルヘ・ソレアーのタイムリーで先制点を許すまずい展開に。ただ、直後の1回裏にレンジャーズはランナーを溜めてアドリス・ガルシアが犠牲フライを放ってすぐさま1-1の同点に。
2回以降は落ちついたロッカーは4回までの3イニングをいずれも三者凡退に抑える好投を披露。
5回表は3本のシングルなどで2点を奪われましたが、味方打線はその前の2回と3回に追加点を上げていたので、5回を終えてスコアは4-2とレンジャーズがリード。勝利投手の権利を獲ておりました。
ロッカーは7回まで投げきり、78球と非常にいいペースを保ち、被安打5、失点3、自責点3、BB 0、SO 8で降板。崩れそうになったところを見事に持ちこたえました。
ロッカー降板後のレンジャーズは8回にクリス・マーティン、9回に左腕のロバート・ガルシアが締め、5-3のスコアでエンゼルスを下し、ロッカーに初勝利がもたらされました。
この日はスライダーのコマンドが抜群に良かったです。また、ベテランのカイル・ヒガシオカのリードも光りました。
5回表に4-3と1点差まで追い上げられながら、2アウト1、2塁でマイク・トラウトに打席が回るという非常にスリリングなシーンに直面しましたが、トラウトから三振を奪ってピンチを脱したところがポイントになりました。
これからのロッカーの活躍に期待したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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