ガーディアンズの決断
現地2026年3月16日、WBC2026の1次ラウンドの東京で、オーストラリア代表としてそのベールを脱いだガーディアンズのトップ・プロスペクト、トラビス・バザーナ(Travis Bazzana)が、開幕でメジャーロスターには入れないことが明らかになりました。
ただ、開幕ロスターには入れないけれども、メジャー・キャンプにはあと数日間残ります。
開幕ロスター入り濃厚と思われたが・・・
2024年ドラフトの全体1位の23歳のトラビス・バザーナは、WBC前から開幕ロースター入りの可能性を十分に秘めてスプリング・トレーニングに臨みました。
ガーディアンズにはガーディアンズ流スモール・ベースボールの「ガーズ・ボール」を体現する素晴らしい内野手が複数おりますが、その中にあって彼は2Bとして、その打撃力でクラブの長期的な解決策となり得る選手として期待されておりました。
なお、トラビス・バザーナはPre-2026のトップ・プロスペクト・ランクでは17位でした。
2025年のトリプルAでは高出塁率をマーク
2025年はダブルAとトリプルAで計76試合に出場。トリプルAにはそのうち26試合に出場、120打席でSOレートが26.7%とやや高かったものの、BBレートは24.2%と非常に高く、HR 4本を記録。スラッシュラインは.225/.420/.438と打率が低いのが気になるところですが、出塁率の高さは高評価をもらえていい内容でした。
トリプルAである程度の手応えを掴んで、今春に臨んではいました。
2025年のマイナーの成績で気になるところは2024年夏にプロ入りし、プロとしてのフルシーズンを迎えた2025年は出場できていない期間もあり、ルーキー・リーグでの7試合を加えても84試合。さらに2024年のドラフト以降のプロの試合でもハイAで27試合でプロとしてはまだ111試合しか出場しておりません。
期待されたWBC
トラビス・バザーナは2026年3月、母国オーストラリア代表としてWBCに出場。
初戦の台湾戦では2安打、1HRで「おお、さすが!」と思わせた活躍をしましたが、日本戦も含めた4試合の合計は.188/.235..375とあまり良い結果が出ませんでした。
WBCは初見の投手との対戦ばかりでその中でも結果をというのは酷な面もあり、ある程度の修正値を加えて見ておく必要はあるものの、おそらくガーディアンズはWBCでの打席をシーズンを想定して見ていたのではないかとも思います。
なお、WBC前のカクタスリーグでは5試合で.286/.333/.500という成績を残しておりました。
出場させながら成長させるという選択肢もあるものの、まだ現状の2B候補達を凌駕するような圧倒的な存在にはなっていない・・・そう判断したのかもしれません。
そもそものブライアン・ロッキオ
2022年からの流れ
クラブのニックネームがインディアンスからガーディアンズに変わった2022シーズン、直近3年の地区チャンプを落としていたガーディアンズはニックネーム変更後に即地区優勝。ガーディアンズはあくまで3Bのホセ・ラミレスを中心としたクラブですが、このときはつなぎ役と見られた選手が大いに活躍したのでした。
- 2018年: クリーブランド・インディアンス (91勝71敗)
- 2019年: ミネソタ・ツインズ (101勝61敗)
- 2020年: ミネソタ・ツインズ (36勝24敗)
- 2021年: シカゴ・ホワイトソックス (93勝69敗)
- 2022年: クリーブランド・ガーディアンズ(92勝70敗)
スティーブン・クワンやマイルズ・ストローはもはや中心選手としてカウントしていいシーズンでしたが、中でも二遊間のアンドレ・ヒメネスとアーメッド・ロザリオが予想以上に活躍。アンドレ・ヒメネスに至っては打率.300を超え、アーメッド・ロザリオも.280の高打率をマーク。
- 2B: アンドレス・ヒメネス: 打率.303、OBP .375、SLG 482、HR 17、RBI 68
- SS: アーメッド・ロザリオ: 打率.280、OBP .312、SLG .407、HR 11、RBI 69
ロザリオをトレード
翌2023シーズン、ガーディアンズはトレードデッドラインで前年に大活躍したアーメッド・ロザリオをトレードでドジャースに放出。シーズン終了後にFAとなるのを見越してのトレードでした。もったいなかったですね。しかもノア・シンダーガードはもうガーディアンズにはいません。
そして8月以降に空いたSSのポジションに起用したのがブライアン・ロッキオとガブリエル・アリアスでした。
そのロッキオは2024年はSSとして出場。アーメッド・ロザリオを抜けてもまだこんないい選手がいるのか?と驚かされたくらいでした。ただし、それは守備の面。打撃の方は.206/.298/.316、OPS .614と精彩を欠くものでした。
アンドレ・ヒメネスもトレード
アーメッド・ロザリオ、ブライアン・ロッキオとともに二遊間を組んでいたのが、アンドレ・ヒメネス(現ブルージェイズ)。守備の良いヒメネスは2022年のゴールド・グラバーで、上述のように2022年に大活躍。
そして2023シーズンが始まる直前に、7年/$106.5M(2024-2029) でサイン。これは調停の3年間とFA後の4年間をカバーした契約ゆえ、コスト意識の厳しいガーディアンズが珍しく太っ腹な決断をしたなと思わせました。
ただ、そのアンドレ・ヒメネスも2024年12月にブルージェイズにトレード。せっかくの長期契約でしたが、支払いにあまりびくともしないブルージェイズに売り渡し、やはりコスト削減に走ったのでした。
そんな中、ブライアン・ロッキオはますます攻守にわたって活躍が期待され、2025年は主に2Bに回り、守備の負担を軽減してもらいましたが、それでも打撃成績は.233/.290/.340。彼の場合、進塁打もありますので、一概に数字だけで判断出来ませんが、やはりこれは物足りないの一言になります。
ガーディアンズの2B
それゆえにトラビス・バザーナが大きな解決策と思われたのですが、今回はまだ時期尚早と判断したようで見送りとなったのでした。
ガーディアンズのSSは2026年は前年同様にガブリエル・アリアスが入る見込み。
ゆえに2Bは筆頭候補はブライアン・ロッキオではありますが、2025年に経験を積んだダニエル・シュニーマンも有力候補。前年の打率.200前半の2人が争うことになりそうです。どちらがオフェンス面で突破するのか見ものです。
開幕後2週間でメジャーに上がればPPI適用可
かつてはトップ・プロスペクトを1年でも長く膝下に置くため、あえてデビューを遅らせる手法が採られましたが(典型例はクリス・ブライアント)、2026年まで有効の現行のCBA(労使協定)で新たにPPI(プロスペクト・プロモーション・インセンティブ)が導入されました。
これはMLB Pipeline、Baseball America、あるいはESPN(3つのうち少なくとも2つ)によってプレ・シーズンのトップ100プロスペクトと評価された選手が所属クラブの開幕ロースターに名を連ね、しかもROY(Rookie of the Year)を獲得した場合、1巡目以降にプロスペクト昇格インセンティブとして指名権を与えれる制度。
MLS
また、この制度はROYで上位2位以内に入れば、昇格が遅れた場合でも遡及的に1年間のサービスタイムが認められます。
シーズン186日間うち、メジャーで172日間プレーすれば1年分のMLS(サービスタイム)が認められるのです。ゆえにバザーナの場合も開幕ロスターから外れるとは言え、最初の2週間程度でメジャーに昇格すればPPIのサービスタイムの面が有効となります。あとはROYで2位以内に入る活躍が必要ではありますが。
ガーディアンズがどう判断するのか?楽しみではあります。これもレギュラーシーズンが始まって2B候補の2人の打撃成績が壊滅的であればすぐに昇格ということもあり得ます。ロッキオもシュニーマンも必死ではありますが。
どうなるでしょうね?
お読みいただき、ありがとうございました。






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