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【MLB2024FA】フィリーズがウィット・メリフィールドと1年契約で合意

フィリーズ、強力な武器を手に入れる!

 現地2024年2月16日、2BのFAとしてその動向が注目されながらここまで残っていたウィット・メリフィールド(Whit Merrifield)のディールが決定。フィラデルフィア・フィリーズと1年契約で合意です。

 フィリーズはウィット・メリフィールドを獲得したことで、後述するブランドン・マーシュの穴にも対応可能。その他、もろもろと非常に柔軟性のある起用が出来ます!

契約内容

 双方合意の内容は下記の通りです。

  • 1 年/$8M 保証(2024) + 2025 オプション
    • 2024: $7M
    • 2025 : $8Mクラブ・オプション ($1M バイアウト)
    • その他、パフォーマンス・ボーナスあり

 報道によれば、仮に2025年のオプションが行使されると2年で$16.6Mになるとも言われています。そうなると、パフォーマンス・ボーナスは$1.6Mの設定になります。

35才、初FA

 ウィット・メリフィールドは1989年1月24日生まれでつい先日、35才になったばかり。MLSは7.101ですが、前の契約がFA資格取得イヤーをカバーしていたため、今回が初FAとなります。

前の契約

 ちなみに前の契約は、2019年1月に当時所属していたロイヤルズとサインした以下の内容でした。

  • 4年/$16.25M (2019-22) + 2023 オプション
    • $1M(2019)、$5M(2020)、$6.75M(2021)、$2.75M(2022)
    • 2023 $6.5M ($0.75Mバイアウト)
  • 2022年4月時点でロイヤルズは2023年のクラブ・オプションを行使。さらにサラリーを再構築
    • $7M (2022)
    • $2.75M(2023) →$6.75M(2023)
      • メリフィールドが2022年に負傷者リストに入った日数が109日以内の場合、2023年の年俸を最大$4M増額する)(=クリアー)
    • 2024 $18M ミューチュアル・オプション($0.5Mバイアウト)

 サラリーを2022年4月に再構築したことにより、2023年のサラリーは結果的には当初通りの$6.75Mになりましたが、2022年のサラリーが$2.75Mから$7Mにアップ。さらに2024年にミューチュアル・オプションがプラスされた形になりました。

 2022年のトレード・デッドラインでブルージェイズに移籍したウィット・メリフィールドでしたが、2024年はそのミューチュアル・オプションをメリフィールドが拒否。FA市場に参戦していました。

 仮にメリフィールド側が残ることを選択したとしてもブルージェイズ側は$18Mを拒否したと思われ、2024シーズンが35才ということも考えれば、メリフィールドとしては市場に出てマルチイヤー・ディールの機会を伺う方がベターと判断したというところかと思われます。

 結果、今回はシングル・イヤーにオプションがつくというベストではないですが、それなりの結果を得たという契約になりました。

マーシュの怪我が背景

 ウィット・メリフィールドに対しては、2Bのバットが欲しいレッドソックスなども関心を抱いていましたが、いつの間にか話は途絶えました。金額が合わなかったと思われます。

 そして今回、フィリーズとの契約が決まった訳ですが、フィリーズとしてはこの契約の背景にブランドン・マーシュの怪我があったことが獲得の動機になったと思われます。

 ブランドン・マーシュは、2月9日に左膝の内視鏡手術を実施。3-4週間の離脱が必要になりました。時期的には開幕が間に合う計算になりますが、足を休ませて様子を見てから再び元の状態に戻し、さらに実践への対応を考えると、1ヶ月ビハインドになる可能性も十二分に考えられます。

 そこで2Bでありながら、OFもこなすウィット・メリフィールドがマーシュに代わってOFの一角に入ってバットで貢献するというシナリオも考えたと思われます。

マーシュ復帰後は?

 ブランドン・マーシュが復帰した後は、メリフィールドは内野に戻ることになると思われますが、フィリーズの内野はSSのトレイ・ターナーがまず確定。3Bのアレク・ボームも堅いところです。DHにはやはりカイル・シュワーバーが入ることから、当初の目論見どおり、ブライス・ハーパーを1Bに固定して起用して行くことになると思われます。

 メリフィールドの本業の2Bにはブライソン・ストットがおり、2022年は打撃に頼りなさがあったものの、2023年は151試合で164安打を放ち、.280/.329/.419、HR 15、RBI62、SB 31、Run 78ともはや欠かせない選手に成長しました。

バックアップ・ロールとしては頼もし過ぎる!

 唯一、チャンスがあるとすれば、ブライソン・ストットが左打席なので、場合によっては右打席のメリフィールドをプラトーン(相手投手の左右で使い分け)として起用することがあるかもしれませんが、ストットもそうやすやすとは明け渡すつもりもないと思われ、やはりバックアップ的な存在になるのではないかと思われます。

 場合によってはマーシュ復帰後も、マーシュは左打席ゆえ、メリフィールドがカバーする可能性もあります。後は好不調がわりとはっきり出る右打席のニック・カステヤーノスのバックアップ的な起用法も。

 メリフィールド・クラスの選手を贅沢に使うことが出来るのが今季のフィリーズの強みということにもなりそうです。

ウィット・メリフィールドとは

 ウィット・メリフィールドのキャリアを簡単に。ドラフトは2010年のロイヤルズの9巡目指名。

 デビューは2016年で、なんと27才のシーズンです。ちょうど前年にワールドシリーズチャンプを獲ったロイヤルズにいい選手が出てきたなと思ったら、もうリビルドの時期に入っていました。

 デビューが遅かったのは、2012年から2015年にかけてロイヤルズが強い時期に入っていたというのが大きかったと思います。

 SSのアルシデス・エスコバーを中心に、2Bにはオマール・インファンテ、3Bにはマイク・ムスターカス、OFもロレンゾ・ケインがCFにいて、アレックス・ゴードンがLFにいましたから、ちょっと出る幕がなかったというのが正直なところでしょう。

右打席で安打量産

 デビューが遅かったメリフィールドですが、昇格してからの活躍はご承知の通りです。

 デビュー・イヤーの翌年の2017年にはすでに169安打を放ち、34盗塁!そしてすごかったのは2018年。158試合に出場し、192安打を放ち、しかもSBは45 !

 まだあります!2019年は162試合すべてに出場し、206安打をマーク。盗塁は20に減りましたが、2年連続で打率は.300超えをマーク。30才のシーズンでこの活躍。

 2020年も60試合にフル出場を果たし、2021年も162試合すべてに出場。3年連続で全試合に出場です。また3年連続でAB数はAL NO.1。2021年は32才のシーズンだったのですが、盗塁をまた40に戻したというこれまた驚くべきパフォーマンスを見せつけたのでした。

 2022年の途中でブルージェイズに移籍し、この年は安打数が126と落ちたものの、2023年には復活。149安打を放ち、.272/.318/.382をマーク。

 さすがに2019年の頃によりは落ちてはいるものの、フィリーズは強力な武器を手に入れたというのがおわかりになると思います。

 今季は出場試合数がどうなるか未知なところがありますが、春先からハッスルしそうな予感ですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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