カブスの好調維持の影の立役者
シカゴ・カブスは現地2025年4月25日のフィリーズとのGm1を終えた時点でチーム打撃指標のスラッシュラインがすべてMLB 1位。スラッシュラインとは打率/OBP/SLGのことですが、カブスは打率.267、OBP .347、SLG .461を記録し、さらにOPSも.808でこちらもMLB NO.1(あくまで現地2025年4月25日時点です)。
前年に貧打で泣いた状況を見事にリカバーしています。
ジャスティン・スティールの離脱
今年こそプレーオフへ!というカブスに緊急事態が発生。それが今永投手と並んでカブスの投手陣をリードするジャスティン・スティールの離脱。
スプリング・トレーニングから調子の上がらなかったジャスティン・スティール(Justin Steele)は東京開幕シリーズでもやはり結果が出ずに、4イニングで失点5、被本塁打2で負け投手に。
しかし、アメリカ本土開幕以降は好調で、3月27日のDバックス戦で5回を失点3に押さえてゲームメイクし、シーズン初勝利を記録。すると4月1日のアスレチックス戦でも6.2イニングで失点4で勝利投手に。この頃にはもう打線も活発化しておりました。さらに、4月7日のレンジャーズ戦では7.0イニングを被安打3のスコアレスに抑える好投を見せ、3連勝を記録し、ようやく本来の投球に戻ったのでした。
ところがそのジャスティン・スティールは4月10日に左前腕部のハリを訴えて15Days IL入り。この時にはもう左肘の手術もやむなしという状況でしたが、ドクターのセカンド・オピニオンを聞いてから実行することに。そしてそのセカンド・オピニオンでも手術を勧められたことで4月18日に再建型のトミー・ジョン手術を実行。シーズン・エンディングとなったのでした。
復帰は早ければ2026年秋か?
トミー・ジョン手術は復帰まで通常であれば18ヶ月かかります。ジャスティン・スティールの場合は傷めた時期が悪かったため、まる1年経過で2025年4月18日。そこから半年となると2026シーズンも終わってしまい、無理のないスケジュールだと2027年の開幕から復帰ということに。
ただ、経過が良好であれば、ひょっとしたら1年5ヶ月経過の2026年9月半ばには復帰できるかもしれません。
果たしてその時期にカブスがどういう状況にあるか?によって2027年の開幕まで待つか?2026年のポストシーズンを見込んで即座に復帰するのか?が決まると思われます。
コリン・レイが穴を埋める!
ローテーションの大きな柱であるジャスティン・スティールを失ったカブス。せっかく打線が生まれ変わったのに投手力にほころびが生まれるか?という状況になったのですが、ここで救世主が現れました。
それが現地2025年4月25日のフィリーズ戦にも登板し、5回をスコアレスに抑えたコリン・レイ(Colin Rea)。
コリン・レイとは
コリン・レイは1990年7月1日生まれの34歳(現地2025年4月25日時点)。ベテラン右腕です。
ドラフトは2011年のパドレスの12巡目指名。メジャーデビューはドラフトから4年後の2015年で、この年は6試合に登板し、オール先発で31.1 IPでERA 4.26。
翌2016年も先発を任され、7月末までに18試合に先発し、5勝5敗、ERA 4.98を記録。同年のトレード・デッドラインでパドレスがカーター・キャップスらを獲得したトレードで、アンドリュー・キャッシュナーらとともにマイアミへ移籍。
このトレードにはマイアミからパドレスに現マリナーズのルイス・カスティーヨ、現Dバックスのジョシュ・ネイラーらが含まれておりました。
トレードが一部キャンセル
ところが、2016年7月30日、コリン・レイは移籍後初登板で負傷。これが新たな怪我なのか、既往症の悪化なのか不明であったため、マイアミとパドレスは先の契約を一部やり直すことに。結果、8月1日にコリン・レイはパドレスに戻され、当時プロスペクトとして一人としてパドレスに移籍していたルイス・カスティーヨがマイアミに戻ることになりました。非常に珍しいケースです。
パドレスに戻った後、コリン・レイは右肘を傷めてIL入りしてそのままシーズン・エンドに。
さらに2018年は右肩も傷めて全休。2018年秋にはDFAとなり、2019年1月にカブスとマイナー契約でサイン。2019年はトリプルAのアイオワ・カブスで26試合に登板して14勝4敗を挙げて復活のシーズンに。ただメジャーには上がることはありませんでした。
コロナ・パンデミックで特殊なシーズンとなった2020年にメジャーに復帰。9試合で先発とリリーフの両方をこなし、ERAは5.79。
元ホークス
2021年、コリン・レイは福岡ソフトバンクホークスとサイン。NPBで開幕を迎えました。ホークスでは6試合に登板して3勝1敗、ERA 2.03と健闘。同年、日本では1年遅れで開催となった東京五輪でNPBもシーズンを一時中断。このタイミングで奥さんの出産も重なり一時帰国。ただ、その後は家族の影響で日本に戻ることが難しくなり、それをホークスも了承。8月8日付けで退団ということに。この頃はまだコロナ・パンデミックの影響も懸念される時期でもありました。
アメリカに戻ったコリン・レイは2021年8月13日にブルワーズとマイナー契約。トリプルAナッシュビル・サウンズで7試合に登板し、4勝2敗、ERA 2.27の成績を残し、10月2日のブルワーズ最終戦で、コービン・バーンズのリリーフとしてメジャーに復帰。3回から8回までの6イニングを投げ、ドジャースに5失点を喫するメジャー復帰でした。
その後、2021年10月にブルワーズをリリースされたコリン・レイは2022年にホークスに復帰。1軍で23試合に登板して5勝6敗、ERA 3.96をマーク。
2023年1月に再びブルワーズとマイナー契約を結んだレイは、シーズンの大半をメジャーで過ごし、26試合中、22試合に先発し、キャリアハイの124.2 イニングを投げ、6勝6敗、ERA 4.69を記録。
2024年はブルワーズのNO.4ローテーションとして32試合の登板中27試合に先発し、167.2イニングを投げキャリアハイを更新。12勝6敗、ERA 4.29で33歳にしてメジャー最高のシーズンを送りました。奪三振135もキャリアハイ。
2025年のレイ
2025年1月にFAとしてカブスと1年/$5M (2025) + 2026 $6Mクラブオプション($0.75Mバイアウト)でサイン。ブルワーズ時代によく知っているクレイグ・カウンセル監督の下で投げることに。
今季はリリーフでシーズン・デビュー。最初の3度の登板はいずれもリリーフで、ERAは0.00。す個レス投球を継続していました。
しかし、上述のようにジャスティン・スティールがトミー・ジョン手術となり、ローテーションの穴が空いたことから、先発経験が豊富なコリン・レイに白羽の矢が立ち、先発でも好投を継続しています。
先発3試合でERA 1.35
そのコリン・レイの先発3試合の成績はこちら。
Date | vs | IP | H | R | ER | BB | SO |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4/13 | @LAD | 3.2 | 4 | 1 | 1 | 1 | 5 |
4/18 | ARI | 4.2 | 5 | 1 | 1 | 0 | 5 |
4/25 | PHI | 5.0 | 3 | 0 | 0 | 2 | 7 |
3試合ともに見事にゲームメイク。先発でのERAは1.35。現地2025年4月25日時点のシーズンのERAは0.96となっており、ジャスティン・スティールのいない穴を十分に埋めています。
特に25日のフィリーズとのGm1ではレイン・ディレーが2時間10分も入り、非常にやりにくい状況だったにも関わらず、結果を出したタフさは素晴らしいの一言です。
現地2025年4月25日のフィリーズ戦では打線も11安打を放ち、鈴木選手も2安打。PCAはスクイズを決めていい勝ち方をしたカブス。
今後の戦いも注目ですね。
現地2025年4月25日時点で17勝10敗でナ・リーグ中地区首位です。
お読みいただき、ありがとうございました。
レアはリグレー・フィールドで5イニングを投げ、カブスをフィリーズ戦の4-0の勝利に導き、この最初の1ヶ月間、ノースサイダーズにとってより重要なストーリーのひとつを静かに続けてきた。物腰の柔らかいこのベテラン投手はシカゴのローテーションに入り、今日まで必要なスタッフを支えてきた。
カブスは今月初め、ジャスティン・スティールが左肘の故障でシーズンを早々に終えるという厳しい知らせを受けた。金曜日の試合前、クレイグ・カウンセル監督は、右腕ハビエル・アサドが春に負傷者リスト入りした左腹斜筋を再負傷したことを明らかにした。
カブスのローテーションが挫折を味わう中、レアは安定した投球を披露している。
「カブスのトミー・ホトビー投手コーチは最近、「それがコリン・レイのような男と契約した理由だ。「彼はベテランの男で、競争する方法を知っているし、いろいろな役割で投げることができる。
カブスはオフシーズン、34歳のレアと1年500万ドルの契約を結び、マルチイニングリリーバーとしても先発としても使える投手を加えた。彼は一昨年ブリュワーズで167回2/3を投げ、クウンセルはミルウォーキーでも2011年から22年まで彼をマネージメントした。
クーネルは、レアがこの重要なシーズンを通してどんな役割でも受け入れるタイプの投手であることを理解していた。ナショナル・リーグ・セントラルの栄冠を狙うカブスのチームにとって、どんな仕事にも積極的に取り組む姿勢は、ロースターの縁の下の力持ちとして重要な特徴である。
「シーズンを乗り切るためには、全員が必要なんだ。「チームが勝つために必要なことは何でもする。[このクラブハウスには無欲な選手がたくさんいて、どんなことでも喜んでやってくれる」。
金曜日の勝利は、そのような最新の例となった。
ベテランのジョン・ベルティ(トップ・プロスペクトのマット・ショーがトリプルAアイオワで足場を固める間、三塁手として起用されるローテーションの一人)は、2安打の活躍でRBI二塁打に貢献した。左腕のドリュー・ポメランツ(カブスのブルペンを助けるためにマリナーズから獲得したばかり)は、2021年8月10日以来のMLB登板で8回に登板した。9回は強打の右腕ダニエル・パレンシアが登板し、勝利に貢献。
「集団だ。「通常、本当に良いチームは、全員が自分の役割を理解していて、自分の役割をうまくこなしている。それをひとつにまとめることで、多くの試合に勝つことができるんだ」。
今のレアの役割は、ローテーションを安定させることだ。
「もちろん、ジャスティン(スティール)のような選手の代わりにはなれない。「でも、コリンはいい仕事をしているし、見ていて楽しい。彼のピッチングはいつも気に入っている。
雨で試合開始が2時間10分遅れた後、フィリーズは初回にレアを28球投げた。この右腕は、2つの四球を与えながらも崩れることなく、無難にピンチを切り抜けた。彼は5人の走者を背負い、92球で7つの三振を奪った。
レアはまた、Statcastによれば、7つのフォーシーム速球を含む9つのウィフを記録した。この球種は必ずしも威力があるわけではないが(平均93.8マイル)、この右腕はこの球種を49回(53%)投げ、他の6球種のセットアップに役立てた。
「彼は球威がある。「打者はいつも、少しずるい球だと言っている。そして、彼は複数のスピードと複数の球種を守らせるレパートリーを持っている」
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