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【MLBルール】ピッチタイマーなど2023年のフィールド・ルール、5つの変更点について

2023シーズンに向けた公式のアナウンスが発表される

 MLBでは現地2023年2月13日から今季導入となるフィールド・ルールが改めて発表されています。

 その概要をかいつまんでまとめておきます。大きなフィールド上のルールの変更点はすでに2022年9月9日に発表されています。

 ここ数日の間に出されたアナウンスにはその時には出されていなかった延長戦のオートマティック・ランナーの継続、ポジション・プレーヤーの投球などもありますので、ここでまとめておきます。なお、ボークも厳しくなるのですが、それはまた別記事にて記載したいと思います。

【YOUTUBE】MLB Rule Changes for the 2023 Season

【1】延長戦のオートマティック・ランナーは恒久化

 2023年も延長戦はオートマティック・ランナーが2塁についてスタートすることになりました。これは2020シーズンから導入され、当時はパンデミックによって選手の準備期間が短くなったため、怪我を防止する観点での採用でしたが、現コミッショナーは時短が命題の方ですから、その思惑も入っていたでしょう。

 また、オートマティック・ランナーは2021シーズン、2022シーズンも継続。2022年の場合は暫定的に継続という形を取り、それ以降はやらないこということになっていました。

 ところが、2023シーズンを前に継続が決定。継続というようより、”Permanet”とありますから、恒久化したということで、これがデフォルトの設定になりました。

 なお、2022年はレギュラー・シーズン全2,430試合中、223試合が延長戦に突入。このうち、13イニングを超えたのは7試合のみでした。

 これまでこのルールでの最長は、2021年8月25日のドジャース@パドレス戦の延長16回。

Los Angeles Dodgers vs San Diego Padres Box Score: August 25, 2021 | Baseball-Reference.com
Los Angeles Dodgers beat San Diego Padres (5-3). Aug 25, 2021, Attenda...

オートマチック・ランナーの扱い

 オートマティック・ランナーが生還した場合、投手のER(自責点)はつきません。また2塁ランナーについた選手のOBP(出塁率)ももちろん上がりません。

 打者がこの走者を還した時のみRBIがつきます。

【2】ポジション・プレーヤーの登板のルール

 大量点差で白けたゲームになっても最後まで残って観戦しているお客さんを喜ばせているのが、ポジション・プレーヤーの登板ですが、2023年は下記のルールが出来ました。

  • 延長イニングであれば、特に制限はなし
  • リードしているクラブ:9回で10点差以上をつけている場合は、登板させることが可能
  • 負けているクラブ:8点差以上開いているなら9回に登板させることは可能

【3】ピッチタイマー

 これは2022年9月に出た情報とほぼ変わりません。

 一連の流れにすると、、、

  • 打者から打者への交代の時間:30秒
  • 【投手】投手は投球タイマーが切れる前に投球の動作を開始しなければならない。
    • 走者なし:15秒 (マイナーでのテストでは平均14秒)
    • 走者あり:20秒 (マイナーでのテストではトリプルAでは19秒)
    • 違反した場合、自動ボールとなる。
  • 【打者】
    • 投球間の準備:8秒までに投球に対峙する準備を終える必要がある。
    • タイマーに違反した打者には、自動ストライクが科される。

 タイマースタートは、フィールド上のアンパイアとタイマーオペレーターが、いつ投球が始まったかを明確に示す必要があります。

ピックオフの制限

  • ランナーがいる場合、ピッチャーがピックオフ(牽制)を試みるか、ラバー(ピッチャー・プレート)を踏み外すとタイマーはリセットされる。
  • 投手は対戦する打者一人つき、2回の離脱が許される。離脱とは、牽制、あるいは牽制の偽投(MLBでは2塁への牽制でよくやります)、あるいはプレート外しのこと。言ってみれば、牽制は2回まで。
    • 走者が進塁した場合、この回数はリセットされる。(仮にバント失敗で走者が同じ塁に残った場合は、打者が変わるのでリセットされる認識です)
  • 3回目のピックオフの試みが成功しなかった場合、ボークとして、走者は自動的に1つ進塁する。

ボークが厳しくなる(簡易版)

 ボークに関してはワインドアップだけ書いておきます。

 ワインドアップでは、投手は送球開始時に1歩下がることが許されており、それ以上はできません。投手が後方や横方向にステップした時点で時計は止まります。MLBの投手はワインドアップでもほぼセット・ポジションのような足の置き方をしますが、横方向へのステップがそれに当たります。

 プレート上で揺りかごを揺らすような動作をするアストロズのルイス・ガルシアは下がる前に一歩前に出るので、これはボーク判定になる可能性があります。MLBはそのようなワインドアップをする投手に事前に連絡を取っているとのこと。彼のデリバリーの動作がどう変わるのかが注目です。

 セット・ポジションの場合、完全に停止する必要があります。投手がセットポジションを取り、フリーレッグ(右投手なら左足)を上げた時点で時計のカウントは止まります。

【4】シフト・リストリクション

 もうこれは有名になりましたが、2023年からは大胆なシフトは敷けません。

  投球時に内外野の境界内(天然芝の球場ならダートと芝の境目)に4人がいること。しかも、二塁ベースを境に左右に最低2人の内野手が完全にいる必要が出てきました。ペナルティーはオートマティック・ボールです。

 このルールの目的は、内野手の運動能力をアピールし、より伝統的なヒットゾーンを回復させることにあります。

 このルールを現場で説明したところ、選手やコーチから回避方法が浮上したと言います。

 1つ目は、投球のリリースと同時に、野手が特定の場所へ即座に移動すること。これはイリーガル(ルール違反)であり、アンパイアのコールが入ります

 2つ目は、左右に2人というルールを逆手に取り、野手がスワップすることです。つまり、3Bと2Bの選手が入れ替わったりすることです。これは交代がない限り、イニング中でのポジションの入れ替えは違反となります。

 また、左右の境界線の定義ですが、これはもう2塁ベースを半分にしてという認識で良いようです。フィールド線を引けば明確ですが、さすがにそれはせずに、線があると仮定して2Bベースの左半分、右半分という分け方です。

 内外野の境界線ですが、MLBはこれまでにはない方法でその境に注意を払うとのこと。

 一応、ルールブックにはピッチャー・ラバーの中心から半径95フィートと定義されており、各内野手はその境界の中に完全に足を入れなければなりません。

 なお、いくつかの球場で、オフシーズンに内野の土の面積を調整しているそうです。

 仮にシフトルール違反が審判からコールされたにもかかわらず、投球とプレーが成立してしまった場合、攻撃側が主審にペナルティを辞退してプレーの結果を受け入れるよう進言することができます。

 つまり、シフト違反コールがあった投球でホームランが生まれた場合、シフト違反はそのままスルーされます。

外野手は特別

 ここまでは内野手のお話でしたが、ディフェンスの作戦で、外野手を5番目の内野手として配置することは可能となっております。理由は内野手ではないからということでしょう。

 また、外野手はLFとRFが入れ替わることは可能。実際は監督がスワップをコールすると思います。

【5】ビガー・ベース

最後はビガー・ベースです。これまでは15インチの大きさだったベースが18インチに変わります。15インチは、38.1cm。18インチは45.72cmです。7.62cmの差。

 フィールドを作るルールとして、内野は一辺の長さが90フィート(27.432m)の正方形と定められています。今回のビガーベース採用により、1-2塁間と2-3塁間は4.5インチ(11.43cm) 短くなり、ホームから1塁、三塁からホームへは、3インチ(7.62cm)短くなりました。

 これはVTR判定が増えそうです。

ご存じでした?2塁ベースの位置

 案外、忘れがちなことを記載しておきます。

 2塁ベースの位置ですが、実は90フィートの正方形からはみ出しています。下の埋め込みの右のBIGGER BASESの図はとても正しいのです。

 1塁と三塁のべースの角は90フィートの正方形の内側にフィットしなければなりません。しかし、2塁ベースは、ベースの真ん中に正方形の頂点があたっているというのが正式なルール。よく、2塁ベースも正方形の直角の内側であると思われがちですが、実はそうではないというのを記しておきたいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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