ブレーブスがブルペンを補強
現地2025年12月11日、アトランタ・ブレーブスはパドレスからFAとなっていた右腕のロベルト・スアレス(Robert Suarez)と3年契約でサインしたことを発表。これはもうオフィシャルでの発表です。
ブレーブスはすでにライセル・イグレシアスとも1年/$16Mでサインしており、今回のディールでさらなるブルペン強化を図ったということになります。
契約内容
現時点で判明している契約内容は以下です。
- 3年/$45M (2026-28)
- 2026:$13M | 2027: $16M | 2028:$16M
こちらはほぼこの内容で固まっていると思われます。AAVは$15M。繰延払いなどはないようです。
これはブレーブスの中では2024年11月にサインしたレイナルド・ロペスとの3年/$30M (2025-27)と似たようなディールえすが、ロベルト・スアレスの方がAAVでは50%ほど高い額になっており、上述したライセル・イグレシアスとのディールでは単価の上ではほぼ同額です。クローザー・ロールが担える投手を$15M近辺で獲得できるのはかなりお得と言えるでしょうね。
R・スアレスはオプトアウトしてパドレスからFA
ロベルト・スアレスの前の契約は2022年11月にFAとしてパドレスとサインした5 年/$46M (2023-27)。これは2026年と2027年にそれぞれ$8Mのプレーヤー・オプションがついており、同時に2025年のワールドシリーズ終了後にオプトアウトできるという条項もついておりました。オプトアウトはこの1回のみ。
今回、ロベルト・スアレスはそのオプトアウトを行使し、FAとなっていました。2026年、2027年の$8M x 2年の計$16Mを放棄したということですね。ただ、今回の契約ではAAVが$15Mなので単価も2倍まで行かずともほぼ倍増したようなものです。単価的にはオプトアウトして成功というところです。
なお、ブレーブスは40manロスターの空きを確保するため、28歳左腕で2025年はロッキーズで投げていたライアン・ロリソン(Ryan Rolison)をDFAとしています。
2026年は35歳となるロベルト・スアレス
ロベルト・スアレスはベネズエラ出身で、誕生日は1991年3月1日。現時点で34歳ですが、2026年は35歳で開幕を迎えることになります。
ロベルト・スアレスと言えば、阪神のクローザーとして有名ですね。その前ですが、ベネズエラ出身ということで10代で海外FAとしてメジャーと契約する選手が多い中、ロベルト・スアレスはそこから漏れた選手でもあります。
20歳で一旦野球を辞め、建築現場の作業員やタクシーの運転手として働いていたものの、野球への情熱が消えることはなく、その後、2014年にメキシコにわたり、2015年にメキシカン・リーグのチームとサイン。これが10年前のことです。
メキシコ→NPB
2015年、メキシカン・リーグではトリプルAレベルで43試合に登板し、ERA 1.71をマーク。そして2016年、ソフトバンクに移籍。58試合に登板し、ERA 3.19をマーク。2017年はWBCでベネズエラ代表として投げ、この時に右前腕部を痛めて大会から離脱し、その後の精密検査で右肘に異常が見つかり、2017年4月にトミー・ジョン手術を実施。2018年8月終わりに一軍に復帰。11試合でERAは6.30と奮いませんでした。
2019年は9試合で0勝4敗、ERA 5.74。オフにソフトバンクから戦力外となり、自由契約に。
2019年12月に阪神と契約。阪神ではご承知の通り、輝きました!2020年は51試合でERA 2.58、SV 25。そして2021年は62試合でERA 1.16、SV 42。NPBではこれが最後となりました。
2021年11月30日にパドレスとサイン。1年/$11M (2022)+ 2023 $5M プレーヤー・オプション($1Mバイアウト)という内容でした。
傷心デビュー
2022年、31歳にしてメジャー・デビューとなったロベルト・スアレス。そのデビュー戦はドキドキものだったのを覚えています。4月7日のDバックス戦、パドレスはダルビッシュ投手が先発し、6イニングをBB 4、ノーヒットノーランという素晴らしい投球で降板。攻撃陣も3回、4回に1点ずつ挙げ、2-0とリード。ダルビッシュ投手降板後はティム・ヒル、ピアース・ジョンソン(元阪神)と繋いだパドレスは9回にロベルト・スアレスを投入。
しかし、ロベルト・スアレスは緊張していたと思われ、いきなり2者連続で四球を出す大ピンチ。この後、ワイルド・ピッチで進塁を許し、カーソン・ケリーに死球を当て、ノーアウト満塁。ここでロベルト・スアレスは降板。クレイグ・スタメンに交代しました。
なお、クレイグ・スタメンは2026年からの新監督でもあります。
そのクレイグ・スタメンはワイルド・ピッチで1点を失った後、セス・ビアーに3ランHRを許し、なんとパドレスは2-4で大逆転負け。ランナーは全てロベルト・スアレスが出していたため、ロベルト・スアレスに自責点が付きました。このように初登板はほろ苦デビューとなったのでした。
2戦目にもHRを浴びるなどスタートはピリッとしなかったロベルト・スアレスですが、その後は落ち着きを取り戻し、2022シーズンは45試合、47.2イニングを投げ、5勝1敗、ERA 2.27をマーク。SOレートは31.9%でこれは2025年終了後もキャリアハイの数字でした。この年はデビュー戦の大失態もあり、セットアップロールに終止しています。
ロベルト・スアレスは2022年終了後にプレーヤー・オプションを拒否。市場に出ました。その時にサインしたのが上述の契約です。
2023年シーズン、やはりセットアッパーとして臨んだこのシーズンは26試合で4勝3敗、ERA 4.23と割と平凡な数字でせした。この年、パドレスはポストシーズンを逃しています。Dバックスがワールドシリーズに進出したシーズンでもありました。
22024年、ロベルト・スアレスの投球は好転。この年はクローザー・ロールとして機能。36セーブを記録し、オールスターにも出場。65試合、65.0イニングを投げて9勝3敗、ERA 2.77、SO 59を記録。
またポストシーズンでは3回登板し、いずれも無失点に抑え、その過程で2セーブを獲得したが、守るべきリードがそれほど多くなかったため、2シリーズでわずか3.1イニングの登板となりました。
アンタッチャブルだった2025年序盤
2025年、ロベルト・スアレスは素晴らしいシーズンを過ごしました。開幕から最初の6試合はヒットさえ打たせず、失点、自責点0を開幕から11試合連続で記録。
この年は大谷選手に死球を与えたシーズンでもあります。これが現地2025年6月20日の出来事でした。
その後、オールスターでも大谷選手と会ってなんとか関係は悪くならなかったようですが、そんな2025年は70試合、69.2イニングで4勝6敗、ERA 2.97、SV 40、SO 75を記録。FA市場に出るのも無理はないですね。
ブレーブスではセットアップロールか
上述のようにブレーブスに既にライゼル・イグレシアスと再契約。ウォルト・ワイス新監督は彼をクローザーとして起用し、ロベルト・スアレスをセットアッパーとして起用する見込みです。このゲーム終盤の2人はなかなか強力です。
ブレーブスの贅沢税上のサラリー
ロベルト・スアレスのAAV $15Mを加えてブレーブスの贅沢税上の40manロスターの見込みサラリーは$235Mに。基準値は$244Mですから、ブレーブスはまだスペースがあります。
ブレーブスは2023、2024年と贅沢税の基準値を超えましたが、2025年は基準値内に抑え、一旦はリセット完了。POBO(President of Baseball Operations)のアレックス・アンソポロスはSSにマウリシオ・ドゥバンを入れ、OFはマイク・ヤストレムスキー獲得。まだ控え野手、そして投手陣の補強を模索しております。
かなり固まってきているブレーブスではありますが、投手の補強は引き続きやっていきそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。







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