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【MLB2022】ドジャースの新GMは37才で元レイズのリリーバー

引退後に異例の大出世

 ふだん、MLBを見ていてマイナーとメジャーの間を行き来する当落線上の選手は、たとえば投手であるなら非常に速いボールを投げるとか、信じられない曲がり方をするカットボールを投げるなど際立った特徴がない限りはなかなか名前も記憶に残りません。

 いい選手であればレベルに関係なくしっかりと応援するぞと思っていても、流してしまうことがしばしばあるのが正直なところです。

無名ほどポスト・キャリアで際立つケースあり

 ただ、メジャーリーグを見ているととんでもない化け方をする人がいますね。特に、コーチ陣にそういう人が多く、メジャーでのキャリアに乏しいものの、コーチとして頭角を顕し、重要ポジションに就く人が結構います。

 今回の記事はまたそういったサプライズ的な出来事が起こったというお話です。

 現地2022年1月19日、ロサンゼルス・ドジャースはずっと空いていたGM(ジェネラル・マネージャー)のポジションに元レイズのリリーバーで、37才のブランドン・ゴームズ(Brandon Gomes)を起用することを発表しました。

ザイディが引き抜かれて以来のGMロール

 ドジャースのGMロールは、2018年11月にファーハン・ザイディ(Farhan Zaidi)がジャイアンツに引き抜かれて以来空席が続いていました。4シーズンぶりにGMロールを置くことになりました。

 過去3年間は、ベースボール・オペレーション(編成)部門のプレジデントのアンドリュー・フリーマン(Andrew Friedman)がGMロールも担っていました。

新GMのブランドン・ゴームズとは?

 今回、ドジャースのGMロールに就くことになったブランドン・ゴームズですが、まずピッチャー出身というのが驚きですね。もちろん、MLBにはピッチャー出身のGMもいます。例えば、レンジャーズの現GMのクリス・ヤング(Chris Young)は現役時代は長身のローテーション投手として有名でした。

 よって、投手出身のGMというのが特別珍しい訳ではありませんが、野手の方がその性質上、フィールド全体を俯瞰出来る人が多いので、やはり投手出身のGMは珍しいです。

現役時代はメジャーで5年

 ブランドン・ゴームズは選手として2011年から2015年までの5シーズンをメジャーで過ごしました。

 元々は2007年にパドレスから17巡目で指名を受けてプロ入り。マイナー時代の2010年オフにトレードでレイズへ移籍しました。

 レイズでは2011年にメジャーデビュー。以降、リリーフ専門で5シーズンで173試合に登板。イニング数は167.0で、通算11勝12敗、1セーブ、ERA4.20。メジャーでのファイナル・シーズンとなった2015年に65試合に登板しており、これがキャリアハイのシーズンでした。

 下記は2014年シーズンのゴームズVSゴームズ対決。ブランドン・ゴームズが対しているのは、レッドソックスのジョニー・ゴームズ。

 VTRを見ると、このフォームの投手だったか!となんとなく覚えてはいるものの、やはり印象に残る投手ではありませんでした。現役時代はマイナーに落ちることが数十回を数えるほどの投手だったので余計に印象が薄かったのかもしれません。

際立つ引退後

 ゴームズは2016年、カブスのトリプルAのアイオワで現役最後を終えて引退。ただ、ここからがすごいのです。 

フリードマンとのつながり

 今回の人事はやはり人とのつながりも大いに作用したことは認めざるを得ないところです。というのもブランドン・ゴームズのレイズでの最初の4年間に、フロント・オフィスにいたのが、上記の現ドジャースのベースボール・オペレーション社長のアンドリュー・フリードマンだったからです。

 レイズ時代、ブランドン・ゴームズはフリードマンに「フロント・オフィスは投手のどこを見るのか?」非常に熱心に質問を投げかけ続けた投手でした。とにかく成長、成長で自分を高めるのが楽しくて楽しくて仕方なかった選手だったようです。

 こういった選手ほど伸びますからね。それはフリードマンも一目を置いたと思います。

 ゴームズは大学時代にトミージョン手術を受けており、その影響でやはりプロとしてのスタートもややビハインドがあったのかもしれません。言ってみれば、メジャーではちょっとむずかしいレベルの投手だったにもかかわらず、その熱心さで成長し続け、5年間に亘ってマウンドに上がり続けたという見方をした方がいいようです。

 もはや飢えにも似た高い向上心が引退後のキャリアを確かなものにしたとも言えるでしょう。

 非常に分析的な頭をもつゴームズは大学時代は金融と商法を学んだ秀才。プロに行けないことも考え、ロースクールに行く準備までしていたしっかりものです。

きっかけ

 2016年途中に現役を終えたゴームズは仕事について、すでにドジャースのフロントオフィスにいたアンドリュー・フリードマンにコンタクトを取りました。2016年内のことです。これも今回の人事の一つのきっかけですね。

 連絡を受けたフリードマンは各所に根回しして、ゴームズをピッチング・コーディネーターに起用することに成功。マイナー経験が長かった投手がすぐにそのようなポジションをもらえたのはパワーを持つ人とのご縁との見方もできますね。

ビューラー、メイ、ファーガソンとともに 

 ゴームズが預かったのは、ウォーカー・ビューラー、ダスティン・メイ、カレブ・ファーガソンら今現在のドジャースを支えるヤングアーム達。これも幸運でした。

 さらに、2017年当時、現ジャイアンツ監督のゲーブ・キャプラーがドジャースのプレーヤー・ディベロップメントのダイレクターだったのですが、2017年10月終わりにフィリーズの監督に就任することが決定。これもゴームズにとって追い風となり、キャプラーの後任としてプレーヤー・ディベロップメントのダイレクターに就任したのでした。

 そして2019年からドジャースのアシスタントGMとしてアンドリュー・フリードマンの片腕として機能。

 このように人物としての魅力もありつつ、あるいは魅力があったから、現役引退後は「非常に強い引き」でGMまで駆け上りました。勢いがありますね。

 2021年、ドジャースはトレードデッドラインで肘を故障していたダニー・ダフィーを獲得。しかし、結局は1試合も登板しないままシーズンエンド。ほかにも編成に粗さが目立ったシーズンでもありました。

 ブランドン・ゴームズがその精度を上げて行くのか、注目したいところです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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