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【MLB2022FA】マーク・マランソンがパドレスを蹴ってDバックスとサインしたディールについて

ベテラン・クローザーがまたしても新天地へ

 本日もロックアウト前に駆け込みで決まったディールを追いかけたいと思います。

 実は筆者も慌てていて勘違いしていたのが、ベテラン・リリーバーのマーク・マランソン(Mark Melancon)についてです。マランソンは、パドレスとのミューチュアル・オプションを双方合意で行使したと誤って認識していました。下記リンク記事も訂正しております。大変、失礼いたしました。

 しかし、実際はFAとなり、Dバックスとサインです。

パドレスとのミューチュアルOptを拒否

 まず、マーク・マランソンが2021シーズンが始まる前にパドレスとサインしていたディールの内容はこちら。

  • 1年/$3M (2021) + 2022 $5MミューチュアルOpt($1Mバイアウト)
    • その他、パフォーマンス・ボーナス
      • $0.25M/20、25、30、35ゲームフィニッシュ
      • $0.5M/40、25、45ゲームフィニッシュ

 2020シーズン、ブレーブスで60試合中19試合をゲームフィニッシュさせ、11セーブを上げたマーク・マランソンの2022年のミューチュアル・オプションではたった$5Mのサラリーだったのです。

2021年はセーブタイトル

 そしてマーク・マランソンはパドレスのクローザーとして2021年は絶大な安定感を誇りました。

 64試合に登板し、53試合のゲームを締め、39セーブでナ・リーグのセーブ・タイトルを獲得。パドレスのゲームプランに欠かせない投球を見せました。

 そんなマーク・マランソンですから、2020シーズンが$5Mの格安サラリーならパドレスは喜んでサインしたいところ。ところが、ミューチュアル・オプションゆえ双方の合意が必要。合意に関して具体的な数値も設定されていなかったことから、本人の決断に依るところとなり、マーク・マランソンはパドレスとのオプションを拒否しました。それはそうですよね。$5Mのサラリーですから。よって、マーク・マランソンは2021年11月6日にFAとなっていました。

Dバックスとのサイン内容

 そしてサインした先はアリゾナ・ダイヤモンドバックス。そのサイン内容はこちらです。

  • 2年/$14M (2022-23) + 2024 ミューチュアル・オプション
    • サラリー:$6M/年(2022-23)、$5M(2024) ミューチュアルOpt($2Mバイアウト)
    • その他、パフォーマンス・ボーナス
      • $0.1M/ 30、35、40、45、50試合登板達成ごと
      • $0.25M/55、60試合登板ごとに

 サラリーはパドレスのオプションとさほど変わりませんが、マルチイヤーディールであったことは本人にとっても大きかったと思います。

2022年開幕時に37才も衰えなし! 

 サラリーが単年で$10Mを超えない理由は、ひとえに年齢面の懸念があります。

 1985年3月28日生まれのマーク・マランソンは2022シーズン開幕直前に37才に。40才も見えてきて、前のシーズンにフル稼働してきたリリーバーにマルチイヤーというのは勇気がいるのでしょう。ただ、投球内容を見ると決してマルチイヤー・ディールでも問題ないようにも思います。

 なにより、衰える気配がありません。

直近のERA4点台は2017年まで遡る

 マーク・マランソンのERAが悪化したのは2017年までさかのぼります。この年はジャイアンツに所属し、32試合の登板に終わり、18試合を締めるに留まり、セーブも11。ERAは4.50でした。

2016年のトリメンダスな活躍 

 悪化した理由の1つとして、2016年の疲れがあったと思います。

 2016年、マーク・マランソンは前半はパイレーツに所属し、トレードデッドラインでナショナルズに移籍しました。双方を併せた成績は、75試合、71.1イニングで67ゲームフィニッシュ、47セーブ。ERAはなんと1.64。

 さらに言うと、2013シーズンから2016シーズンまで4シーズン連続で70試合以上に登板していたのです。ちなみにパイレーツ時代の2015シーズンは51セーブでタイトルを獲得しています。

 胸板が異常に厚く、とてもタフに見えるマーク・マランソンですが、さすがに4連連続で70試合以上登板は肩肘に響いてきますね。

 そんなマーク・マランソンですが、2021年は上記のようにまたしても飛躍したのです。いつまでも進化し続けていますね。

SO%は高くないマランソン

 クローザー・ロールを務めるマーク・マランソンですが、他の剛球クローザーのように奪三振率は高くありません。たとえば、奪三振のイメージがあるクローザーと言えば、ブルワーズのジョシュ・ヘンダーですが、彼の2021シーズンのSO%は45.5%。それに対してマーク・マランソンは2021年は22.3%しかありません。

カットボールによる凡打の山 

 三振率も高くないマーク・マランソンが、この年令でもクローザーを務められるのはキレの良いカットボールがあるからです。球種はカットボールとカーブ、たまにスプリットという感じで4シームはめったに投げません。2021シーズンでも平均で92mphをマークしたカットボールが投球の65%ほどを占めます。

 よって、GB%(グランド・ボール率=ゴロ率)が非常に高く、2021年は56.5%。ちなみにジョシュ・ヘイダーのGB%は32.3%です。打者はカットボールとわかっていて打てないのです。

9クラブ目 

 そんなマーク・マランソンはいわゆるジャーニー・マンです。もともとは2006年にヤンキースから9巡目指名を受け、プロ入り。大学はアリゾナ大学です。

 2009年にヤンキースでメジャーデビュー。2010年のトレードデッドラインでアストロズへ移籍。2012年にレッドソックス。ちなみにキャリア・ワーストのERAはこのレッドソックス在籍時の6.20。

 その後はパイレーツに4シーズン(2013-16)、ナショナルズに半シーズン(2016)、ジャイアンツに3シーズン(2017-19)、ブレーブスに2シーズン(2017-2020)そしてパドレスからDバックスへ。

 今回は大学時代を過ごしたアリゾナでの投球です。

 パドレスとは同地区のライバルになりますね。

Dバックス、ブルペン整備

 2021シーズンは52勝110敗と大惨敗したDバックス。2022年も戦力的にはジャイアンツやドジャース、そしてパドレスと張り合えるレベルではありません。つまりコンテンダー(Contender)ではないのです。しかし、勝率の高いクローザーを獲得した理由は壊滅していたブルペンの整理です。

 安定しているクローザーがいれば、8イニングをどうにかこうにか凌げば、勝利が見えてきます。Dバックスは中盤にも大きな穴があるものの、やはり絶対的な守護神がいるのといないのとでは大きな違いがあります。

 そこで優勝争いにはまだ早いが、マーク・マランソンにブルペン整備のちからを借りることにした・・・そういう獲得のようです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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