試合開始3時間前に全てが変更される!
ちょっと驚きましたね。まったく無警戒だったというか、大谷選手が急遽、先発しました!
現地2025年9月5日、ロード・トリップの真っ最中のドジャースはこの日からボルチモアに飛んでのオリオールズ戦です。
タイラー・グラスノーが登板回避
大谷選手は現地2025年8月27日のレッズ戦で初勝利を上げた後、現地9月3日(水)のパイレーツ戦の先発が予定されておりましたが、当日に風邪による胸の痛みで登板を回避。ただ、同日は打者としては出場し、2安打、1ダブルをマークしたものの、チームはシャットアウト負け。
次の登板は9月8日のこのロード・トリップが終わった後のドジャー・スタジアムでのロッキーズ戦が予定されておりました。
ところが、試合開始3時間前に全てが変更されました。この日、先発予定であったタイラー・グラスノーが背中の張りで登板を回避せざるを得なくなったのです。
タイラー・グラスノーは前回登板の8月30日のDバックス戦で、シーズン最多タイの7イニングを投げ、被安打4、失点3、ER 3、BB 0、SO 6、HR 1とゲームメイクし、QSも達成。まずまずの好投を披露しました(この日はチームは1-6で敗戦)。ところが、4日(木)夜から背中の張りを発症し、これが先発当日の5日の朝も継続。仕方なく、この日はスクラッチ(緊急回避)となったのでした。
ちなみにグラスノーは今季、14試合の先発でわずか1勝しか挙げていませんが、7月9日に右肩の炎症から復帰して以降は、9試合に先発して50.2イニングを投げ、ERA 3.02、SO 58と好投しておりました。この日もゲームメイクを期待していただけに残念でした。
大谷、12度目の先発
ここでお鉢が回って来たのが大谷選手。デーブ・ロバーツ監督は「彼は体調が良いと語っており、トレーナーとも話し合った結果、関係者全員が登板を承認した。そして最も重要なのは、大谷自身だ」と語り、本人も準備が出来ており、快く了承したとのこと。
大谷選手は自身も3日のパイレーツ戦を緊急回避したこともあり、チームのためにというところもあったでしょう。実際、体調はどうだったか?と言えば本人しかわかりませんが、パフォーマンスを見る限り、かなり良かったのではないか?と思われます。
キャリア最高クラスの球速を記録
ドジャース移籍後12度目、8月27日に初めて5イニングを投げ切って以来となる先発登板となった大谷選手は、1回裏から100mphを超える4シームを投げ、シンカー、スプリット、スウィーパー、カーブ、カットとゲームで使っていた球種、すべてをチェックするように惜しみなく披露。ジャクソン・ホリデー、ジェレマイア・ジャクソン、ガナー・ヘンダーソンと三者凡退に打ち取り、上々の立ち上がりでした。
2回裏もミックスした配球が続き、1アウトからコルトン・カウザーからこの日、初めての三振を奪いました。2アウトとなり、エマニュエル・リベラにこの日初安打となるCFへのゴロのシングルを打たれ、ワイルド・ピッチもあって2アウト2塁のピンチを迎えましたが、ルーキーのディラン・ビーバーズから三振を奪い、このイニングも無失点。
3回裏は2アウトからジャクソン・ホリデーに四球を与え、ジェレマイア・ジャクソンのシングルで2アウト1、2塁のピンチを迎えましたが、ガナー・ヘンダーソンをピッチャー・ゴロに打ち取り、無失点。
4回裏、先頭のライアン・マウントキャッスルに2ベースを打たれ、ワイルド・ピッチもあって、ノーアウト3塁のピンチを迎えます。しかし、ここからギアがグンと上がり、コルトン・カウザーとエマニュエル・リベラを連続四球で三振。2アウトを奪ったところでこの日は降板となりました。
この後、アンソニー・バンダが代わりばなに四球を出すも、無失点に抑え、ゲームはスコアレスのまま中盤へ。
MAX 101.7mph
この日、ボールが強かった大谷選手は100mph超えを11球も記録。これは1試合の中ではキャリア最多です。特に4回裏に、コルトン・カウザーとエマニュエル・リベラを連続三振を奪った場面では、100mph超えを計6球も記録。
この日のMAXは101.5mphで、これは6月28日のロイヤルズ戦でマークした自己最高の101.7mphをわずかに下回る数字でした。
大谷選手は3.2イニングで被安打3、スコアレス、BB 1、SO 5でERAは3.75になりました。
6月中旬に始まった大谷のマウンド復帰は、球数も慎重に管理されてきましたが、8月の4回の登板でそれぞれ中6日を空けて、計17.1イニングを投げ、徐々にイニング数も増やしてきました。
5イニング・ペースにはなってきていましたが、この日は病み上がり後であったことと緊急登板ということもあり、3.2イニングで降板。球数は70球でした。ロバーツ監督もこの日は投球効率次第で5イニングもあると言っていましたが、無理をさせず、70球でお役御免にしました。
ドジャース打線、この日も苦戦
9月1日からのパドレス3連戦をスウィープし、ここに来て覚醒した感のあるオリオールズは、さすがに大谷選手からは得点を奪えませんでしたが、5回裏に四球とワイルド・ピッチ絡めた無安打で1点を先制。ジャクソン・ホリデーのホームへのスライディングが素晴らしかったですね。得点を奪われたのはベン・カスパリアスでした。
ディーン・クレマーが緊急降板
オリオールズにもアクシデントがあり、先発のディーン・クレマーが3回を投げきったところで緊急降板。どうやら前腕部に違和感が出たそうです。ちょっと心配です。
その後、緊急で引き継いだのが左腕のディートリック・エンスで、ドジャースはここでなんとかしたかったのですが、4回表に2アウト満塁のチャンスを作るも、ダルトン・ラッシングが見逃し三振で倒れるなど攻めきれず。
ダルトン・ラッシングが自打球で退場
ただ、6回表にフレディー・フリーマンがCFへソロHRを放ち、1-1の同点に追いつきます。そのフリーマンの同点弾の後、ドジャースは2アウトからアンディー・パヘスとキケ・ヘルナンデスが連続シングルを放ち、2アウト1、2塁の勝ち越しのチャンスを作ります。
ここでバッターは前の打席で見逃し三振に倒れたダルトン・ラッシング。オリオールズのピッチャーは右腕のケイド・ストロウド。ケイド・ストロウドはかなりエッジの効いたカットボールを投げていたのですが、ダルトン・ラッシングはその急激にインコースに曲がってくるカットボールを右膝に当てる自打球を放ち、悶絶。このままゲームから離脱してしまいました。
ピンチヒッターにはアレックス・コールが入るも、しぶといコールもここでは三振に倒れ、勝ち越しには失敗。
ダルトン・ラッシングはこれから検査に入りますが、右足に体重をかけることができなかったほど痛めており、IL入りとなる可能性も。
ドジャース、捕手を補充
この後、ベン・ロードヴェット(Ben Rortvedt)がマスクを被りました。ダルトン・ラッシングが軽症であれば良いのですが、万が一ILとなった場合、ドジャースはバックアップの捕手がいない状態に。正捕手ウィル・スミスもパイレーツ戦でファウルチップを右手に受けて治療中です。不幸中の幸いでX線検査は陰性で、数日の離脱で済みそうですが、このシリーズに復帰するかどうかは不明です。
タナー・スコットがサヨナラHRを打たれる
さて、ゲームの方はともにブルペンが踏ん張り、1-1のまま9回裏へ。
ドジャースのマウンドはタナー・スコット。この日は100mph近いボールを投げ、良さそうに見えたのですが、2アウトからサミュエル・バサーロを打席に迎え、2ストライクを奪いながらも、5球目の4シームが甘く入り、これを右中間スタンドに弾き返され、ジ・エンド。
オリオールズが2-1でサヨナラ勝利を納めました。
ドジャースはこれで4連敗。なお、2位のパドレスもこの日は敗れて5連敗。両者のゲーム差は2.0です。ここに来て、ジャイアンツが好調で今、かなりのプッシュを見せております。この日も勝って5連勝となり、首位ドジャースとは6.0ゲーム差、2位パドレスとは4.0ゲーム差です。
ドジャース、踏ん張りどころですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント