ドジャースが3勝1敗で、NLCSへ
現地2025年10月9日、フィリーズ@ドジャースのNLDS Gm4が行われ、大接戦の末、ドジャースが延長11回に2-1でサヨナラ勝ちを納め、NLDSの戦績を3勝1敗とし、見事にNLCSへの進出を決めました。
NLCS BOUND. pic.twitter.com/a6FjBHPuEW
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) October 10, 2025
佐々木の3イニング
さて前後しますが、まずはこのゲームの大きな立役者である佐々木朗希投手の投球について先に触れて行こうと思います。
佐々木投手が登板したのは8回から10回までの3イニング。
登板までの流れ
それまではドジャース先発のタイラー・グラスノー、フィリーズ先発のクリストファー・サンチェス(Cristopher Sánchez)が素晴らしい投げ合いを展開。中盤までがっぷり四つのスコアレス。
6回に両先発ともお役御免となり(フィリーズは7回途中での交代ですが)、7回、両クラブともに投手交代後にゲームが動きました。
まず7回表にドジャース2番手のエメット・シーハンが先頭のJT・リアルミュートからCF前シングルを許し、1アウトからニック・カステヤーノスが3塁線への2ベースを放ってフィリーズが1点を先制。
7回裏、クリストファー・サンチェスは1アウト後、アレックス・コールへの2ストライクからの微妙な判定後に四球。この後、キケ・ヘルナンデスがLF前にきれいなシングルを放ち、1アウト1、2塁となったところで、フィリーズは投手交代を決断。クリストファー・サンチェスは95球でした。
ヨアン・ドゥランに代わり、まずはアンディー・パヘスを1Bゴロに抑えて2アウト。2アウト2、3塁となり、バッターが大谷選手を迎えたところでフィリーズは申告敬遠を選択。2アウト満塁でムーキー・ベッツ。ヨアン・ドゥランは強いボールを投げつつも、満塁が心理的に追い込んだのか、ムーキー・ベッツに押し出しの四球を与えてドジャースは1-1の同点に追いついたのでした。
佐々木の8回
その流れがあり、フィリーズにとっては追いつかれた直後。なんとか勝ち越したいところでシュワーバー、ハーパー、ボームという強烈なターンとなったので、ドジャースはもはや切り札的な存在となっている佐々木投手をマウンドに上げたのでした。
その佐々木投手はこの日もスプリッターはほぼほぼベース盤の上に投じ、しかも落下具合も抜群。カイル・シュワーバーにはスプリッターの後の98.8mphの4シームでRFフライに仕留めて1アウト。甘かったのですが、圧しました。
ブライス・ハーパーには1球目に99.3mphの4シームを見せた後は、スプリッターを4球。うまく抜いて3Bポップフライ。アレク・ボームには一転、100.7mphの4シームで差し込み、2Bゴロに仕留めて3アウト。
9回の投球
9回表はブランドン・マーシュに初球の100.1mphの4シームを打たせ、2Bゴロで1アウト。つづくこのシリーズで大いに当たっているJT・リアルミュートはスプリッターでカウントを作り、最後はアウトコースへの100.2 mphの4シームで空振り三振。この4シームは角度という凄かったです。マックス・ケプラーにもスプリッターでカウントを作って最後は4シームで圧して3Bポップフライ。
10回の投球
10回表は先頭にニック・カステヤーノスに対し、先に100mph超えの4シームを見せた後にスプリッターで抜いて3Bゴロで1アウト。3Bはマンシーに代わっていました。代わった選手のところに打球が飛びますね。
ブライソン・ストットには4シームとスプリッターで幻惑させて最後はゾーン外の98.9mphの4シームで空振り三振。
そしてトレイ・ターナーにはスプリッターを散々見せておいて最後は4シームで圧してRFライナーで3アウト。
3イニングも投げたことにも驚きましたが、これはロバーツ監督も良い決断をしたと思います。なんと言っても3イニング連続で三者凡退です。これはしびれましたね。
佐々木投手は復帰して以降、色気も何もなく、非常に集中しています。ただ捕手のミットをめがけて投げることに全力を傾けているのがよくわかり、誰もが賞賛するいい仕事ぶりです。佐々木投手は3イニングで36球です。
グラスノー、ルーキー時代に戻った!?
ドジャース先発のタイラー・グラスノーですが、良かったですね。久々にこんないいグラスノーは見ました。まるでレイズ時代のルーキー時代の投球のようで荒々しく強いボールが蘇りました。グラスノーは6イニング、83球、2ヒッター、スコアレス、BB 3、SO 8。
なお、グラスノーは途中から腰周辺が痙攣していたようですが、6イニングを投げ抜きました。
クリストファー・サンチェス、さすがの投球
そしてフィリーズ先発のクリストファー・サンチェスも良かったです。ザック・ウィーラーが不在の中、トムソン監督がエースのポジションで起用しただけあって、これはちょっと打てないのもわかる投球でした。6.1 IPで被安打5,失点1、ER 1、BB 1、SO 5。
7回表のアレックス・コールへのインコースの4シームはストライクでしたね。来年からはABSチャレンジが発動するので、ひょっとしたらもし今季も導入されていたとすると違う結果になったかもしれません。
ドジャースがサヨナラ勝利
延長11回裏、フィリーズは10回から起用していたヘスス・ルザルドをそのまま起用。1アウトからトミー・エドマンがシングルを放って出塁。つづくウィル・スミスはCFにライナーを放つも真正面で2アウト、ランナー1塁のまま。これで12回に行くと思いました。
ところがつづくマックス・マンシーが初球のスウィーパーをCFに弾き返し、ドジャースは2アウト2、3塁の大チャンスを迎えます。
フィリーズはここはまだルザルドのままでも!とは思いましたが、オライオン・カーカリングにスイッチ。そのオライオン・カーカリングはフルカウントからキケ・ヘルナンデスに四球。ここはキケがスウィーパーで抜かれて空振り三振という絵しか浮かばなかったのですが、出塁。
2アウト満塁でアンディー・パヘスが打席に。カーカリングはパヘスに対してシンカーを選択。2球目、狙い通りに詰まらせて打球はゴロでカーカリングのもとに。これで3アウトかと思った瞬間。カーカリングは打球が不規則だったのか、ファンブルし、ホームへ送球するも3塁ランナーが生還。ドジャースが予想外の形でサヨナラ勝利を納めたのでした。
ベースを踏んでたか?
傷心のカーカリングをロブ・トムソン監督は強い言葉で激励し、カーカリングをケア。他の選手もカーカリングをケアし、このあたりはさすがフィリーズかと思いました。
VTRで見ると3塁ランナーは踏んでいるかどうか微妙でした。もしチャレンジをしたとするとどうなっていたかわかりません。
試合後、ロブ・トムソン監督の去就に関する話題もありましたが、ロブ・トムソン以外に誰がいるのか!と思いますので、本人の意思があれば当然続投でしょう。実際、10月15日時点でロブ・トムソンの来季の契約は延長されております。
ドジャースはこれでNLCSへ。3日の休みがありますので、またローテーションを整備出来ます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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