メッツがトレードをまとめる
現地2026年1月20日のことなりますが、ニューヨーク・メッツとホワイトソックスの間でトレードが成立。かつてホワイトソックスでとんでもないスターの予感を感じさせたルイス・ロバート・Jr.がメッツに移籍することになりました。
怪我のルイス・ロバート・Jr.ということで一旦はスルーしていたのですが、メッツからホワイトソックスにはブレーブスのロナルド・アクーニャ・Jr.の弟、ルイスアンヘル・アクーニャが動き、さらにトルーマン・ポーリーというハーバード大卒の投手も動くということですから、遅くなりましたが、改めて記事にしたという次第です。
トレード概要
このトレードで動くのは計3名。
メッツGet
- ルイス・ロバート・Jr.(Luis Robert Jr./28)CF | B/T: R/R
ホワイトソックスGet
- ルイスアンヘル・アクーニャ(Luisangel Acuña/24) 2B, SS or 3B | B/T: R/R
- トルーマン・ポーリー(Truman Pauley/22) RHP
ホワイトソックスはついに決断
ルイス・ロバート・Jr.とは
キューバ出身のルイス・ロバート・Jr.は2017年5月にアマチュアFAとしてホワイトソックスとサイン。かなりの有望株として注目を集めていました。サイニング・ボーナス(契約金)はなんと$25M!これはレッドソックスがヨアン・モンカダに支払った$31.5Mに次ぐ高額契約となりました。今はサイニング・ボーナス・プールといういわゆる年間の契約総額の上限がありますが、当時はこうやって釣り上がることができたわけです。
ホワイトソックス入団後は傘下のドミニカサマーリーグのDSLホワイトソックスに所属。28ゲームで3HR、14 RBIと活躍しました。
2018シーズンはシングルA、シングルA+、ルーキーリーグ(一時的)そしてアリゾナ・フォール・リーグに参加。
2019年はシングルA+からスタートし、ダブルA、トリプルAを経験。3つのレベルを合わせて、122試合に出場し、503打数165安打、打率 .328、OBP .376,SLG.624、 HR 32、RBI 92、二塁打 31、盗塁 36、四球 28、三振 129。
トリプルAでのHRは16本。2019シーズンのトリプルAのHR数はジュースド・ボールを使用していたため、かなり割り引いて考えなければなりませんが、5ツールぶりがよくわかる成績でした。このオフ、ルイス・ロバート・Jr.は2019 Minor League Player of the Year awardを受賞。
デビュー前に延長契約
そしてホワイトソックスはデビュー前の2020年1月に6年/$50M (2020-25),+ 2026-27 クラブオプションでサイン。オプションはそれぞれ$28Mでバイアウトは($2M)。
綺羅星のようにプロスペクトがひしめいたCWS
当時、ホワイトソックスは明るい未来しかありませんでした。クリス・セールとのトレードでヨアン・モンカダとマイケル・コペックをレッドソックスから獲得。まさに将来の内野の要とエース候補でした。
同じくキューバ出身のエロイ・ヒメネスもおり、さらにモンカダがSSを守ると思われたところにチーム内でも競争が起こり、ティム・アンダーソンが台頭。1Bには重しのようにベテランのホセ・アブレイユがいて、さらには2019年のドラフトでは強打のアンドリュー・ボーンを指名。
これだけの人材がいて誰が今のホワイトソックスの苦戦を予測できたでしょうか?
筆者も2020年からのホワイトソックスにかなりの期待を寄せてしまいました。
相次ぐ怪我
ルイス・ロバート・Jr.は素晴らしい選手には違いありません。
ルーキー・イヤーの2020年には60試合シーズンながらHR 11本を放ち、ROY投票で2位に入り、守備ではゴールド・グラブ賞も受賞。2023年にはHR38本、.264/.315/.542、OPSに .857、RBI 80をマークし、夏にはオールスターに出場、シルバースラッガー賞も受賞し、MVP投票では12位に入りました。
ただし、「怪我がなければ」の話です。ルイス・ロバート・Jr.は上述の2023年の年間145試合出場がキャリア・ハイで、2021年は68試合、2022年、2024年、2025年はそれぞれ100試合前後の出場。
- 2020年8月:ハンドイシュー。ただし長期化せず。
- 2021年4月:体調不良(しばし、欠場)。
- 2021年5月:1塁への駆け込み中に右股関節屈筋を完全断裂。5月27日に60日間の故障者リスト入りし、約3ヶ月間欠場した後、8月9日に復帰。
- 2022年4月:鼠径部を傷め、出場と欠場を繰り返す
- 2022年7月:視界がぼやけ、10 Days IL入り
- 2022年9月:9月後半には左手首の捻挫でシーズンを終える
- 2023年4月:ハムストリングス・イシュー.
- 2023年5月: 股関節
- 2023年7月:ふくらはぎ
- 2023年8月: 指
- 2023年9月: 太もも
- 2023年9月: 膝を捻挫
- 2024年4月:5日のロイヤルズ戦で一塁を回った際に右股関節の屈筋群にグレード2の肉離れを起こして翌日からIL入り。約2ヶ月間離脱して6月4日に復帰
- 2025年8月:26日のロイヤルズ戦で一塁への走塁中に左ハムストリングを痛めて10 Days IL入り
活躍した2023年においても小さな怪我が目白押しで、なんと言っても下半身の股関節周りの怪我が多く、その点では野球選手としてはものすごく成長にブレーキをかけていると言えるでしょう。
下半身の怪我はもはや恒例となっています。
2024年の成績は.224/.278/.379、HR14、2025年は.223/.297/.364、HR 14。度重なる怪我が響き、2025年はまだ27歳だったのですが、成績の低下が見られています。
ホワイトソックスとすれば2023年終了時に売るチャンスはあったのですが、そのタイミングで思い切ることが出来ず、その後の2年間はぱっとしない成績となってしまいました。
メッツのOF
メッツのOFはRFはフアン・ソトで決まり。ルイス・ロバート・Jr.はCFが見込まれ、タイロン・テイラーとポジションを争うことになりそうです。タイロン・テイラーの2025年は.223/.279/ .598、HR 2。
環境が変わって大化けする選手もいますから、とにかくヘルシーであることを祈るばかりです。
(CWS)ルイスアンヘル・アクーニャ
ただ、ホワイトソックスはそんな低調に陥っているルイス・ロバート・Jr.に代わり、期待のルイスアンヘル・アクーニャを獲得出来ました。しかもルイス・ロバートの2026年の$20Mのサラリーを削減出来、その資金でクローザー候補のセランソニー・ドミンゲスまで獲得出来たといういいことづく目のディールです。
そのルイスアンヘル・アクーニャはベネズエラ出身で2018年にアマチュアFAでレンジャーズとサイン。2019年に17才でドミニカ・サマーリーグでプロデビュー。パンデミック明けの2021年にクラスAに昇格し、.266/.345/.404、HR 12をマーク。
2022年にハイAで開幕を迎え、すぐにダブルAに昇格。ダブルAでは.224/.302/. 349、HR 3。秋にはアリゾナ・フォール・リーグにも参加。
2023年はレンジャーズのダブルAで84試合に出場し、362-114、.315/ .377/ .453、HR 7 、RBI 51、SB 42 をマーク。そして同年7月末にレンジャーズがマックス・シャーザーを獲得したトレードでメッツに移籍。
メッツ移籍後はダブルAで37試合に出場し、.243/.317/.304をマーク。
そして2024年についにメジャー・デビュー。同年は14試合ながら、打率.308、HR 3本をマーク。2025年は出場機会も増え、95試合で.234/.293/.274、HR 0でした。
補強で出場機会減が明白に
3Bの弱いメッツはルイスアンヘル・アクーニャも候補の一人でした。しかし、メッツは今オフ、ボー・ビシェットを獲得。2Bにはマーカス・セミエン、SSはフランシスコ・リンドーア、3Bはボー・ビシェットということで内野のユーティリティーでもあるアクーニャの出場機会は著しく減ることが明白となり、トレード・ターゲットになっていました。2025年の成績がぱっとしなかったのもその要因でもあります。
ホワイトソックスでもライバルはひしめく
非常にセンスのある選手というのがルイスアンヘル・アクーニャですので、心機一転ホワイトソックスで頑張ってもらいたいところです。
ライバルを見ますとホワイトソックスはSSにコルソン・モンゴメリーがおり、2Bもしくは3Bでの出場が予想されます。そうなると元ドジャースのミゲル・バルガスや2Bのチェイス・メイドロス、レニン・ソーサらとの争いとなりそうです。もしもアクーニャがOFも守るとすればホワイトソックスにはブレーデン・モンゴメリーというとっておきのプロスペクトがおりますので、なかなかハードルも高いです。
いずれにせよ厳しい戦いを強いられるので、スプリング・トレーニングからいい成績が出れば良いなと思います。
(CWS)トルーマン・ポーリー
#WhiteSox trade acquisition: RHP Truman Pauley
— Adrian White (@AdrianWhiteSox) January 21, 2026
22-year-old @HarvardBaseball Fastball touches 96 mph w/ carry, slider in the low 80s. Bat-missing traits with command refinement ahead. #Mets over-slot 12th-round pick ($400K), raw stuff gives him real upsidepic.twitter.com/iMyQYh2DTj
もう一人、メッツからホワイトソックスに移籍するのは右腕のトルーマン・ポーリー。ドラフトは2025年の12巡目指名。ハーバード大卒というこれまたすごいすごい経歴の投手です。
メッツのデビッド・スターンズGMはポーリーに価値を見出したようで、サイニング・ボーナスはは$0.4Mで12巡目指名選手の中での3番目の高額契約となりました。
ハーバード大学で2シーズンを過ごし、2025年シーズンには14試合中12試合で先発し、70.1イニングを投げ、ERA4.61、WHIP1.28、奪三振91を記録。この奪三振が注目を集めたポイントです。ただ、2シーズンで114.1イニングを投げ、BB数は89ゆえ、大いに改善の余地ありのところもあります。
2025年はプリンストン大学戦では9回までノーヒットノーランを続け、コロンビア大学戦ではアイビーリーグトーナメント記録となる13奪三振を記録。機械工学を専攻しながら、アイビーリーグのオールスターチームに選出され、アイビーリーグ・オールトーナメントチームにも名を連ねた投手でもあります。
ドラフト後はクラスAにアサインされ、3試合に登板し、4.1イニングで3奪三振でERA 2.08。
ブレント・スーターにようにメジャーで活躍するのか、楽しみでもあります。
お読みいただき、ありがとうございました。





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