クロシェ、サイ・ヤング賞にまた一歩
現地2025年8月23日、レッドソックス@ヤンキースのシリーズGm3は予想外の展開となりました。とは言え、この試合は戦前からレッドソックスが有利。理由はギャレット・クロシェ(Garrett Crochet)の先発日だったからです。クロシェとともにALのハーラー(勝利数)を争うマックス・フリードはすでにGm2で先発済み。
とは言え、戦前の予想やシリーズの流れなど度外視した戦いになるのがこのALイーストの伝統のマッチアップ。果たしてこの試合はどうなったのか?
クロシェに隙なし
ただし、この日はギャレット・クロシェの投球が一切の波乱が起きるのを許しませんでした。
この日、ヤンキースは右打者を多く起用。なんとポール・ゴールドシュミットがリードオフです!2番にアーロン・ジャッジ、3番には左打席のコディー・ベリンジャーが入ったものの、4番はジャンカルロ・スタントン(右打席)です。他に、3Bにはアーメッド・ロザリオ(右打席)、2Bにはホセ・キャベイェロ(José Caballero/右打席)が入りました。
ギャレット・クロシェは1回裏に左打席のコディー・ベリンジャーに初ヒットを許したものの、ゴールディー、ジャッジ、スタントンから三振を奪うパワフルな立ち上がり。
2回裏はアーメッド・ロザリオにLFへのシングル、ホセ・キャベイェロには四球を出すも、ここも無難に凌ぎました。
素晴らしかったのはレッドソックスが先制した直後の3回裏のヤンキースの攻撃を三者凡退に切り抜けたこと。しかもジャッジに回るターンでした。
4回裏に先頭のジャンカルロ・スタントンに972mphの4シームを右中間スタンドに放り込まれ、1点を返されたものの、それ以上の失点は許さず。
クロシェは結局、7回裏まで投げぬき、103球を投じ、被安打5、失点1、ER 1、BB 1、SO 11、HR 1と見事にまとめあげました。
クロシェ、マイルストーンを通過
そのギャレット・クロシェはこの日の11奪三振で、シーズン200奪三振を達成。その数は207にまで伸び、タリク・スクーバルの200奪三振を上回り、MLB NO.1。
さらにキャリア通算500奪三振にも到達し、通算501個となっております。
レッドソックス、12得点
ヤンキース先発のウィル・ウォーレンに対し、レッドソックスは2回表に吉田選手が初ヒットをh夏も得点ならず。
3回表、1アウトから9番のカルロス・ナルバエスがRFへのシングルを放って出塁すると、1番のローマン・アンソニーも安打を放ち、連打でチャンス拡大。2番のアレックス・ブレグマンは四球を選び、1アウト満塁の大チャンスを迎えます。
ここで3番のジャレン・デュランでしたが、デュランは変化球に翻弄されて3球三振に。ここで4番のトレバー・ストーリーが倒れでもするものなら、流れは一気にヤンキースに持っていかれるところでしたが、ストーリーはウォーレンの失投を見逃さずに左中間へ2ベース・ヒット。これでナルバエスとアンソニーが生還してレッドソックスが2点を先制。この後、ナサニエル・ロウが四球を選び、2アウト満塁で吉田選手でしたが、ここはいい当たりの2Bライナーに倒れてチェンジ。
レッドソックスは4回表にイニング先頭のセダン・ラファエラが2塁打を打って出塁すると、この後、シングルと死球でノーアウト満塁のチャンスを迎えます。ここでローマン・アンソニーは高めをうまくCFへ弾き返し、距離十分の犠牲フライを放って1点を追加。HRかと思うような当たりでした。さらに、アレックス・ブレグマンも高めを外野に持って行き、犠牲フライでもう1点(スコア 4-0)。
レッドソックスは5回表にトレバー・ストーリーがRFスタンドに放り込むソロHRを放ち、5-1とリードを拡大。1点を返された後の追加点でしたから、大きかったです。
このゲームは通常の流れなら、5-1、あるいは5-3くらいで終了するゲームでした。
レッドソックス、9回に7得点
ところが、9回表に思わぬ展開が発生。
ヤンキースはマウンドにメッツからDFAとなりリリースされたポール・ブラックバーンを起用。これが炎上してしまいました。バック・イシュー(背中の怪我)から復帰したポール・バラックバーンはメッツでは7試合、4先発で0勝3敗、ERA 6.85でリリースされ、この日がヤンキースでのデビュー戦。
これまでと変わらないきれいなメカニックのままのブラックバーンでしたが、先頭のローマン・アンソニーに二塁打を打たれると、アレックス・ブレグマンに進塁打を許し、1アウト3塁に。もう失点を避けたかったヤンキースでしたが、つづくジャレン・デュランにカット・ボールをCFへ弾き返されてタイムリーを浴びて1失点すると、トレバー・ストーリーにもシングルを打たれてデュランの好走塁もあり、1アウト1、3塁にされた後、ナサニエル・ロウにタイムリーを打たれて2失点目。
つづく吉田選手はうまくチェンジアップで抜いてポップフライを打たせて2アウトまでこぎつけますが、セダン・ラファエラにタイムリーを打たれて3失点目。
この後、デービッド・ハミルトンはヒット性のSSゴロに打ち取るも、ボルピーが1塁へ大暴投して4失点目。
2アウト1、3塁だったのですが、バラックバーンは1塁ランナーのデービッド・ハミルトンに牽制を投げるも、1Bのゴールドシュミットがベースから離れており、これがボークになり、3塁ランナーのラファエラが還って5失点目。見方によってはよく咄嗟に野手に向かって投げたとは思います。ベース上に投げていたらさらに惨事になっていました。
この後、カルロス・ナルバエスにとどめの2ランHRを左中間スタンドに放り込まれ、計7失点。
レッドソックスは9回裏にジョーダン・ヒックスを起用し、無失点に押さえてゲームセット。
12-1で圧勝しました。
ミスの多いヤンキース
ヤンキースはとにかく細かいミスが多く、さすがにこれではクロシェ登板日に対抗することはできませんでした。
ただ、これで締めてくるのがヤンキースですので、レッドソックスはシリーズ・ファイナルも隙なくやってもらいたいところです。Gm4はダスティン・メイとカルロス・ロドンのマッチアップです。
レッドソックスはこれでヤンキース戦は8勝1敗。Gm4の後は、9月12日から14日にかけてフェンウェイで3ゲームシリーズが行われますが、すでに対戦カードの勝ち越しは決めております。
レッドソックスからすると、最終的にヤンキースと勝ち星で並んだとしても直接対決で勝ち越しているので、タイブレーカーはものにしているということで精神的にはかなり優位です。
ブルージェイズがなかなか負けませんが、レッドソックスはALイーストの首位も狙える位置におります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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