2023年のTEXのWSチャンプに貢献した1B
現地2025年8月14日、ワシントン・ナショナルズは1Bのナサニエル・ロウ(Nathaniel Lowe)をDFAにしたと発表しました。これにより、ナショナルズは空いたアクティブ・ロスターの枠を左斜角筋を傷めて2025年5月に60 Days ILに入れていた23歳のRF ディン・クルーズの復帰に使うことになります。
ナサニエル・ロウはレンジャーズ時代によく打っていた選手でしたが、移籍後は成績が上がらず、まさかのDFAということに。
精彩を欠いた2025年
ナサニエル・ロウは2024年12月22日に28歳の左腕のロバート・ガルシアとのトレードでレンジャーズからナショナルズに移籍。
しかし、2025シーズンは119試合に出場し、HR 16、RBI 68をマーク。 2024年がHR 16、RBI 69でしたのでHRとRBIの数字は前年と変わらずどころか、シーズンを1ヶ月半残してほぼ同じ数字ですから、そこはむしろ上回っておりました。
ところがスラッシュラインが壊滅的でした。2024年は.265 /.361/.401、OPS .762 とまずまずの数字でしたが、2025年は.216/.292/.373、OPS .665。この打率ではちょっと厳しいです。
もともと三振の多い選手で、2023年には165を記録していたのですが、今季はすでに130。毎日フルで試合に出ていれば+30個の上積みは割と簡単にクリアーする勢いでした。この不確実性と長打を天秤にかけた時、ナショナルズのこの決断も理解できるような数字となっていました。
ナッツ、残りサラリーを負担
ナサニエル・ロウのMLSはシーズン開始時点で4.145。2025年のサラリーは1年/$10.3M (2025)でした。調停資格の選手としてはかなり高め。
上述の通り、2024年12月に移籍が決まり、調停期限は1月半ばでしたから、サラリー交渉はナショナルズと行いました。$11.1Mの要望に対して、ナショナルズが$10.3Mで$0.8Mほどの開きがありました。ナサニエル・ロウは調停に持ち込んだのですが、結果的にやぶれて $10.3M に落ち着いていたのです。
ナショナルズは現地2025年8月14日時点で121試合を消化しているので、残りサラリーはざっと$2.2Mほどになるかと思います。
今後、ロウは最大5日の間にトレードによる獲得の挙手を募ることになりますが、おそらく手が挙がることはありません。なぜなら残りサラリーを引き継いだ上に選手も出さないといけないからです。
そうなると、次はウェーバー公示となり、おそらくこれもクリアー(獲得の手が挙がらない)となるでしょう。その後、リリースとなり、FAに。ここで新たに獲得したクラブがメジャー契約でサインするなら、メジャー最低年俸の日割りで良いことになります。それもこの時期でどうなるかわかりません。
いずれにせよ、昨季と同じくらいの成績ならロウはオフにノンテンダーになっていたと思われます。
なお、弟はレイズのジョシュ・ロウです。
2022-2023年に活躍したロウ
現時点で30歳となっているナサニエル・ロウは、2021年から2024年までレンジャーズで安定した活躍を見せてきました。
とりわけ、2022年は157試合で179安打を放ち、.302/.358/.492、OPS .851、HR 27、RBI 76を記録。オフにはシルバースラッガー賞を受賞。
さらに2023年は163安打を放って、.262/.360/.414、OPS .775、HR 17、RBI 82をマーク。レンジャースのワールドシリーズ制覇に貢献し、守備でもゴールドグラブ賞をマークしました。
この活躍もあり、ナショナルズは獲得に至ったのですが、期待を下回る成績となったのでした。
ナサニエル・ロウをメジャー・ロスターから外したことで、ナショナルズはジョシュ・ベルを1Bで定期的に起用でき、空いたDHの枠を若手のお試しに使うことができます。
ナショナルズは早めに9月のプロスペクト達のコールアップを見据えているようです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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