NLセントラルの強烈なマッチアップ Round 1
大注目のマッチアップが早くも実現しました!
現地2025年6月25日、パイレーツ@ブルワーズ戦でポール・スキーンズ(Paul Skenes)とジェイコブ・ミズロウスキー(Jacob Misiorowski)が先発。ゲーム前から大注目となったNLセントラルの強烈なピッチング・プロスペクト同士の投げ合いはトリプル・ディジッツのファストボールとキレの良い変化球の応酬でした。
ただ、現時点ではチーム状態が反映された結果となりました。
スタジアムは大入り
予告先発で注目のマッチアップが実現したということでブルワーズのホーム、アメリカン・ファミリー・フィールドは平日午後にも関わらず、42,774名の大観衆が押し寄せました。甲子園の阪神戦のような入り具合です。
これからこの2人は名勝負を繰り広げて行くことになりそうです。
ミズロウスキーは初回だけで100mph超えを12球!
まずマウンドに上がったのは後攻のブルワーズのジェイコブ・ミズロウスキー。
試合まではネットを遮断www
デビュー以降、2度の先発で自身のピッチングを展開し、落ち着いているように見えたジェイコブ・ミズロウスキーですが、さすがにこの注目度合いにはいささか面食らったようです。
ネットを見ても「スワイプしたものすべてが、僕とスキーンズ、僕とスキーンズ、僕とスキーンズという感じだった」というくらいに2人のマッチアップの情報に溢れ、「できるだけ気持ちを落ち着けて、インターネットから離れたいと思うような出来事だった」と述べたほど。さすがに少しプレッシャーもあったようですが、いざマウンドに立つと過去2度と同じように落ち着いたマウンドさばきを見せました。
MAX 102.4mph
1回表、ミズロウスキーは先頭のアダム・フレイジャーにボール先行となり四球を出し、すぐさま虚を突かれたような形で2塁への盗塁を決められました。パイレーツとしては足で揺さぶりをかけたというところ。
ノーアウト2塁となったミズロウスキーは、2番のブライアン・レイノルズにもボール先行となったものの、スライダーを2球続けてCFフライに。3番のスペンサー・ホロヴィッツにはすべて100mph超えの4シームで空振り三振。4球目には102mphを計測しました。
そして4番のニック・ゴンザレスには100mphで押しつつも、89mphのカーブも交えて空振り三振。この時点でパイレーツ打線はかなり厄介だと悟ったようです。初回だけで100mph超えは12球!
2イニング目は先頭のオニール・クルーズをLFフライに打ち取り、今非常に当たっているトミー・ファムを迎えましたが、なんと3球三振に仕留めます。そしてジャレッド・トリオーロはCFフライに仕留めてこのイニングも無失点。
3回表も三者凡退に抑えたジェイコブ・ミズロウスキーは、4回表にヒットと四球でノーアウト1、2塁のピンチを迎えます。しかし、落ち着いていて、続くニック・ゴンザレスを6-4-3のダブルプレーに斬って取り、形成を逆転。最後はオニール・クルーズから三振を奪って無失点に。このオニール・クルーズの時にこの日最速の102.4mphの4シームを投じました。ギアを上げた時はエゲツないです。
5回表は先頭のトミー・ファムにシングルを許すも、後続を打ち取ってこのイニングも無失点。
ジェイコブ・ミズロウスキーの3度目の先発は5回で終了。5.0イニングで74球を投げ、そのうちストライクは50球。被安打2、スコアレス、BB 2、SO 8とパイレーツ打線に全く仕事をさせませんでした。
圧巻の投球が続きます。100mph超えは計19球を数えました。
ポール・スキーンズは2回に4失点
一方、パイレーツ先発のポール・スキーンズも1回裏の先頭打者のサム・フレリックにフルカウントから四球を出す立ち上がり。しかし、その後はジャクソン・チューリオ、クリスチャン・イェリッチ、そしてリース・ホスキンスからアウトを奪い、無失点。イェリッチ、ホスキンからは2者連続三振でした。
アンラッキーなヒットが続く
2回表、アイザック・コリンズにフルカウントから四球を出したポール・スキーンズ。つづくブライス・トゥランにはフルカウントからやや甘くなったところをCFへ弾き返されて、ノーアウトランナー1、2塁に。ちょうどコリンズがスティールをかけ、SSのカイナー=ファレファがもともと2Bベース寄りのシフトからさらにベースカバーに入って左側がさらに空いたところを逆を突かれる形でヒットに。場合によってはSSゴロでダブルプレーに仕留められたかもしれません。
つづくケイレブ・ダービンにはきれいCF前に弾き返されました。この当たりは素晴らしかったです。ノーアウト満塁となり、つづくジョーイ・オルティズはチェンジアップでうまく抜いて投手ゴロに仕留めますが、この間にコリンズが生還してまず1失点。
1アウト1、2塁でエリック・ハースに対して2ストライクと追い込んでいたのですが、決めに行ったスウィーパーをバットの先端に当てられ、CFのオニール・クルーズの前にポトリ。オニール・クルーズもなんとかアウトにしようと試みましたが、少し逸らしてしまう結果に。ハースは2塁に到達。これでスキーンズは2失点目。
1アウト2、3塁でサム・フレリックは全身守備を引いていた2Bにうまく打たせたものの、2Bのニック・ゴンザレスがホームへ悪送球。フィルダース・チョイスとなり、3失点目。
そしてジャクソン・チューリオをCFフライに打ち取って2アウトとするも、つづくクリスチャン・イェリッチにはLFへ運ばれ、エリック・ハースが生還して4失点目。
リース・ホスキンスは2Bライナーで3アウト。
このような形でスキーンズは守備の乱れも重なり、4失点を喫したのでした。このイニングだけで37球で20分以上を費やしました。
その後、ミズロウスキーがさらに楽に投球できたのは言わずもがなです。
スキーンズは3回、4回を三者凡退。この日はここでマウンドから降りました。
ポール・スキーンズは4イニングで球数は78球、うちストライクは50。被安打4、失点4、自責点4、BB 2、SO 4。100mph超えは初回の先頭のサム・フレリックに投げた6球目の100.2mph。ただ、この人の場合は常時97-99mphを計測。3回、4回はカーブを使い、緩急でうまく打ち取りました。
1イニング4失点は2度目
ポール・スキーンズはこれまでの39試合の先発で、2イニング目まですべて自責点2以下に抑えていきました。1イニングで4失点以上を喫したのはたった2度だけでした。さらに直近の5先発では計4失点(自責点は3のみ)しか喫していなかったので、今日はかなり珍しい投球内容となった次第です。
スキーンズ、勝ち星がつかない
ポール・スキーンズは上述のようにいい投球を続けているのですが、チーム状態が悪く、この試合の後の成績は4勝7敗です。ただ、ERA 2.12はMLBで5位、NLでトップ!
なんとかこの投球が報われればいいですね。なかにはスキーンズ好きの記者なのか、トレードチップに上げている人もいますね。もうパイレーツから出てしまえということでしょうか。パイレーツは手放す訳がありませんが。ぜひ、強化してもらいたいですね。
なお、試合はこのあと、ブルペンが良い働きをし、結果的に4-2でブルワーズが勝利しました。

両先発が100mph超えを計測したのは7試合
両先発投手が100mph超えを計測した超えた試合は、2008年以降、ポストシーズン含めて計7試合となりました。
– 2025/6/25 ミジオロウスキー(19)、スキーンズ(1)
– 2025/6/15 ディラン・シーズ(3)、大谷翔平(1)
– 2022/8/7 ジェイコブ・デグロム(7)、スペンサー・ストライダー(1)
– 2020 ALDS G5 タイラー・グラスノー(2)、ゲリット・コール(1)
– 2016/7/26 ノア・シンダーガード(10)、カルロス・マルティネス(4)
– 2015/8/30 ネイサン・エオバルディ(16)、フリオ・テヘラン(2)
– 2012/04/16 ジャスティン・バーランダー(5)、ダニー・ダフィー(1)
ミズロウスキーは伸び伸び
ブルワーズ関係者は、ミズロウスキーがスキーンズとの対戦で周囲から騒がれ、その取り巻く環境に頓挫するのではないか?という懸念を抱いていましたが、割とどこ吹く風という感じで伸び伸びと投球をしています。
ブルワーズのクローザー、トレバー・メギルは「プレッシャーを受けて、それを自分に課しているようには見えない。彼は楽しんでいるように見えるし、誰もが知っている子供のようだ」と語っている通り、普通に自分のしごとをこなしているところがまた頼もしいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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