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【MLB2020】見えてきた開幕!しかし、オーナーと選手会の金銭的な着地点が焦点に

MLB→オーナー→選手会へ

 MLBは現地2020年5月11日、MLBは各クラブのオーナーに2020年のシーズンのプランについての詳細を明かすことになっています。

 通常、162試合のレギュラー・シーズンの日程がおよそ半減することに伴う、ポストシーズンなども含めた日程的なプラン、そして金銭的なプランなどが主な焦点。

 このオーナーとの電話でのカンファレンス・コール(=会議)で承認を得られれば、今度はそのプランがMLBPA(選手会)に提出され、それで了承が得られれば、晴れてオフィシャルな決定事項として2020年のレギュラーシーズンが動き出します。

 シーズンのスケジュールの決め事に関しては公式発表を待ちたいと思います。

ナ・リーグにもDHの可能性 

 一つ、漏れてきている情報としては、2020シーズンの特例として、ナ・リーグにもユニバーサルDHを採用するプランが実行される可能性が高いということ。

 これはホーム開催となった場合でも、移動による感染のリスクを減らす意味で近隣のクラブとの対戦が多く組まれることが予想されます。そうなるとインターリーグの試合数も増えることが予想され、ナ・リーグ同士の対戦の数も減ってきます。

 また、もともと試合数が減り、多くの選手の出場機会を増やすために、ナ・リーグにもDHを使う公算が高いです。

 ピッチャーの打席を見たい筆者としてはそれが2020年の特例ならまだ良いのですが、デフォルトになってしまうのは勘弁してもらいたいところです。やはり投手の打席はおもしろいですから。

 その他、制度関連ではアクティブ・ロスターの特例なども設けられることが予想されています。

大きなハードルは金銭面 

 大きなハードルとしてはやはり金銭面。3月26日にMLBとMLBPAは選手の待遇面に関する大枠には合意に達しています。主なところは以下です。

  • MLSはたとえ2020シーズンが開かれなくとも、通常通りに計算する。
  • リーグはプレイヤーに170Mドルのアドバンス・ペイを行い、支払額は選手が適切と判断した方法で割り振られる。
  • シーズンがなくなった場合、その170Mの割り振りをキープすることはできるが、それ以上の支払いはない。
  • サラリーは162試合を100%の金額として試合数に応じて割り引かれる。

焦点は無観客でのさらなる削減  

 今回、オーナーと選手間でもめそうなのは「さらなる削減」。

 ポイントは無観客での開催が濃厚な中、オーナーが選手にさらなる削減をもとめる点です。

ゲート収益を失うことを懸念するオーナー

 もう一定期間は無観客での開催になることは濃厚です。そうなった場合、オーナー側はゲート収益、つまり入場料の収益が減る分、選手にさらなる削減を求めずにはいられないというスタンスを取っていることです。ここが一番の火種になりそうです。

ゲート収益の割合

 入場料関連の収益は各クラブの総収益の51%を占めるとも言われています。MLB全体の収益から言えば約40%。

オーナーの損失計算 

 MLB自体はストリーミングの収益増などもあり、17年連続で前年比超えという景気のよい状況が続いておりました。2019年は$10.7 B(billion)。日本円だとざっと1兆1,520億円。毎年、前年比超えを果たしていたので、仮に2020年にパンデミックがなく、通常どおりに開催されていたとして、$11Bの売上が上がったとしましょう。そうすると、このうちのゲート関連の収益は40%なので、$4.4B(ざっと4,738億円)になることに。

 無観客での開催となった場合、この$4.4Bが無くなるから支払いがきついと言っているのです。

 もっともこれは162試合が例年通りに開催できれていればという仮の数字。単純には行きませんが、もしも半分の81試合の日程になったなら、ざっと$2.2B (2,369億円) が失われるという計算に。

選手側:これ以上は飲めん

 当然、選手側はこれ以上の削減はのめないというスタンスを崩さないでしょう。

 11日にMLBとオーナーが無観客になった場合の選手への支払いに対して、どういう結論を出すかにもよりますが、MLBPAのトニー・クラークは非常に大きな責任を伴う仕事をこれからしないといけなくなるのは明白です。

ディレー、あるいはシーズンなしの可能性も 

 ファンとしてもっとも恐れるのは、これで両者が頑なになって2020シーズンが開催されなくなってしまうこと。ストライキなどを起こした日にはMLB離れがますます加速し、NFL、NBAへ流れていくでしょう。ストだけは避けてもらわないと。

 両者が頑なに、あるいはまっとうに主張し合えばし合うほど、外野からみれば「お金でもめている強欲な組織」としてみなされることは必至。ますますファンが離れていきます。

 どこに落としどころを定めるのか?

 両者の間ではここ2−3日の間で無観客の場合の収益ロスをカバーできる原資のありなしについて激しくバトルが繰り広げられそうです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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