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【MLB2022】A’s、S・ピスコッティー、J・ラウリーに続き、エルビス・アンドラスをリリース!(追記あり)

A’s、サラリーシェッド(削減)に拍車

 現地2022年8月17日、2022シーズンも残りあと1ヶ月半ほどになりました。ほとんどのクラブがこの日を終えてだいたい118試合前後を消化。10月5日のレギュラーシーズン最終日に向けて残り44試合前後となっています。

 そんな中、プレーオフ・スポットに命がけで食らいつくクラブもあれば、すでにオフシーズンの編成に備え、契約の中身をしっかりと吟味し動いている向きもあります。その最たるケースがアスレチックスとエルビス・アンドラスではないでしょうか?

A’s、エルビス・アンドラスをリリースへ

 現地2022年8月17日、オークランド・アスレチックスは、SSのエルビス・アンドラスをリリースしました。こちらはもうオフィシャルになっております。こちらはDFA→リリースというプロセスでもなく、いきなりのリリースです。

アンドラスの契約

 エルビス・アンドラスの現契約は、2013年にレンジャーズと延長契約でサインしたものです。

  • 8年/$120M (2015-2022) + 2023 べスティング・オプション
    • サイニング・ボーナス:$2M
    • $15/年(2015-2020)、 $14M/年 (2021-2022)
    • 2023年に$15Mのクラブ・オプション
      • ただし、以下の場合はクラブ・オプションからプレーヤー・オプションに転換できる
        • トレード もしくはウェーバーでクレームオフ(獲得される)
        • 2022年に550 PA(打席数)
        • 2021-2022年合算で1,100 PA(打席数)

 2023年は一定の基準値をクリアーすれば、プレーヤー・オプションに転換されるという興味深いもので、これは設定とすれば選手をやる気にもさせますし、サインした当時は本人も得心の行く内容だったと思います。客観的に見てもいい契約のように思います。

 繰り返しますが、上記の内容をレンジャーズ時代にサインしました。そしてかなり晴天の霹靂と思えるようなトレードが成立し、アンドラスは2021年2月にレンジャーズからアスレチックスへ移籍することに。

 この移籍でアンドラスのサラリーの支払いは、2021年の$14Mのうち、$6.25Mはレンジャーズが支払い、また2022年も$14Mのうち、$7.25Mをレンジャーズが支払うということになっていました。

 レンジャーズがジョン・ダニエルズを解雇したのはこのとりまとめも1つの要因かもしれませんね(これはあくまで筆者の推測です)。

 そして、先週末のことですが、アンドラスは怒っていました。

アンドラス「なぜ試合に出さない!」

 アスレチックスの8月のスケジュールは現地2022年8月16日時点で、14試合。そして、エルビス・アンドラスがこの間に出場したのは11試合。しかもこのうち3試合がゲーム後半からの出場です。そうなるとその日のPA(打席数)は1もしくは0打席。

 アンドラスは現地13日にこの穴を空けたような起用について非常にフラストレーションがたまっているとサンフランシスコ・クロニクル誌に漏らしていました。

Everybody knows I’m an everyday player. So doing this, it’s not fun for me, Of course I’m upset. I’m pissed about it. But like I said, the best I can do is stay positive and wait for my turn and be ready whatever happens.

the San Francisco Chronicle

 「僕がエブリーデー・プレーヤーであることは、誰もが知っている。だから、こんなことをされては、面白くない。もちろん動揺しているし、腹も立っている。でも、さっきも言ったように、僕にできることはポジティブでいること、自分の出番を待つこと、そして何が起こってもいいように準備することです。」

オプション阻止の操作にしか見えない

 はっきり言ってしまえば、アスレチックスはアンドラスが2023年のべスティング・オプションの基準値をクリアーしないように打席数を操作していたということです。

 アンドラスがアスレチックスの選手として最後に出場したのは現地2022年8月16日のレンジャーズ戦。

 この時点でシーズン通算の打席数は384。契約では550PAで2023年は$15Mのプレーヤー・オプションに変更できるので、本人も契約の面から言えば、やきもきしていたわけです。

 昨シーズンと今季の合算の到達(1,100PA)は難しいものの(2021年のPAは541)、今季の550PAは残り44試合があれば、達成可能な数字なのです。

  • 550-384=166 PA。
  • 1試合CG (コンプリート・ゲーム=フル出場)で4PA/Gameだとすると、41.5試合で達成

 サインした当初はいい契約に思えたものの、このような結末はちょっと悲しすぎますね。

 ちなみにアンドラスの今季の打撃成績は、106試合に出場して、354AB、84 Hits、打率.237、OBP .301、SLG .373、24ダブル、8HR、30RBI。守備の方はエラー9で、FLD%が.977。リーグ平均が.970ですから、これは上回っています。非常に難しい当たりの多いSSでこのFLD%は見事ですね。さすがにかつて、オジー・スミスから絶賛されただけのことはあります。

ピスコッティー、ラウリーもリリース

 アスレチックスのここ数日の動きは非常に激しいです。OFのスティーブン・ピスコッティーを現地2022年8月16日にリリース。今季は打率.190と苦戦していたことは確かです。

 さらに、 現地2022年8月10日にジェド・ラウリーをDFAに、11日にリリースしました。ラウリーも今季は.180と大苦戦というところではありました。

 ピスコッティーの今季のサラリーは$7.5M。契約は6年/$33.5M (2017-2022)で、2023年は$15Mのクラブオプションで$1Mのバイアウトでした。

 ラウリーの今季のサラリーは$0.85M。

 もう、サラリー・シェッド(削減)の大鉈が振るわれている最中です。

アンドラスは需要あり

 エルビス・アンドラスは8月26日の誕生日で34才になります。ベテランSSではありますが、その守備の確かさ、そして勝負強い打撃は今季においても需要がありそうです。

 噂ではティム・アンダーソンが離脱したホワイトソックスという声も。優勝争いをしているクラブでSSが欠けているのはホワイトソックスかと。レイズもワンダー・フランコが離脱していますが、ここはテイラー・ウォールズもいますし、動かないでしょう。ホワイトソックスがベスト・フィットのように思いますが、どうなるでしょうか!?

 なお、アスレチックスからすると、アンドラスもピスコッティーもラウリーももうちょっと打ってくださいなということかもしれませんね。

追記あり:アンドラス、CWSと合意へ

 現地2022年8月18日、エルビス・アンドラスはホワイトソックスと合意したとの報道がありました。

 やはりティム・アンダーソン離脱の穴を埋めるべく、声がかかりました。ホワイトソックスはアンドラスに対し、リーグ・ミニマムのプロレーティッド(リーグ最低年俸の日割り)での支払いで良いことになります。上述の契約の2022年分はアスレチックスが負担します。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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