2025 Manager of The Yearが決定
現地2025年11月11日、2025年のManager of the Yearが発表され、ALはガーディアンズのスティーブン・ボート(Stephen Vogt)NLはブルワーズのパット・マーフィー(Pat Murphy)が受賞しました!
この両名は2024年に続き、Back to Backでの受賞になります。両リーグで2年連続の受賞者が出たのは今回が初めてです。
戦力を最大化させた2人
なんと言ってもこの2人は戦力を最大化させた名将と言っていいでしょう。つまりシーズン前は下馬評は高くなく、スタープレーヤーも少ない中、力を出し切れていなかった選手に機会を与え、きっちり戦力仕立てて、シーズンをものにしてきた点が素晴らしいの一言です。
ガーディアンズはトレード・デッドラインではクローザーを失い、売りに走ったにも関わらず、最終的にはALセントラルを連覇。
ブルワーズもシーズン開幕前はまるで注目されず、むしろデビン・ウィリアムズも出し、魅力さえ欠いた状態からスタートし、キープレーヤーであるジャクソン・チューリオを中心に埋もれていたケイレブ・ダービンやアイザック・コリンズを戦力化。また、ホワイトソックスで埋もれていたかつての1巡目のアンドリュー・ボーンも怖い存在に変身させ、6月からはジェイコブ・ミズロウスキーというファイヤーボーラーを登場させるなど、シーズン中は魅力に溢れました。
8月には負けない状態となり、14連勝を達成。シーズン成績は97勝65敗でドジャースさえ勝率で跳ね返す強さを発揮。
ともにバントも多用
また両クラブともスラッガーが不足している状態を跳ね返しての地区優勝で、ランナーを進めるためにバントを多用したのも際立ったところです。これにより、他のクラブもまるでNPBのようにバントでの進塁を躊躇なくやるようになってきました。
投票結果
投票方法は全米野球記者協会(BBWA)に所属する会員の中の30人が、3名を1位から3位まで記載。ポイント制となっていて、1位は5点、2位は3点、3位は1点が付与され、合計点が表示されます。
AL
| Name | 1st | 2nd | 3rd | Points |
|---|---|---|---|---|
| スティーブン・ボート(Guardians) | 17 | 8 | 4 | 113 |
| ジョン・シュナイダー(Blue Jays) | 10 | 11 | 8 | 91 |
| ダン・ウィルソン(Mariners) | 2 | 9 | 13 | 50 |
| アレックス・コーラ(Red Sox) | 1 | 2 | 7 | |
| A.J. ヒンチ(Tigers) | 1 | 3 | 6 | |
| ジョー・エスパーダ(Astros) | 1 | 3 |
スティーブン・ボートは2020年と2021年にレイズのケビン・キャッシュが受賞して以来のALでの2年連続受賞で、2人目。
ガーディアンズ(旧インディアンズ)の監督がこの賞を受賞した回数は計6回目です。テリー・フランコーナが2013年、2016年、2022年に、エリック・ウェッジ監督が2007年に受賞しています。
投票はポストシーズン開始前に行われて、あくまでシーズン中の指揮について評価されますが、もしもポストシーズン終了後に投票されていれば、ブルージェイズのジョン・シュナイダーが受賞していた可能性もありますね。
NL
| Name | 1st | 2nd | 3rd | Points |
|---|---|---|---|---|
| パット・マーフィー(Brewers) | 27 | 2 | 141 | |
| テリー・フランコーナ(Reds) | 2 | 9 | 12 | 49 |
| ロブ・トムソン(Phillies) | 1 | 7 | 6 | 32 |
| クレイグ・カウンセル(Cubs) | 7 | 3 | 24 | |
| クレイトン・マッカロー(Marlins) | 5 | 7 | 22 | |
| トレイ・ロブロ(Diamondbacks) | 1 | 1 | ||
| マイク・シルト(Padres) | 1 | 1 |
パット・マーフィーは2024年から指揮を執り始めて、上述のように2年連続での受賞。これはNLでは2人目で、ブレーブスのボビー・コックスが2004年と2005年に受賞して以来のことです。
2位に入ったのはレッズのテリー・フランコーナ。レッズをコンテンダーにしましたからね。さすがです。
なお、ワールドシリーズ連覇のドジャースのデーブ・ロバーツは得票なしでした。確かにけが人多発の状況で投手のやりくりをよくやったという点は評価されるべきところではありますし、野手の起用やオフェンスの作戦は素晴らしいと思います、しかし、いかんせん投手交代があまりにも下手過ぎて、何度災厄を招いことかという点は冷静に評価されたことでしょう。また、「あの戦力ならね」とそもそもバイアスを持って見られているかわいそうな面があるのも事実です。
お読みいただき、ありがとうございました。





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