2025のスケジュールの暗点
現地2025年6月20日、パドレス@ドジャースの4ゲームシリーズのGm4が終了。
エゲツない戦いぶりでしたね。これは2025年のスケジュールの悪い点が出たとも言えるでしょう。今季はなぜか1カード置いて再び相まみえるという設定が多くなっています。
6月9日から11日までサンディエゴで3連戦を戦った両クラブは互いに1シリーズを置いて、再び6月16日から19日に相まみえました。実に11日間で7試合です。これでは火が鎮火する暇もありません。
そしてシリーズ・ファイナルのこの日、ゲーム展開的にもただでは終わらないといういい面も出たのですが、最後の最後でベンチ・クリアーのおまけがついてともに監督が退場する事態となりました。
試合展開
パドレスのライアン・バーガートが好投
Gm4のヒーローはもうパドレス先発のライアン・バーガート(Ryan Bergert )でしょう。25歳のルーキー右腕は2回までドジャース打線を3人ずつで片付けます。4シームは92-93mphと今どきの右腕にしては遅い方で、ドジャース打線も割とハードヒットしていたのですが、打球が野手の正面に飛んだりしてなかなかヒットが出ません。「いつでも行ける!」と思ってしまって、ズルズル行くパターンがありますが、そのような雰囲気も出ておりました。
結構高いボールも多かったのですが、変化球は良かったと思います。特にカウントを取るスライダーが縦に切れ、またスウィーパーも良かったです。そして左打者のアウトコースに逃げるチェンジアップ、右打者のインコースへのシンカーも良かったと思います。
4シームで詰まらせるシーンも多かったのですが、おそらくマーティン・マルドナードの絶妙な配球がそうさせていたとも言えますし、ベロシティー以上にボールにキレがあったようです。調べると4シームのアベレージのスピンレートは2412rpmで、これはタリク・スクーバルの2329rpmを上回ります。通りでドジャース打線は苦戦していたわけですね。
ピンチらしいピンチは3回裏で、1アウトからトミー・エドマンと大谷選手にそれぞれシングルを許し、2アウト1、3塁でムーキー・ベッツを迎えるターンがありましたが、このときもスライダーでムーキー・ベッツをボテボテの3Bゴロに打ち取り、ピンチを脱出しました。
5回2アウトで交代!
好投していたバーガートは5回のマウンドにも上がり、マンシーとパヘスを打ち取り2アウト。勝利投手の権利まであと1人。この時点でパドレスは2-0とリードしておりました。
しかし、バーガートはトミー・エドマンに四球を与え、さらにつづくキムにはRFへクリーンヒットを打たれて2アウト1、3塁で大谷選手を迎えるという場面に。
ここはそのまま勝負して欲しかったですが、マイク・シルド監督の心にアラートが鳴ったようで、この場面でエイドリアン・モレホンにスイッチ。あと一人だったのですが、残念ながら降板ということに。
バーガートは4.2イニングで被安打3、スコアレス、BB 1、SO 3でした。ゲームメイクしましたね。
パドレス、5-0で最終回へ
ドジャースの先発は山本投手。2回表にスランプから急に脱したザンダー・ボガーツに左中間にソロHRを打たれて先制を許すと、5回表にはボガーツのシングルをきっかけに連打を浴び、ホセ・イグレシアスのLFへの犠牲フライで2失点目。山本投手もゲームメイクしたのですが、いかんせんドジャース打線がバーガートに苦戦し、援護をもらうことができず、7回表にはやはりボガーツの二塁打をきっかけにもう1失点。この日は6.1イニングで被安打7、失点3、自責点3、BB 0、SO 5、HR 1という結果となりました。
ドジャースはルー・トリビーノを挟んで8回から27歳のルーキー、ジャック・リトルがメジャー初登板。2点を献上し、9回へ突入しました。
タティス・Jr.に死球でベンチクリアー
ドジャースは9回表のマウンドもジャック・リトルに託しました。リトルはイニング先頭のマニー・マチャードから三振を奪い、まずは先頭を斬ったところまではよかったのですが、つづくフェルナンド・タティス・Jr.への3球目、93mphの4シームが抜けてタティス・Jr.の右手首に当たり、タティス・Jr.がその場で痛みを堪えてうずくまります。
トレーナーが駆けつけ、タティス・Jr.の手首の状態を見ていた時、ベンチからいち早く飛び出してきたのがマイク・シルド監督。即座に怒りがマックスに達したシルド監督はドジャース・ベンチに向かって行き、デーブ・ロバーツ監督との口論に。
アンパイアーをはじめ多くの選手が間にはいるベンチ・クリアー案件となりました。
最後の最後に一番ひどい状態になってしまいました。シルド監督に対してはテオスカー・ヘルナンデスがなだめ、最後は笑顔が出ていましたが、両監督ともに退場となってしまいました。
その後、大谷へ報復→大谷はいさめる
これで終わりませんでした。9回裏、ドジャースはショーン・レイノルズから2つの四球を選び、ノーアウト1、2塁とチャンスを作ります。そしてブライアン・エスポジート監督代行がロベルト・スアレスにスイッチ。
その後、ドジャースのラリーは続き、2点を奪って5-2とした後、2アウト3塁で大谷選手の打席に。一発出れば1点差まで詰め寄る場面です。
ここでスアレスは0-3カウントとなった後、99.8mphの4シームを大谷選手に右肩に当てる死球を投じ、「またベンチ・クリアー」か?と思われましたが、ここは大谷選手が即座にベンチを諌め、1塁へ到達。この場面では荒れませんでした。
非常に荒々しい雰囲気となりましたが、大谷選手はパドレス・ベンチのホセ・イグレシアスと談笑するなど、ゲームに集中します。ロベルト・スアレスはこれで退場。
その後もドジャースは代わった松井裕樹投手を攻め、1点を奪い5-3とするもあと一歩及ばず、5-3のスコアでパドレスが勝利しました。
パドレス「タティスに何回当ててんねん」
タティス・Jr.は落ち着いていて、故意ではないとはわかっているのですが、それにしても多すぎることに不満を抱いています。これは本人だけでなく、チーム全体で。
ドジャース投手陣がタティスに死球を与えたのは過去2シーズンでこの日を含めて計6度もあるのです。そしてそのうち、今季の7試合で計3回です。彼のキャリアで4回以上当てられたチームは他にありません。
タティスもパドレスも「意図的であろうとなかろうと事実として異を唱えたい」。これがパドレスの主張です。
ドジャース:「大谷には故意やろ」
一方、ドジャースは「意図はない」、つまり「故意ではない」というのが大きな主張ですが、そのほかにもこの4連戦で2度、大谷に故意死球があったことに怒り心頭となっているのです。いずれも右投手ですから、ひっかけたというより狙わないと行かないコースです。 実際、ロベルト・スアレスが左打者に死球を与えたのは2回で、それらはいずれもコントロールに問題のあった2022年のことです。
実際、誰が見ても報復であるのは明らかです。
どう理屈をつけようがこの感情のもつれは時間を置くしかありません。
タティスと大谷の状態
試合後、X線の検査をしたタティスの結果はネガティブ。つまり骨には異常はありません。ただ、腫れているようで、MRIも実施して状態を確かめるとのことです。
大谷選手は2度とも怪我にはなりませんでしたが、打ち身の痣は残っているでしょう。この日は右肩に当たりましたが、今のところは問題なさそうで、日曜日のナショナルズ戦の先発予定は変わっておりません。
これまでの経緯
今シリーズではGm1でアンディ・パヘスがディラン・シーズから肘当てに死球を受け、パヘスはシーズを睨み返し、大事になりそうでしたが、騒ぎにはならず。
Gm2ではタティス・Jrと大谷選手が表裏で死球をくらい、ヒートアップ。この時、ロバーツ監督は、なぜパドレスだけでなく両軍に警告が出されたのかと審判に質問するためにフィールドに出た後、退場処分を受けました。その後、マット・ザウアーがホセ・イグレシアスの手首に当てましたが、これは両者とも故意ではなかったと認めておりました。
Gm3ではアンディー・パヘスが先発のスティーブン・コレクに再び当てられましたが、大事には至らず。
そしてGm4で沸騰というところです。
次は8月までない
今回はあまりにも対戦のスパンが短すぎたために、クールダウンする時間がなく、ベンチクリアーにまで発展。
今度の対決は8月15日から17日まで。少し空きますので、クールダウンすると思います。
ただ、次回も互いに1シリーズを挟んで再度対戦します。8月21日から23日まで3連戦。またスケジュールが悪さをしなければ良いですね。
大谷はプレーを最優先
報復の相手が大谷選手だった点は気になりますし、誰がそうさせたのか?も気になるところです。ピッチャーのやりにくそうな顔を見ると、指示があったように思いますね。
大谷選手にはそれこそ嫉妬やネガティブなこともつきまとってきます。皆、メディアの受け答えのトレーニングを受けていますから、メディアの前では良いことしか言いませんが、腹の中ではわかりませんね。
ただでさえ、二刀流で目立っているので、専門職で大谷選手の成績に敵わないことによくない感情を抱いている選手やフロントもいるわけです。ひょっとしたら、自チームにも敵がいるかもしれません。DHのポジションが埋まってしまうのですから。
男の嫉妬ほど、いやらしいものはありません。
実際、大谷選手は一平の件で無実なのに危ないところまで追いやられてしまいましたよね。よく思っていない勢力もわんさかいるわけです。反対に救う勢力も多いですが。
大谷選手の目標は自身の力を極限まで表現することですが、二刀流をやるにしても周囲の協力がないとできないからこそ、普段から立ち居振る舞いに気をつけているのです。本当にプレーを最優先。本来、死球が少ないのもそういう環境作りの努力の結果です。
今回は流れ上、故意死球がありましたが、2人の投手は怪我をしないギリギリのところを攻めたプロの投球と言えるかもしれません。腕を振らないと誰かが見ていたでしょうから、いずれも強めのボールではありましたが・・・。そんな脅迫じみたものがあったかどうかはわからないので、あくまで妄想と思ってください。
ただ、大谷選手には左投手の抜け球、これには本当に気をつけてもらいと思います。アクシデントは防ぎようがありませんから。
信じなくていいですよwww
お読みいただき、ありがとうございました。
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