メッツ、即座に動く!
現地2026年1月16日、ニューヨーク・メッツはトロント・ブルージェイズからFAとなっていたSSのボー・ビシェット(Bo Bichette)と合意に至りました。
メッツはカイル・タッカーの争奪戦でドジャースに敗れましたが、その約半日後に即座に方向転換を図りました。
契約内容
メッツとボー・ビシェットとの契約内容はご覧の通り。
- 3年/$126M (2026-2028)
- 2026、2027年ワールドシリーズ終了後にオプトアウト可
- オプトアウトの場合のボーナス:$5M(バイアウトと同じです)
- ノートレード条項あり
- 繰延払いなし
AAV 42Mドル
今回の両者のディールは割とシンプルで、1998年3月5日生まれのボー・ビシェットは2026年の開幕は28歳。よって再び市場に出て長期契約を狙うオプトアウト付きとなっています。
本人とすればこの時点で長期契約に持ち込みたかったのでしょうが、他の要素もあり、なかなか決まらなかったため、ショート・タームで一旦は手打ちにしたというようなディールです。スプリング・トレーニングまでずれ込んでしまうとシーズンにまで影響しますから、これはもうビシェット側も懸命な判断であったというべきでしょう。
ビシェットのエージェントはCAA Sports。
フィリーズを突き放す
ブルージェイズは再契約に消極的
ボー・ビシェットが当初望んでいたのはブルージェイズとの再契約でした。おそらくファンも同じだったでしょう。
しかし、今オフのブルージェイズは2025年のワールドシリーズであと2アウトでチャンプを逃したのがよほど悔しかったと見て非常に積極的。ディラン・シーズ、コディー・ポンス、タイラー・ロジャース、岡本選手と次々にFA選手とサイン。
また、ブルージェイズにはアンドレ・ヒメネスという名手がいて、彼は2025年にビシェットがハムストリングスを傷めて離脱している間にSSを守り、そしてポストシーズンでもそうであったようにSSを守りつつ、強力打線の下位にありながら上位へつなぐいい働きを見せました。よってブルージェイズはSSはもう彼で行くというふうに決めたのかもしれません。
さらにブルージェイズは同じ2世選手としてゲレロ・Jr.と14年/$500M(2026-2039)の延長契約でサイン。ゲレロ・Jr.はシルバースラッガー賞2度など輝かしいアウォードがあり、大谷選手を意識した内容で非常に高額となりました。ビシェットにはそのような際立ったアウォードはないまでも、AL最多安打2回という実績はあります(右打者で2021年は191安打、2022年は189安打で1位)。したがってゲレロ・Jr.のディールまでは行かずとも、$300Mくらいはいるかもとは予想しましたが、ブルージェイズはその資金をカイル・タッカーに回そうとし、カイル・タッカーのディールが決まってから判明したのは10年/$350Mを提示したということでした。
もはやビシェットは流出已む無しという考えだったように思います。
フィリーズをひっくり返す
そんなビシェットに感心を抱いたのは、メッツの地区ライバルのフィリーズ。ビシェットは1月12日から始まる週の初めにフィリーズとインタビュー。フィリーズは7年/$200Mのオファーを提示したと言われています。
他にアレックス・ブレグマンを逃したレッドソックスもビシェットにオファーするか?という噂も出ました。ただ、ブレグマンのディールが決まった時点ではフィリーズが一歩リード。
タッカーの状況次第でフィリーズとディール成立なるか?と思われましたが、タッカーのディールで失敗したメッツはビシェットの年齢も考え、もう一度市場に出る機会を設ける上記の契約で勝ち取りました。
2025年、TORの強力打線を支えたビシェット
ボー・ビシェットは2016年のブルージェイズの2巡目指名。父はダンテ・ビシェットでエンゼルスでデビューし、キャリアの大半はロッキーズで過ごし、最後はレッドソックスでキャリアを終えた名OF。通算1906安打。
そのビシェットは高卒でドラフト指名され、2019年に21歳でメジャー・デビュー。そして素晴らしかったのは上述した2021年、2022年で右打者でありながら200安打に手が届きそうな安打数をマーク。2023年にも175安打を放ちました。
2024年に初めて苦戦
順調そのものだったボー・ビシェットですが、2024年に試練が訪れます。開幕から不調が続き、6月には右ふくらはぎを傷めてIL入り。7月には同じ箇所の痛みが再発。9月20日には右手中指を骨折し、キャリアワーストの成績でシーズンを終えました。81試合で打率.225、HRはわずか4本、RBI 31、OPS+は71。
2025年に爆発
そんなビシェットですが、2025年シーズンの開幕には怪我も完治し、SSとして先発出場。4月末までの30試合で打率.295、38安打を記録。ただ、その間はHRは0。シーズン初HRが出たのは5月3日のガーディアンズ戦で、実はその前にHRを放ったのは2024年5月27日でしたからほぼ1年HR無しの状態が続いていたという今となっては考えられないほど2024年のスランプは深刻でした。
2025年は5月28日に背中のハリで休んだもののILとはならず。その後も打ち続けたビシェットは9月6日時点で181安打、.311/.357/.483、OPS .840と驚異的な活躍を見せ、ブルージェイズ打線を牽引。
しかし、シーズンの重要な局面の9月9日に左膝の捻挫でIL入りに。これは9月6日のヤンキース戦で本塁に突入した際に発症した怪我でした。
結果、2025年は139試合に出場し、打率.311、HR 18、RBI 94を記録し、安打数は181で、うち二塁打数は44でリーグトップ。OPS+は127で、最初の5シーズンの活躍レベルに戻ったのでした。
そしてポストシーズンに間に合い、ドジャースとの死闘に参加しました。
メッツでは3B
ビシェットを獲得したメッツは彼を3Bで起用する見込み。メッツは3Bが安定していませんでした。2024年に活躍したマーク・ビエントスが打率.233と低迷。
メッツは2Bにすでに今オフ、レンジャーズからマーカス・セミエンをトレードで獲得。SSはアンドレ・ヒメネスでこの二遊間はかなり盤石。
そしてビシェットは3Bでブレット・ベイティーと競うことになりそうです。1Bはマーク・ビエントスと今オフ、マリナーズから獲得したホルヘ・ポランコが競いそうです。
現時点ではホルヘ・ポランコはDHメインですが、ここは柔軟性を以て起用しそうです。
TORの内野
なお、ビシェットが抜けたブルージェイズの内野ですが、SSはアンドレ・ヒメネス、2Bにアーニー・クレメントが入り、3Bは現時点では岡本選手。1Bはゲレロ・Jr.ですからちょっと動かせませんね。
メッツの贅沢税
ふんだんな資金のあるメッツは閾値$244Mに対してすでに$336Mに達しているという状況。これはビシェットのAAV $42Mを加算した状態。いずれにせよ、メッツは閾値超えはそもそも確定で、あとはどれくらい超えてくるか?ですが、もうすでに$60M超えの$304Mは超えていて、しかも2022年からはずっと超過ですので、超過$20M、$40M、$60Mを超えた各Tierで最高税率が課せられ、ドラフトは最高順位が10個下がります。
また、ビシェットはQOを提示されて拒否してFAとなっていますので、メッツにはペナルディーがあります。
贅沢税の閾値超過のメッツはドラフト2番目と5番目に高い指名権が没収され、次の契約期間のインターナショナルボーナスプールから$1M分を失い、さらにQOを拒否したディラン・シーズも獲得しているので、3番目と6番目の指名権も没収されます。
なお、ブルージェイズには補償があり、ただしブルージェイズも2025年は贅沢税が超過していますので、Round 4終了後にドラフト指名権が付与されます。
メッツはまだFA選手を獲りに行くでしょうね。
お読みいただき、ありがとうございました。





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