19Mドル vs 32Mドル
2026年のサラリーの行方が調停に持ち込まれていたタリク・スクーバル(Tarik Skubal)。2年連続サイ・ヤング賞を受賞した左腕は非常に強気に出ていました。$19Mを提示したタイガースに対し、スクーバル側は$32Mを主張。
かつて聞いたことのない$13Mものギャップにどういう裁定が下るのか、スクーバルの2026年のトレードの動向も含めて大いなる関心が寄せられていました。あまりのギャップゆえに結論は長引くのかと思われていたのですが、現地2026年2月5日、ESPNのジェフ・パッサンさんの情報ではその結果が出ました。タリク・スクーバル側が大勝利を収め、2026年のサラリーは$32Mとなりました!
調停のプロセス
ここで調停のプロセスを簡単に書いておきます。
まず調停ステータスはMLS(メジャーリーグ・サービスタイム) 3年から6年未満ということは周知の事実かと思います。中にはスーパー2と言って2年以上3年未満でも調停のステータスに到達する選手もおりますが、そこは一旦置いておいておきます。
よく「調停を避けて〜$Mでサイン」というのは調停まで行かずに双方で合意した結果を言います。調停のプロセスは以下となります。
- 期限:契約が締結されない場合、クラブと選手は通常1月に次のシーズンのサラリーを交換し合います。
- 審問:ヒアリングでは3名の独立した仲裁人で構成される委員会が、選手の価値に関する双方の主張を審理。
- 調停のファイナル・オファー :仲裁人は、選手が提示した年俸か球団が提示した年俸のいずれかを選択。中間の提示は認められません。※ここは筆者も認識が違っておりました(失礼しました)。フランバー・バルデスの記事でタリク・スクーバルのことに触れて$25Mくらいになるか?と書いておりましたが、中間での着地はないということです。
サイ・ヤング賞2年連続が効いた
タリク・スクーバルの2025年のサラリーは$10.15M。$19Mを提示したタイガースはいわば調停ステータスのエリート投手の水準でした。これでも87%を上回る昇給額で、決して悪い額ではありませんでした。
調停の年俸は、同程度の年俸水準の類似選手を基準としますが、スクーバルは調停のファイナル・イヤーを迎える投手ということで、FAの投手のサラリーと比較することができました。彼の$32Mのサラリーはディラン・シースがブルージェイズと結んだ7年/$210MドルのAAV $30Mとほぼ同額です。
スクーバルの歴史的な2シーズン連続でのサイ・ヤング賞受賞が効いたというところでしょう。
これは画期的な判決であり、フアン・ソトの記録である3100万ドル(調停資格のある選手としては史上最高額)を僅差で上回り、デビッド・プライスが長年保持してきた調停資格のある投手としての記録を完全に塗り替えました。偶然にも、プライスもこの記録を樹立した当時タイガースに所属していましたが、両者は審問を必要とせずに合意に達し、2015年シーズンの年俸は1975万ドルで合意しました。この記録はその後10年以上破られることになりました。
調停では過去最高額
今回のタリク・スクーバルの$32Mは調停ステータスとしては史上最高額の契約となりました。これまではフアン・ソトが2024年にヤンキースと交わした$31M。エンゼルス時代の大谷選手は第3位です。
ムーキー・ベッツが2020年にレッドソックスとサインした$27Mは当時としては史上最高額でしたが、ご覧のようにその後はそれを上回る額の選手が誕生しました。
| Name | Year | Amount |
|---|---|---|
| 1. タリク・スクーバル(DET) | 2026 | $32M |
| 2. フアン・ソト(NYY) | 2024 | $31M |
| 3. 大谷翔平 (LAA) | 2023 | $30M |
| 4. ゔラディミール・ゲレロ・Jr.(TOR) | 2025 | $28.5M |
| 5. ムーキー・ベッツ(BOS) | 2020 | $27M |
今後の調停ステータスの選手にも影響
今回の破格となったディールは今後の調停ステータスの選手のサラリーに大きな影響を与えそうです。特に近い将来ではパイレーツのポール・スキーンズが調停ステータスになった場合に選手側により有利は判例を作ったとも言えるでしょう。
タイガースはFAはフィニッシュか
もしタイガースが審理で勝っていれば、ロースターにFA選手を追加する選択肢も増えたと思います。しかし、フランバー・バルデスとも合意したタイガースはこれでほぼオフの主要な仕事は完成したという見ていいでしょう。
2026シーズン途中にトレード、あるいは2026年オフにFAでタリク・スクーバルが流出したとしてもタイガースはフランバー・バルデスを獲得しているので、彼でリカバリー出来る体制を整えてはおります。
トレードはあるか?
タイガースの幹部は、タリク・スクーバルのトレードを否定していますが、果たしてタイガースがコンテンダーでなくなった場合にトレード・デッドラインでどう動くのか?これは注目に値します。
タイガースはリース・オルソン、ジャック・フラハーティ、ケイシー・マイズが2026年オフにFA。今回の調停での勝利は今後のプロスペクト達のディールにも影響するのは間違いないところです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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