6月7日にセレモニーを実施
現地2025年5月12日、オールスターに3度出場し、2008年のAL ROY(新人王)に輝いたエバン・ロンゴリア(Evan Longoria)が、引退を表明しました。
エバン・ロンゴリアは39歳。2008年から2023年までの計16シーズンをメジャーで過ごしました。
引退の報を受けた元の所属先であるタンパベイ・レイズは6月7日に予定されているマイアミとのホームゲーム前にロンゴリアと1日契約をし、ゲーム前にセレモニーを行うことが決まりました。その資金力からドライな印象のあるレイズですが、クラブ創設以来のスター選手に花道を設ける心遣いを見せることとなりました。
2023年がラスト・イヤー
エバン・ロンゴリアは2023年をアリゾナ・ダイヤモンドバックスで過ごした後、FAとなり2024年シーズンを迎えましたが、未契約のまま2024年が終了。同年夏には選手復帰は目指さないと語っていたものの、まだカムバックの可能性はわずかに残っていました。しかし、ここに来て引退を決断。
メジャー通算1986試合、8206打席に立ち、1930安打、342本塁打、1159打点を残して正式に現役生活にピリオドを打つことになりました。
エバン・ロンゴリアとは
エバン・ロンゴリアは2006年にロングビーチ州立大からタンパベイ・デビルレイズの1巡目(全体3位)で指名されてプロ入り。
クラブ名:レイズに変更した年にデビュー
タンパベイ・デビルレイズは2008年にタンパベイ・レイズにチーム名を変更。これまでの地元を意識したデビルレイ(ヒメイトマキエイ)から光(Rayの直訳は光線)へイメージ変換し、イメージアップにもつながり、現在の強いレイズに生まれ変わるきっかけになったと言っていいでしょう。
MLS操作
2008年、新生レイズのスプリングトレーニングに招待されたエバン・ロンゴリアは打撃と守備の両方でそのスキルを見せつけ、3Bのレギュラーの座を勝ち取ったかに見えました。しかし、クラブはスプリング・トレーニング最終週にウィリー・アイバー(Willy Aybar)が3Bだと宣言したため、ロンゴリアはトリプルAで開幕を迎えました。
当時、この降格はMLS操作だと思われていました。MLS操作とはメジャーデビューを数カ月遅らせることで調停(3.000)、FA(6.000)の資格到達をずらし、1シーズン余計に支配下に置く調整のこと。ロンゴリアはクリス・ブライアントの前にこのMLS操作で話題になった選手でもあります。
ただ、ロンゴリアのケースにはおまけがあり、降格後のロンゴリアはトリプルAダーラム・ブルズで打率.136と苦戦し、アイバーは打率.292と好調なスタートを切っていたのでした。
すぐにデビュー
マイナーで開幕を迎えたロンゴリアでしたが、すぐにメジャーに昇格。開幕11試合目の2008年4月12日のオリオールズ戦でメジャー・デビューを果たし、3打数1安打、BB 1、RBI 1をマーク。その後はすぐにNO.1ルーキーとしての地位を確立し、レイズを5月半ばにはALイーストの首位争いに参加させる活躍を見せることに。
同年のオールスターゲームにもALの 「ファイナル・マン 」として選出されました。
ルーキー・イヤーの成績は.272/.343/.531、OPS .874、二塁打 31、HR 27、RBI 85をマーク。シーズン終了後にはAL ROYを受賞しました。
岩村とともにWSへ
2008年、レイズはワールドシリーズまで進出。監督はジョー・マッドン。後にエンゼルスで大谷選手を二刀流として起用することになったあのマッドンです。
投手陣はジェームズ・シールズを中心に、野手陣は2Bには岩村選手、3Bにエバン・ロンゴリア、LFにカール・クロフォード、CFにはB.J.アップトンがいたというメンバーでした。
ロンゴリアはホワイトソックスとのALDSでハビエル・バスケスから2連続HRを放つなど活躍。さらにレッドソックスとのALCSでは4HRを放ちました。
フィリーズとのワールドシリーズではかなり警戒され、20打数1安打、9三振と完全に封じられました。
その後、ロンゴリアは2017年までレイズで計9シーズンを過ごしました。2017年の時点でロンゴリアは31歳。
ジャイアンツに移籍
レイズでのファイナル・イヤーとなった2017年のロンゴリアは.261/.313/.424、OPS .737、HR 20、RBI 86とかなりの好成績を収めましたが、OPS+は99に降下。これまでずっとOPS+は100以上をキープしていたのに100を切ったということで、レイズはまだロンゴリアに魅力があるうちにということでトレード市場に出し、ジャイアンツと1:4のトレードが成立。
この時点でレイズには6年/ $100M (2017-2022)のうちの5年/$81Mほどの残がありましたが、ジャイアンツに引き取ってもらいました。
ジャイアンツでは苦戦
ジャイアンツがロンゴリアを欲しがったのは2017年、3Bの成績がメジャーワーストだったため。レッドソックスからかつてのヒーローのパブロ・サンドバルを戻しましたが、機能しませんでした。
ジャイアンツでの3シーズンは期待外れと言わざるを得ない成績でしたが、チームが107勝を挙げ2021年にはOPS+は124をマーク。ただ、この年も81試合の出場にとどまりました。
2022年には4度のIL入りとなり、89試合でHR 14、RBI 42、打率.244。
同年オフにはFAとなり。2022年12月30日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスと1年契約でサインしました。
Dバックスでは守備で貢献
結果的に現役ラストイヤーとなった2023年はDバックスで74試合に出場し、.223/.295/.422をマーク。打撃ではもはやレイズ時代の輝きを放つことは出来ませんでした。
しかし、ゴールドグラブ賞3度受賞の守備力は健在で、非常に球際が強く、判断力も素晴らしかったです。
ロンゴリアは実は守備が本当に素晴らしい選手でもありました。
実績
最後にエバン・ロンゴリアの実績に触れておきたいと思います。
- 2008 AL ROYを受賞
- オールスター出場:3度 (AL: 2008-2010)
- ゴールドグラブ賞受賞:3度 (AL: 2009, 2010 & 2017)
- シルバースラッガー賞受賞:1度 (2009)
- 20 HR以上のシーズン: 10度 (2008-2011, 2013-2017 & 2019)
- 30 HR以上のシーズン: 4度 (2009, 2011, 2013 & 2016)
- 100 RBI 以上のシーズン: 2度 (2009 & 2010)
- 100 Runs Scored以上のシーズン: 1度 (2009)
お疲れ様でした。エバン・ロンゴリアはその実績、知名度の他に苦戦した期間もあったということでこれから指導者としていろんなオファーが来るのではないか?と思われます。
お読みいただき、ありがとうございます。
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