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【MLBロックアウト】MLB側が調停仲裁庁に支援要請するも、組合側が即座に拒絶(追記あり)

オーナー側が、FMCSに支援を要請するも・・・

 ロックアウトに関する続報です。

 MLBのオーナーによるロックアウトは2ヶ月以上経過したものの、新しいCBA(労使協定)の合意に向けてほとんど進展がないままとなっています。選手会とオーナーはここ数週間、4回の会合を開いたものの、コア・エコノミクスのトピックで大きく隔ったまま。

 当初予定されていたピッチャー&キャッチャーのスプリング・トレーニングのワークアウトの開始日を約10日後に控え、現地2022年2月3日、MLBは、打開に向けて新しいアプローチを取ったと報じられれました。

 それがFMSC(The Federal Mediation and Conciliation Service)への支援要請でした。

FMSC=連邦調停局 or 連邦調停仲裁庁

 FMSCは上記のように”The Federal Mediation and Conciliation Service”の略です。

 ”Mediation(メディエーション)”の意味は「調停」、”Conciliation(コンシリエーション)”の和訳も「調停」です。他に、「懐柔」や「和解」の意味もありますが、とにかく仲裁して(中に入って)、取り持つという機関。

 和訳するには、「連邦調停和解サービス」というのが字面的には適当な気もしますが、これでは「連邦」の重みがあまりに軽すぎる感がありますので、ここは「連邦調停和解局」、「連邦調停仲裁庁」、あるいは「連邦調停局」というのが適当な感じがします。

ここでは単にFMCS、もしくはFMCS(連邦調停仲裁庁)という言い方をしておきます。

プロスポーツの仲裁に実績

 このFMSC(Federal Mediation and Conciliation Service: Home)ですが、過去にNFL、NBA、MLS(メジャーリーグサッカー)などで仲裁した実績があるようです。

 正直なところ、筆者も今回、このような機関があることを初めて知りました。

 ちなみに、サラリー・アービトレーション(年俸調停)が行われていたのは調停委員会です。

組合「支援要請にはこちらの同意も必要→よし、断る!」

 現地2022年2月4日、選手会側は仲裁を進めるにはFMCSに支援をお願いすることを双方ともに同意しなければならないことから、そのオプションを正式に拒絶しました。

 その声明です。

 「ロックアウトを実施してから2ヶ月、対案を出すとプレーヤー(選手会側)に約束してからわずか2日後、オーナー(=MLBです)は対案を出すことを拒否し、その代わりに調停を要求してきました。

 (MLBPAの)執行委員会と協議し、様々な要素を考慮した結果、我々はこの要求を拒否することにしました。

 2月2日の団体交渉の模様はこちらに。

MLB「断るなんて、理解できない!」

 これに対してMLBは、選手会の声明に対して以下のように返答しています。

「我々の目標は、スプリングトレーニングとオープニングデーに選手がフィールドに立ち、ファンが球場にいることです。キャンプ開始まで2週間を切った今、我々の意見の相違を解決し、行き詰まりを打破するために、連邦調停仲裁庁に即座に支援を受けるべき時であると思います。

 最も生産的な道は、公平な第三者が参加して溝を埋め、合意を促進することであることは明らかです。合意を望んでいる双方が、プロスポーツ界で多くの成功を収め、労使の紛争解決を特に任務とするFMCSの調停を拒否する理由は理解しがたい。

 MLBは、テーブルで解決策を提案し、双方にとって公正な合意に達することに引き続き尽力します。」

対案を出すのはMLB側

 MLBがFMCSに仲裁を依頼したことに対してはかなりの物議が醸されています。選手からも、「いやいや、選手会は出してるじゃないか!なんで独立機関に頼むの?」という論調のツイートも見かけました。

 どうやら選手会側の方に分があると見た方が良いと筆者は思います。

 シェリル・リングさんは「一方が提案すらしないのであれば、調停も何もあったものではない。」と指摘。「この種の調停は一般的に双方が紛争解決のための誠意ある提案を提出した上でのこと。それをもとに第三者が解決に向けた進展を促すために行われる措置である。」と。

 まずはMLBは対案を出すべきという論調です。

テーブルについて話し合うことが求められる

 情報では次は2月7日(月)から始まる週に次の話し合いがあるのではないか?とのことですが、会談の予定は未定。

 ボブ・ナイチンゲール記者によると、四半期ごとに行われるオーナー会議が8日から10日までフロリダのオーランドで行われることが予定されており、このタイミングで選手会も参加して両者がテーブルにつくかもしれないとのことです。
 また、ナイチンゲールさんの情報では、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは10日に記者会見を開くことが予定されているとのこと。どうやらその時点でスプリングトレーニングの開始時期を遅らせることを正式に発表するのではないか?と見られています。 

 対案を出さずに仲裁を依頼というオーナー側の姿勢はかなりの批判を浴びております。

 早くテーブルについてロックアウトを終わらせろというのがファンの声でもあります(筆者の声??)。

追記:交渉再開は現地12日

 次回のミーティングは現地2月12日(土)に再開することが決まりました。この時点でスプリングトレーニングがスケジュールどおり行われる可能性は無くなりました。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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