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【MLBプロスペクト2020】インディアンスに新星!トリストン・マッケンジーが10Kデビュー!

「スリム過ぎるのにすごい!」

 インディアンスは本当に次々とプロスペクトが成長するクラブですね。

 現地2020年8月22日、そのインディアンスにまたしても新星が誕生。トリストン・マッケンジー(Triston McKenzie)がタイガース戦にてメジャーリーグ・デビュー。

 スリム過ぎる体からは想像がつかないほどの剛球を投げ込み、タイガース打線から10奪三振を奪い、初勝利を上げました!しかもデビュー戦10Kはフランチャイズ史上2位の記録。

 Congratulations!

 このトリストン・マッケンジーの勝利は非常にたくさんの情報が紐付いておりまして、順番に展開して行って見ようと思います。

デビュー戦

 まずはデビュー戦の模様。対戦相手のタイガース打線には、3番DHにミゲル・カブレラが、4番2Bでジョナサン・スコープが、8番Cにオースティン・ロマインというメジャーでの経験豊富なベテランが入っていることは先に明記しておきたいと思います。つまり、油断ならない打線であるということです。

4シーム押しから幻惑へ

 トリストン・マッケンジーは初回は4シームをメインに投じました。ベロシティーはMid-90というところです。93-95mph。唯一投げた変化球はチェンジアップのみ。これが88mphほど。

 様子を見ていたと思われるタイガース打線でしたが、2回表から幻惑され始めます。このイニングからトリストン・マッケンジーはスライダーを交えるように。ジョナサン・スコープの入り方が特に素晴らしかったのですが、1、2球はスライダーから入り、3球目からは4シーム押し。結果、球速差に幻惑され、空振り三振。

 そして、ハイメア・カンデラリオ(Jeimer Candelario)の打席からカーブを使用。これがまたブレーキがきいており、80.5mph。これにより、タイガース打線はmid-90の4シーム、88mphほどのチェンジアップ、スライダー、そしてそれより遅いカーブと最低でも3つの速度帯に合わせる必要が出てきました。

 ここは、リードしてた2019年ゴールドグラブ賞受賞のロベルト・ペレスの力が大きかったとは思います。

6回を被安打2!10K

 このように、捕手とも息のあったところを見せたトリストン・マッケンジーは、最終的には4シームのベロシティーもギアアップ。序盤は93-94mphだった4シームが中盤にはMax97mphを記録(正確には96.5mphでした)。

 6回はやや疲れからか、94mphほどに戻りましたが、角度がある分、数字以上に威力を感じさせました。

 4回表に、1アウトからウィリー・カストロにソロHRを打たれましたが、与えた失点はこの1点のみ。そして被安打はこのHRを含めたたった2安打。

 6イニング、80球、与四球1、奪三振10という素晴らしい投球を披露しました。

インディアンスは6回裏に逆転

 このゲーム、タイガースの先発はエースのマット・ボイド。ここまで勝ち星がありません。しかし、このゲームはインディアンスの強力打線をよく抑え、5回裏までは無失点。

 トリストン・マッケンジーは4回表にHRを打たれていましたから、実はタイガースが1−0とリードしていたのでした。

 そしてトリストン・マッケンジーがマウンドを降りた直後の6回裏に打線がようやくマット・ボイドを捉え、逆転。トリストン・マッケンジーに勝利がもたらされたというゲームでした。スコアは6-1でインディアンスの勝利です。

トリストン・マッケンジーとは

 好投したトリストン・マッケンジーですが、1997年8月2日生まれの23才。2015年アマチュアドラフトのインディアンス1巡目指名の投手です。高卒時の1巡目指名ですから相当良い評価をもらっていたということですね。

2020年はランキングから消える

 トリストン・マッケンジーは2017年からトップ・プロスペクト・ランキングに名を連ねるようになりました。メジャーリーグのパイプラインの評価で、Pre-2017で57位、Pre-2018で24位、Pre-2019で41位にランクイン。

 しかし、2020シーズンはトップ100位のランキングからは姿を消していました。

実は、2年ぶりの実戦で好投!

 トリストン・マッケンジーの最後の公式戦登板はなんと2018年のマイナーの終了日である8月30日でストップ。この年はダブルAでの登板で、16試合で7勝4敗、ERA 2.68。

 この年も広背筋と胸筋を傷めてフルシーズンで16試合しか登板できていないという状況。2019シーズンは実践登板はなし。

スカウトが懸念してきたこと 

 ご覧の通りのスリムな体ですから、スカウトは当初から筋力的な点を懸念していました。やはりビッグリーグレベルで継続して結果を出すのは難しいか?と思っていたのでした。

インディアンス:人間万事塞翁が馬

 しかし、突如としてチャンスが巡ってきました。それはマイク・クレビンジャーとザック・プリサックがCOVID-19のプロトコル違反により、ディモート(降格)となったからです。

 インディアンスの選手間から、「彼らと一緒にプレーするなら、オプトアウトする」とまで言われ、忌み嫌われてしまった2人ですが、クラブ側もその声を後押しするべく彼らを降格させたわけですが、とは言えローテーションが2人もいなくなった訳ですから、台所事情は良くないです。

 そこで昇格させたのが、このトリストン・マッケンジーでした。

 クラブ側もまさかここまでやるとは思ってはいなかったでしょう。ただ、ボールを見て手応えはあったでしょうね。

 インディアンスにとってはまさに人間万事塞翁が馬というところでしょう。ピンチがどうチャンスに転がるかわかりません。

奇跡の実戦登板

 本当に不思議な感じがするのですが、よく2年も実戦で投げていなくてしかもメジャーのマウンドでいきなり結果を出したものだと思います。

 神がかってますね。

 インディアンスはこれで17勝10敗で、首位ツインズと1勝差。

 まだまだ面白いことを起こしてくれそうです。

 それに、インディアンスというチーム名は本当に2020年が最後になるかもしれません。この問題はシーズンと並行してフロント・オフィスが着手していることでしょう。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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