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【MLB2020】”99mph” ! ロッキーズ・ダニエル・バードが7年の時を経てメジャー復帰、勝利投手へ!

メジャー復帰が現実化!

 こんなこともあるのですね。やはり諦めてはいけないと改めて思わせるよいストーリーが生まれました。

 今季からロッキーズとマイナー契約を結んでいたダニエル・バード(35才)が、2013年4月27日以来の7年の時を経て、メジャー復帰を実現。しかも、勝利投手を勝ち取りました!

 Congratulations!

元レッドソックスのセットアッパー

 約10年前の2010年、レッドソックスのセットアッパーとしてジョナサン・パペルボンへのリレーの役割を果たしていたダニエル・バード。レッドソックス・ファンとしてはもはや懐かしい名前の投手。

 ダニエル・バードのここまでの経緯についてはロッキーズとの契約時の記事に書かせていただいています。

イップス起因のコントロール難

 レッドソックスを出たのは、2012年に”ミステリアス”と言われるほどに突然、コントロールに苦しみ出したのが原因でした。詳しい出来事はわからないのですが、イップスだと言われています。

2018シーズンからARIのメンタルコーチ

 2018年からはDバックスのメンタル・スキル・コーチとして現場に携わっていました。なぜメンタルのコーチとしてDバックスが採用していたのかと言えば、やはり彼がイップスの経験者だったからと見ていいでしょう。

 球界最高峰のレベルであってもこの病は深刻で、多数の選手が抱えている問題です。むしろ最適化しているレベルの選手だからこそ、一度崩れると元に戻すのが非常に困難。

 人間のメンタルとはそれほどナイーブです。

スカウトの前できっかけを掴む

 メンタル・コーチとしてプレーヤーとキャッチボールをしていた時、ダニエル・バードはふと思いました。「かつて自分を特別な存在にしたすべてのものが戻ってきた」と。

 この感覚、非常に大事ですね。ロジックでは語れず、本人にしかわからない「確信」に似た感覚。

 そしてスカウトの前でのピッチングをきっかけにメジャー復帰を決断。

 現地2020年2月21日、コロラド・ロッキーズとマイナー契約を結んだのでした。

イップスは時薬が有効か

 ダニエル・バードの逸話を調べると、イップスには時薬(ときぐすり)が有効というふうに思われます。イップスを忘れるほどの時間ということですね。

 ただ、これが出来ないんですよね。選手には旬というものがあります。ダニエル・バードのように選手生活を一旦手放すことはかなり難しいことです。状況には個人差があり、メジャー・デビューしていない投手ならなおさら難しいでしょう。

 「考えないことが一番」と言われても、なかなか出来るものではありませんよね。

 その意味で、経験者がイップスの選手の側に寄り添うというのは有効なのでしょう。

最悪の復帰環境を克服

 今回、ダニエル・バードの復帰に関しては、大きな壁が2つありました。

 一つは、自身のパフォーマンスをメジャーレベルへ引き上げること。選手、誰もがやっていることではありますが。

 そしてもう一つ、これがとても厄介だったと思うのですが、心を折るには十分過ぎたと思われる2020年の武漢ウィルスのパンデミックの影響。シーズン開幕の延期、そもそも開催が危ぶまれる状況、そして60試合のみという限定感です。

 正直、スプリングトレーニングが3月半ばでストップした時、ダニエル・バードの復帰は無理だなと思いました。ただでさえ若手が押し寄せる中で、クラブ側も試合数を減らす状況になった時、ロスターは若手を優先して選ぶと思われたからです。

 しかし、ダニエル・バードは折れませんでした。淡々と復帰への準備を貫いたのがすごいと思います。

60manロスターにIN

 サマーキャンプ前の6月29日には60manロスタープールにIN。

 7月17日にはオープニング・デー・ロスターにも入り、19日、ついにメジャー契約へ!

復帰戦は2番手として

 そしてロッキーズの開幕2戦目となった現地2020年7月25日、7年ぶりの復帰を果たしたのでした。

 ダニエル・バードが登板したのは5回裏。

 ロッキーズは4回表に2点を先制し、2-0とリードしていましたが、先発のジョン・グレイが5回裏2アウトから四球と2本のシングルで1点を奪われ2-1と1点差に追い上げられ、なおもランナーが1・2塁に残っているという状況。

 ゲームを壊しかねない状況とも言えますね。

 ダニエル・バードは、エルビス・アンドラスをLFフライに仕留めてチェンジ。ピンチを切り抜けました。

6回裏に粘りの投球

 イニングまたぎとなったダニエル・バード。6回裏のマウンドは、先頭打者を打ち取るも、ジョーイ・ギャロとトッド・フレイジャーにシングルを打たれ、一打逆転のピンチに。

 2アウト後に迎えたウィリー・カルフーンは早々と2ストライクを奪うも、なんと6球連続でファウルを打たれ、粘られますが、最後は98mphの4シームでLFフライに打ち取り、ピンチを脱しました。

 7回裏からはカルロス・エステベスがつないでいます。

熱投25球

 ダニエル・バードが投じたのは1.1イニングで25球。このうちストライクが20球。

 最速はルーグネッド・オドーアから三振を奪い、且つウィリー・カルフーンに投じた4シームで98.7mph。

 とにかくボールが走っていました。

 ロッキーズは7回表にデービッド・ダルがタイムリーを放ち、3-1に。9回裏、ウェイド・デービスが四球がらみで1点を奪われるも、ロッキーズが3−2で逃げ切りに成功。

 勝利投手はダニエル・バードとなりました。

 勝利投手は2012年5月29日のタイガース戦以来。実に8年前ですね。この時、バーランダーに投げ勝っています。

 とにかく復帰、おめでとうございます!

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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