LAD-CIN間でブロックバスター・トレード
今オフのここまでの移籍市場でもっともインパクトがあるトレードかもしれません。
現地2018年12月21日、ドジャースとレッズの間で合計7名が動くブロックバスタートレードが成立しました。
しかもドジャースからはプイーグ、ケンプ、ウッドというビッグネームが移籍します。まずは人の動きを整理します。
トレードの詳報
選手の動き
レッズGet
- ヤジエル・プイーグ OF
- マット・ケンプ OF
- アレックス・ウッド LHP
- カイル・ファーマー C
- Cash $7M
ドジャースGet
- ホーマー・ベイリー RHP
- ジョサイア・グレー(Josiah Gray)RHP
- ジーター・ダウンズ(Jeter Downs)SS
背景
プイーグ、ケンプ、ウッドというゲームに出ている選手をトレードに出した目的は1つはロスターを更新して戦力を立て直したいということとペイロール(給与)を削減したいということは明白ではありますが、それをもってどうするのか?ですよね。
ホーマー・ベイリーの$23M
後述のベイリーのところに追記があります。
レッズから移籍してくるホーマー・ベイリーは、2018年は20スタートで1勝14敗、ERA 6.09。
2019年のサラリーは契約としてはマット・ケンプより上の$23.0Mドルのサラリーがあり、契約だから仕方ないことではありますが、これはいろいろなところから批判が出ておりますね。不調の原因は怪我です。
ベイリーは現時点ですでにドジャースでは投げないことになっており、このままリリースとなります。
ただし、2019年のペイロール$23Mと2020年のオプションがあるのをこの時点でバイアウトすると$5Mが発生。計$28Mを支払うことは決定です。球団経営には大胆な決断が必要ですね。ベイリーはFAとなります。
$7Mのセーブ
ベイリーの$28Mを差し引いてもドジャースはこのトレードで$7Mほどセーブできます($7.0Mの金銭分を除いて考えると)。
KEMP(21.5)+Puig(約8.0) + Wood(6.0) +Farmer(0.5) – Baily (28.0)= $7M
贅沢税をセーブ
2019年の贅沢税の金額が$206Mに対して、現時点でのドジャースの2019年のペイロールは$150Mほどです。調停選手の金額などを入れていくと$175Mくらいになるかどうかと見られています。そうすると、$206Mまで約$30Mの余裕が生まれ、ここに誰かを入れる余地が出てきたと、こういうことになります。
場合によっては贅沢税の支払いもいとわないとなるともう少し予算は上積みできますね。
噂
ドジャースがここまでサラリーの余裕を空けた理由の1つが、やはりこの選手獲得の噂ですね。
ブライス・ハーパー
外野手が2人も抜けていることがドジャースも有力な候補であることを物語っています。実際、ハーパーにサラリーを払えるクラブは限られていますし。
さすがにサラリーまではわかりませんが、とんでもない額を提示するかもしれませんね。
リアルミュート、クルーバー、バウアー
仮にハーパー獲得が叶わなかったとしても、グランダールをFAにしているドジャースはリアルミュート(J.T. Realmuto)も視野に入れております。ただ、相手のマーリンズがここぞとばかりに強気なトレード相手を要求しているようなので、実現の可否は状況次第。
むしろありそうなのがコーリー・クルーバー(Corey Kluber)です。FAなので、トレード要員は不要で金銭的な余裕のみ。むしろこちらの方が現実的かもしれません。もしくはトレバー・バウアー(Trevor Bauer)。インディアンスはまだどちらかはトレードに出す選択肢は考えていると思います。
A.J.ポロック
ハーパーがアウトになった場合、DバックスからFAのA.J.ポロック(A.J. Pollock )獲得には参戦しそうです。まだ残っていればという条件が必要ですが。
ドジャースのトレード要員
ドジャースはかなり思い切ったプランも視野に入れています。特に外野手。ジョク・ピダーソンは真っ先に名前が上がってきます。そしてコーディ・ベリンジャー、22才のアレックス・ベルドゥーゴ、26才のアンドリュー・トーレス。
内野も守れるのでクリス・テーラーやエンリケ・ヘルナンデスプロテクトしそうです。
選手プロフィール
選手のプロフィールも簡単にご紹介しておきます。
【CIN】ヤジエル・プイーグ
当ブログは「ヤシエル・プイグ」でなくてすみません。デビュー戦の時に記事を書いたのですが、この時参考にする表記がなくて、実況の音だけで日本語化しました。皆様はプイグでもどちらでもよいかと思います。
この12月に28才になったばかりのプイーグ(Yasiel Puig)は、2013年の衝撃的なデビュー以来、すでに6年が経過しました。デビュー時はどれだけ活躍するのかと驚かされました。
通算686安打、108 HR、331RBI、AVG.279、OBP.353、SLG.478。
まだまだこれから伸びる余地がある選手です。超一流になってもらいたいと思います。
【CIN】マット・ケンプ
5ツールプレーヤーの代表格のような選手だったケンプ(Matt Kemp)も2019年9月で35才を迎えます。ドジャース→パドレス→ブレーブス→ドジャース、そしてレッズと今回で4クラブ目。
キャリア13年で、HR280、RBI 1,005、AVG.286、OPSは.826と8割を超えます。シルバー・スラッガー賞2度、ゴールドグラブ賞2度受賞。オールスターに3度出場。
【CIN】アレックス・ウッド
アレックス・ウッド(Alex Wood)は2019年1月で29才になる左腕。MLB通算8シーズンで52 勝40敗、ERA 3.29。オールスターに1度出場。投げ方が独特で、決してきれいなフォームではありませんが、打者は打ちにくそうです。
【CIN】カイル・ファーマー
カイル・ファーマー(Kyle Farmer)は2019年8月に28才になる捕手。3Bも出来ます。2017年にデビューし、2年間で59試合に出場、AVG.250、HRは0。これからレッズで出場機会を増やしたいところですね。
【LAD】ホーマー・ベイリー リリース予定
ホーマー・ベイリー(Homer Bailey)は2019年5月で33才になるスターター右腕。ドジャースでは上述の通り、投げません。1勝なのに$23Mと結構、非難されていますが、年俸が好投したのはそれなりに理由があります。2004年アマチュア・ドラフト1巡目。
2012年9月29日、2013年7月2日と2年連続でNO-NOを達成しております。ここ4年ほど故障に苦しんでおります。再起なるか。
【追記】2019年2月10日
現地2019年2月9日、ホーマー・ベイリーはロイヤルズとマイナー契約を結びました。スプリング・トレーニング招待選手です。
この記事である通り、ホーマー・ベイリーは一旦レッズからドジャースにトレードされ、ドジャースから2018年12月にリリースとなり、FAとなっておりました。
ロイヤルズで40manロスターに入れば、MLBのミニマムサラリーである55万5,000ドルがサラリーとなります。
もしそうなった場合、ドジャースからサラリーの2,300万ドルに加えバイアウト分500万ドルの計2,800万ドルをもらうため、その中から相殺される形となります。
相殺とはドジャースからホーマー・ベイリーに支払う金額が2,800万ドルから55万5,000ドル分を差し引いた残りの金額となるということで、ロイヤルズの財布に痛みなしということになります。
ベイリーのこの契約はレッズが2014年に6年1億500万ドルを結んだ名残です。
【LAD】ジョサイア・グレー
ジョサイア・グレー(Josiah Gray )は現地21日が誕生日。21才になる右腕です。2018年アマチュア・ドラフトでレッズから2巡目指名のいい投手です。
ドラフト前の動画です↓。
【LAD】ジーター・ダウンズ
ジーター・ダウンズ(Jeter Downs )は2019年7月で21才になるSS。2017甘ビュア・ドラフトのレッズの1巡目指名の選手。コロンビア出身。
これからドジャースがどう動くのか、余計に面白くなってきましたね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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