さあ開幕へ
現地2023年3月28日、MLBでは30日のオープニング・デーに向けてスプリング・トレーニングの最終戦が行われました。
グレープフルーツ・リーグのレッドソックスはフォートメイヤーズ(レッドソックスのキャンプ地)のジェット・ブルー・パークにてブレーブスと対戦。試合は中盤の3イニングに5得点を上げたブレーブスが7-5のスコアで勝利。
敗れたレッドソックスでしたが、吉田正尚選手に待望の一発が飛び出しました!
吉田選手は4番LFで出場
ブレーブスの先発は、メジャー16シーズン目で39才のチャーリー・モートン。1回表に味方打線から1点を先制してもらうも、その裏、1アウトから2番のラファエル・デバースに二塁打、3番のジャスティン・ターナーの2Bへのゴロの間にデバースに3塁への進塁を許し、2アウト3塁のピンチを迎えます。
ここで4番の吉田正尚選手。初球は高めに抜けた明らかなボール。2球目、真ん中に入っきた甘い2シームでしょうか?吉田選手は鋭いスイングで振り抜き、これがCF後方のスタンドに入る2ランHRに。
レッドソックスはデバース & 吉田の新コンビで2-1と逆転に成功。
3回裏の第2打席もモートンとの対戦。この打席は4球とも高めに抜けたストレートの四球でした。
吉田選手はここで交代。代走にロブ・レフスナイダーが送られました。ということで、この日は2打席で1打数1安打、2RBI。
吉田選手はWBC前に2試合に出場し、5打数1安打。WBC後は3月24日から4試合に出場し、8打数2安打。今スプリング・トレーニングは、計6試合で13打数3安打、二塁打1、HR 1、RBI 2、RUN 2、BB 3、SO 4、打率.231、OBP .375、SLG .538、OPS .913という成績。
WBC出場の選択が正しかった
メジャー挑戦初年度とWBCが重なった吉田選手。筆者はWBCには出ないだろうなと思っていたのですが、栗山監督からの要請もあり出場。
そしてご存じの通りの大活躍を見せてくれました。2009年の時の青木選手に重なるか、あるいはそれ以上の活躍でした。
【吉田選手のWBCの成績】
- 13 RBI: 1位(2位はトレイ・ターナーの11)
- 32打席、22打数9安打 (二塁打 1、HR 2、BB 4、HBP 4、SO 1、RUN 5、犠牲フライ2、)
- 打率.409、OBP .531、SLG .727、OPS 1.258
WBCでメジャー投手のボールと対戦
WBC出場を選択して良かったであろう点は、まずはシーズン前にたっぷりとゲームをこなすことが出来たこと。しかも、調整ではなく本番での7試合です。
スプリング・トレーニングはテストされる選手の数も多いことから、この日の試合のように1日当たりせいぜい2打席から3打席で交代です。ところが、今回のWBCは、調整ではなく本番。そこで32打席も経験出来たのは大きかったと思います。
そして実際にメジャートップレベルの投手が投げるボールを打席で経験出来たことも大きかったでしょね。特に今大会は各国ともにいい投手をロスターに加えていましたから、それを体感できたことは大きな財産となったはず。
選手間での情報交換
そして何より、メジャーのトップ選手のダルビッシュ投手、大谷選手、そしてメジャーの試合に出ているラーズ・ヌートバー選手との交流による情報交換。これが最も大きな財産になったと思います。
特に、大谷選手とヌートバー選手は打者として活躍しており、相当貴重な経験知を共有してもらえたのではないかと思います。
WBCでの活躍により、OBPよりRBIに期待か
レッドソックスのコーラ監督は、当初吉田選手の高OBP、高打率に大きな期待を寄せていたと思います。実際、グレープフルーツ・リーグの2試合目は、1番LFでの先発出場。
リードオフで吉田選手が出塁し、2番のラファエル・デバースで即座に得点。さらに中軸へと流れる打線の波状攻撃を期待していたのではないかと。
しかし、WBCでの吉田選手のRBIキングぶりを見て、これはむしろ中軸に置いて、2番、3番が取りこぼしたチャンスをカバーする役割として置いておく方が打線の機能という点からも良いのではないかと思ったフシがあります。実際、中軸を打つ試合ばかりとなりました。まさにWBCでの起用と同じです。吉田選手はこの日、大きなHRを打ちましたが、とにかくコンタクトのうまいバッターですから、ランナーがいれば得点につながる確率が高いと思うのも自然な考えかと思います。
言えるのは、吉田選手が入ったことで、今年のレッドソックスは得点力がさらにアップするということですね。相変わらず、投手はちょっと不安があるのですが。
BOSの今春の勝率は.500
グレープフルーツ・リーグが始まった直後のレッドソックスは連勝を継続。引き分けはあっても負けがありませんでした。
ただ、WBCが始まったあたりから徐々に負けも増えてきて、最終的には14勝14敗と勝率.500に落ち着きました。
これはどこのクラブにも言えることですが、長いシーズンを考えた時に様々なシチュエーションで起用できる選手を探るというのがスプリング・トレーニングのゲームの目的の1つでもあります。テストゆえに悪い成績を出す選手も当然います。
その意味で、コーラ監督はこの春は色々試したなというのがこの勝率.500の感想。むしろ、よく.500の線を守ったなとも思います。
ちなみにグレープフルーツ・リーグの勝率1位は、カージナルスで17勝7敗、.708。カクタス・リーグトップはエンゼルスで、18勝11敗、勝率.621です。
レッドソックスの得点は164で失点は161。得失点差は+3。
グレープフルーツ・リーグで最も多く失点を許したのはタイガースで196。カクタス・リーグではアスレチックスの209。最多得点は、グレープフルーツ・リーグではブレーブスの180。カクタス・リーグはロイヤルズの182です。
レッドソックスの開幕戦
レッドソックスの開幕戦は、フェンウェイ・パークでオリオールズと対戦です。レッドソックスがコーリー・クルーバー、オリオールズがカイル・ギブソン。左打者の多いレッドソックスにとっては、右投手は嬉しいかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント