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【MLB2024】アストロズの新監督はベンチコーチのジョー・エスパーダに決定! 順当な人事に

勇退したダスティー・ベイカーの後任

 現地2023年11月12日にヒューストン・アストロズはミニッツメイド・パークで記者会見を開き、新監督はベンチコーチのジョー・エスパダ(Joe Espada )に決まったと発表しましたが、翌現地13日、早速、就任記者会見を行いました。

 ジョー・エスパーダはアストロズがALCSでレンジャーズに敗れた後に引退したダスティ・ベイカー監督の後任です。

まさに勇退となったダスティー・ベイカー

 ダスティー・ベイカー元監督は74才で、監督として1993年のジャイアンツでの就任から2023年のアストロズまで計5つのクラブで26シーズンも監督を勤め上げました。レッズ時代の2012年にはシーズン終盤の9月半ばに不整脈で緊急入院したこともあり、健康問題は懸念されていましたが、アストロズでは業務を全う。

 2019年オフにサイン・スティーリング問題が明るみになり、現場での勝負を印象づける意味でもオールドスクールを据えることが肝要と考えたアストロズはその重鎮とも言えるダスティー・ベイカーを三顧の礼で監督に迎えました。当初は2020年の1年契約で2021年はクラブオプションでしたが、アストロズはそのオプション行使。さらに、2022年、2023年と2度も延長契約。健康問題さえ無ければまだ継続したいというのがアストロズの考えでしたが、ダスティー・ベイカーはここで引退を決意。

 アストロズでは2021年にWSチャンプ。これは長い監督生活を務めたダスティー・ベイカー自身も初のことでした。アストロズでの4シーズンの勝率はなんと.586。監督通算で2183勝1862敗、勝率.540でした。

HOUのベンチコーチ

 ジョー・エスパーダは現役引退後、2006年から13年までマーリンズのファームでコーチを務め、2010年に3BコーチとしてMLB入り。その後、ヤンキースでスカウト兼3Bコーチとして4シーズン(2014-2017)を過ごした後、アストロズが2017年のワールドシリーズを制した数日後にベンチコーチに就任。これはアストロズのベンチコーチを務めていたアレックス・コーラがレッドソックスの監督に就任したためです。

継承

 ジョー・エスパーダは、アストロズでワールドシリーズ・タイトルを獲得した2人の監督–A.J.ヒンチとベイカー–の下で働いてきて、7年連続のALCS進出、6年連続のディビジョンタイトル獲得に大きく貢献(2023年はレンジャーズと同勝率ではありましたが)。

2023 ALCS Gm5

 ジョー・エスパーダの手腕として有名になったのが2023年のレンジャーズとのALCS Gm5。このゲームはブライアン・アブレイユのアドリス・ガルシアへの故意四球でダスティー・ベイカー監督が8回に退場。その後はジョー・エスパーダが指揮を執りました。

 エスパーダは9回にジェレミー・ペーニャのところで代打にヤイナー・ディアスを起用。さらにマルドナードに代わって、ジョン・シングルトンを代打に送り、この作戦が見事に的中。ディアスはシングルヒットで出塁し、シングルトンは打ちたいのを我慢して四球で出塁してチェンすメイク。これがホセ・アルトゥーベの決勝3ランHRを呼び込みました。

選手時代

 プエルトリコ出身のジョー・エスパーダ1975年8月30日生まれ。1996年のMドラフトでモービル大からアスレチックスに2巡目指名されてプロ入り。マイナーリーグと独立リーグで10シーズン(1996~2005年)プレー。選手時代はオークランド、フロリダ、コロラド、カンザスシティ、セントルイス、テキサス、タンパベイの各団体に在籍し、トリプルAまで到達しましたが、メジャーでの経験はありませんでした。

引く手数多

 アストロズが監督候補して外部から誰かと面談したのかと言えば、おそらくしたとは思いますが、もうベンチコーチのジョー・エスパーダの就任は堅いところでした。

 彼はスタッフや選手からの人気が高く、コミュニケーション能力が高く、クラブハウスでも人気があると言われています。

 アストロズとしては心配はこの人材が他に執られはしないか?という点でしたが、なんとかキープ出来ましたね。

 ジョー・エスパーダはわかっているだけで、2020年のパイレーツの監督候補、2022年のメッツの監督候補、2023年のアスレチックスの監督候補に上がるなど引く手数多という状態でした。

実は義兄は?BALのハイド監督

 実はジョー・エスパーダの義理の兄はオリオールズのブランドン・ハイド監督というおもしろい関係も。ハイドは2006年に結婚。ジョー・エスパーダは2009年にハイドの奥さんの妹と結婚していたのでした。なお、エスパーダとブランドン・ハイドはマーリンズ時代に交友があり、2006年にジョー・エスパーダが内野のコーディネーターを務めていた時、ブランドン・ハイドはクラスAのグリーンズボロで監督をしていました。この時からの縁です。エスパーダはよくフロリダのハイドの家に泊まりに行き、この時に奥さんの妹との出会いがあったようですね。

オフシーズンは捕手の補強

 アストロズはマーティン・マルドナードとの契約が切れ、マルドナードはFAに。おそらく再契約はなく、ヤイナー・ディアスを正捕手にするつもりです。よって、オフにはそのバックアップ捕手を探すことと、ブルペン陣の強化というところになると思われます。アストロズは戦力的に2024年もあまり落ちません。監督もなかなかの人物ですから、また強そうですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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