アンソポロス、SSも獲得
GMミーティングでSSとスターターを優先順位の高い補強ポイントとして挙げると宣言していたブレーブスのアレックス・アンソポロスPOBO(President of Baseball Operations)兼GMですが、現地2025年11月19日に急遽、ブルペン補強でライセル・イグレシアスと再契約したのは先の記事にも書かせていただきました。
同日、そのあとに宣言通りにSSを補強。アストロズからマウリシオ・ドゥバンを獲得するに至りました。
トレード概要
このトレードは1:1です。
ブレーブスGet
- マウリシオ・ドゥバン(Mauricio Dubón/31)SS/2B/OF | B/T: R/R
アストロズGet
- ニック・アレン(Nick Allen/28)SS/2B | B/T: R/R
SSの決め手がいなかったブレーブス
WS制覇からのSSの経緯
やや古い話になりますが、2021年にワールドシリーズを制覇した時のブレーブスのSSと言えばダンスビー・スワンソン。今はカブスにおりますが、その守備たるや本当に鉄壁。2021年には打率.248、HR 27、RBI 88を記録。もともとはDバックスが全体1位で指名した選手ですけども、もはやブレーブスでキャリアを終えるのかと思われました。
そのダンスビー・スワンソンが2022年オフにFAに。その時のオフは「SSビッグ4」と呼ばれるくらいSSが大量に市場に出て、スワンソンのほか、カルロス・コレア、ザンダー・ボガーツ、トレイ・ターナーが注目の的でした。それでスワンソンを射止めたのがカブス。
守備ではセンターラインの中核で打撃でも大きく貢献してきたスワンソンを失ったブレーブスはSSをなんとかしないといけなくなりました。
2023-2024年はオーランド・アルシアが力を発揮
2023年から遡ること2年。2021年4月にブレーブスはチャド・ソボトカ(Chad Sobotka)とパトリック・ワイゲル(Patrick Weigel)を出してブルワーズからオーランド・アルシアを獲得。オーランド・アルシアはブルワーズのSSとしてバリバリに活躍。筆者も大いに期待していたSSでした。ところが、ブルワーズはアルシアをブレーブスにトレード。確かに2018、2019年と打率が.230前後とやや打撃面が落ちた面もありました。
2023年、SSの空いたポジションを大いに埋めたのがこのオーランド・アルシア。139試合に出場し、.264/.321/.420、OPS .741、HR 17、RBI 65をマーク。アルシアは2024年も157試合に出場。HRも17本を放ち、前年と同じ数字だったのですが、そのほかは.218/.271/.354、OPS .625と成績は降下。
2025年は開幕して2ヶ月で.194/.219/.226、OPS .445とさらに降下。ただでさえ、ロナルド・アクーニャ・Jr.が開幕に間に合わなかった状況でブレーブスの苦戦の原因の一つとなってしまい、5月23日にDFA,25日にリリースとなり、28日にFAとしてロッキーズとサインしたのでした。
2025年はニック・アレン
アルシアが不在となったあと、メインでSSを守ったのがニック・アレンで、計130試合に出場し、なんとか守りでは貢献したのでした。
マウリシオ・ドゥバンでSSを埋める
そして今回トレードで獲得したのがマウリシオ・ドゥバン。31歳のマウリシオ・ドゥバンは2022年途中からアストロズで4シーズン在籍。
もともと2013年のアマチュア・ドラフトでレッドソックスから26巡目で指名されたマウリシオ・ドゥバンは2016年12月にレッドソックスがタイラー・ソーンバーグを獲得し、トラビス・ショーを出したトレードの1員としてブルワーズに移籍。ブルワーズではトップ・プロスペクトとして非常に期待されておりましたが、2019年のトレード・デッドラインでブルワーズがドリュー・ポメランツとレイ・ブラックを獲得した際にジャイアンツへ移籍。
ジャイアンツではすぐにゲームに出ましたが、SSには名手ブランドン・クロフォードがいましたのでバックアップロールに近い出場でした。ジャイアンツ移籍後はあのカイ・コレアが手塩にかけて育てた内野手でもあります。
ただ、名手のバックアップで出場機会を探るうちにもともとはSSでセンスのある選手でしたから、ほかのポジションも兼任。これが後に花開くこととなります。
現地2022年5月14日、ジャイアンツはドゥバンを出して、キャッチング・プロスペクトを獲得。 マウリシオ・ドゥバンはその甘いマスクなどもあり、ジャイアンツではとても人気のある選手でしたのでこのトレードはジャイアンツ・ファンから悲鳴が上がるほど衝撃的なものでした。
アストロズでユーティリティとしてGG賞2度
マウリシオ・ドゥバンは移籍翌年の2023年から大ブレーク。.278/.309/.411、OPS .720をマークすると、2024年も.269/.296/.361、OPS .657を記録。2025年はやや落ちましたが、.241/ .289/ .355、OPS .644をマーク。出塁率はとりわけ高くはないですが、進塁打を含めチームに貢献する打撃を披露。まさにつなぎとして大いに機能しました。
守備では1B以外内野の3つのポジション全てを守り、CFとLFもこなし、ユーティリティとしてゴールドグラブ賞を2度受賞(2023/2025)。
決して打撃がとりわけ素晴らしい訳ではありませんが、それでも2025年にHR 0だったニック・アレンよりは期待できます。
ブレーブスの場合、ロナルド・アクーニャ・Jr.、オースティン・ライリーなど中心打者がいるので彼らが結果を出しやすい動きは十二分に可能ではないかと思われます。
マウリシオ・ドゥバンのMLSは2026年1月で5.162。FA前のファイナル・イヤーです。ブレーブスはこの1年はコントロール下に置くことが出来ます。
ニック・アレンはINFのユーティリティ・ロール
アストロズに移籍するニック・アレンは内野のバックアップ・ロールになると思われます。カルロス・コレアを取り戻したアストロズは、ジェレミー・ペーニャ、アイザック・パレデス、クリスチャン・ウォーカーと4人が決まっております。ホセ・アルトゥーベをOFとして登録するくらいですから。
バットがあまり期待できないだけにゲーム後半の守備固め、延長に入った場合に打席にも入り、そこでどれだけいい働きができるかにかかっている感じです。
2021年の東京五輪のUSA代表ですね。頑張ってもらいたいです。
お読みいただき、ありがとうございました。





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