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【MLBロックアウト】最大の難関となった「贅沢税」!ベストオファーに反対した4人のオーナー

オーナー側のベストオファーに難色を示していた4名のオーナー

 現地2022年2月28日から3月1日にかけ、MLBと選手会はギリギリの交渉を展開し、最終的にはオーナー側が提示してきたオファーを選手会の方が満場一致で拒絶。これにより、ロックアウトは3ヶ月めに突入し、現時点で各クラブのレギュラーシーズンの最初の2シリーズ、6試合がキャンセルになったというのが現地2022年3月3日までの流れです。

 その後、MLBと選手会は非公式に電話での打ち合わせを行っており、次のミーティングに向けて根回しは色々と進んでいるようです。

 その中で、フィールド・ルールも検討され始めており、これはMLB側のオファーですが、シフト・バンという極端なシフトの廃止も議論に上るようです。これはまたキー・エコノミクスが固まってから表面に出てくると思われます。こちらの方がファンとしては興味があります。

最大のネックとなった贅沢税

 さて、フロリダで行われた期限超えの交渉で最大の難関となったのはCB TAX (Competive Balance TAX)、贅沢税でした。こちら両者の攻防です。

Year選手会(3/1)MLB(3/1)
2022$238M$220M
2023$244M$220M
2024$250M$220M
2025$256M$224M
2026$263M$230M
現地2022年3月1日の交渉時

下記はそれ以前の交渉の数字。ともに折れてはおります。

Year選手会(2/26)MLB(2/12)→MLB(2/26)
2022$245M$214M$214M
2023$250M同上$215M
2024$257M$216M$216M
2025$264M$218M$218M
2026$273M$222M$222M
贅沢税閾値の交渉のプロセス

4名のオーナーが引き上げに反対

 MLB(オーナー側)が、ファイナル且つベストオファーとして最終的に提示した閾値は、上記のように、$220M/$220M/$220M/$224M/$230Mでしたが、それに反対したフランチャイズ・オーナーが4名いたことがThe Athleticで明らかになっています。

 中身はThe Athleticさんの独占なのでここでは書きませんが、エバン・ドレリッチさんがツイートしているように、レッズ、タイガース、ダイヤモンドバックス、エンゼルスの4オーナー。

 それぞれオーナーで交渉に参加していたメンバーで言えば、レッズはボブ・カステリーニ、タイガースはクリス・イリッチ、ダイヤモンドバックスはケン・ケンドリック、エンゼルスはアルテ・モレノになりますね。

220Mドル以上でさらに反対増

 SNYのマルティーノさんの情報では、もしMLBが$220M以上の閾値を設定したなら、さらに多くのオーナーが「反対」側に回った可能性も指摘されています。

オーナーの承認は23名が必要

 新CBAが発行されるにはオーナーの承認が23票必要です。

 ということは8名が反対に回れれば簡単に退けられるということですね。選手会にとっては、簡単なハードルではありませんね。

贅沢税=サラリーキャップとして利用されている

 CB TAX=贅沢税ですが、オーナーがその運用をほぼサラリーキャップとして曲げてしまっている点が問題で、サラリー抑制に効果的な制度になっている実情があります。CB TAXを超える意思を示したクラブはほぼなく、意識して閾値を超えるのを良しとするクラブもほぼありません。ドジャースでさえ、どこか歯止めを効かせたいがゆえに、ジョク・ピダーソンを出し、カーショウのFAも承認している状況です。

 選手たちが高い閾値を設定するのは、そういった意味合いからです。

収入増にひもづく制度との対峙

 オーナー達が欲しているのは、拡大ポストシーズンで14クラブの参加。この点は選手会は12クラブ。

 ポスト・シーズンを拡大することにより、さらなる放送権などの収入が見込めます。収入増の案としては、ヘルメットやユニフォームへの広告の導入などが考えられており、これらの組み合わせで、$200M以上の追加収入も試算されており、さらにストリーミング配信などでさらなる追い風を作ることも可能と言われています。

 選手会がそういった収入増に結びつく制度に賛成するかどうかが現実的なポイントになってきそうです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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