TEXはオフェンスを再建中
現地2025年5月6日、シアトル・マリナーズはライバルのテキサス・レンジャーズからOFのレオディー・タベラス(Leody Taveras)をウェーバーでクレームオフ(獲得)しました。
こちらは双方のクラブから発表があり、すでにオフィシャルです。
貧打で苦しむTEX
デグロムのマイルストーン達成記事の中でも書かせていただきましたが、レンジャーズは打撃不振が過ぎて、オフェンシブ・コーチで2023年のワールドシリーズチャンプにも貢献したドニー・エッカー(Donnie Ecker)を解任したほど。
現地2025年5月5日時点のレンジャーズのチーム打率は.228でこれはMLBで25位、ALで15チーム中12位というランク。あのレンジャーズが⁉️と目を疑ってしまうほどの不調です。
コーリー・シーガーはそれなりの数字を残しているのですが、彼もまだ本調子とは言えず。深刻なのがチームリーダーのマーカス・セミエンで、リードオフの調子が上がって来ないとなかなか得点力に結びつきません。さらに、オフに攻撃力強化で獲得したジョク・ピダーソンはもう悲惨そのもの。
- コーリー・シーガー:.291/.344/.453
- マーカス・セミエン:.182/.268/.240
- ジョク・ピダーソン:094/.181/.153
- ジェイク・バーガー:.190/.231/.330
ジョナ・ハイムやジョシュ・ヤング、ワイアット・ラングフォードら若手は割と好調なのですが、ロングヒッターのジェイク・バーガーも調子が悪過ぎてマイナーへオプションされている状況です。
そしてレンジャーズは現地2025年5月6日、ブレット・ブーン(Bret Boone)を新しいヒッティング・コーチとして採用したと発表しました。ブレット・ブーンと言えば、マリナーズのアイコン的存在の人ですね。
ロスターの動き
さて、レオディー・タベラスがマリナーズへ動いたことで双方ともにロスターに動きがあります。
レンジャーズ
まず、レンジャーズは2023年のポストシーズンで活躍したエバン・カーターをアクティブ・ロスターに戻しました。エバン・カーターは2023年は23試合のみの出場ながら、306/.413/.645.を記録し、レンジャーズのモメンタムを作りました。
しかし、フルシーズンとなった2024年は.188/.272/.361と大きく落ち込み、開幕ロスターから外れておりました。2025年はトリプルAでも.221/.333/.416と苦戦していたのですが、これを機会にコールアップということに。
マリナーズ
一方、マリナーズは40manロスターのスペースを空けるために、右腕のルイス・F・カスティーヨ(あのエースのルイス・カスティーヨではない)をDFAとしてスペースを確保しました。ルイス・F・カスティーヨは下記をご参照。

Strange but true! Luis F. Castillo is getting called up by the Mariners to start one game after Luis M. Castillo pitched for Seattle! 🔱 pic.twitter.com/3dmaxXJnhk
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) April 3, 2025
TEXの考え
今回、レンジャーズがレオディー・タベラスをDFAではなく、ウェーバーにかけた理由ですが、おそらくサラリーを引き取ってもらうため。
レオディー・タベラスは26歳でMLSは2025年1月時点で3.124。2020年から出場し始めたタベラスは2024はスーパー2で、1年/$2.55M (2024)でサイン。メジャー最低年俸ではなかったのです。ゆえに2025年はさらにサラリーが上がり、1年/$4.75M (2025)。現時点でサラリーは約3.7Mほどが残っており、これがもしDFAであれば、ウェーバーを通過すれば獲得したクラブはメジャー最低年俸でサインすればよく、レンジャーズはその差し引き分を支払わなければなりません。
ところが、ウェーバーであれば、獲得したクラブがその残債を引き継ぐことになり、今回はマリナーズがそれを負うことになります。
その使い分けですが、もしもDFAであればマイナーに残せる可能性がありますが、ウェーバーの場合は手を挙げたチームに譲渡することになり、もう戻すことが出来ません。
TEXの贅沢税
レンジャーズは現時点で贅沢税上のサラリーは$235.4Mほど。今季の閾値は$241Mですからまだスペースが空いており、レオディー・タベラスの分をさらに引き下げることが出来、2023年、2024年と閾値を超えていた分を今季はリセットする計算もあるかと。
L・タベラスも今季は苦戦
2015年にインターナショナルFAとして、$2.1Mのサイニング・ボーナスで契約したレオディー・タベラスはレンジャーズのトッププロスペクトとして、重宝されていて、そのスピードとディフェンスで注目されていました。
ただ、オフェンス面でなかなか強さを発揮出来ませんでした。2022年に.261/.309/.366、OPS .675、HRは5本。
2023年は.266/.312/.421、OPS .733、HR 14、RBI 67といい結果を出し、レンジャーズのワールドシリーズ制覇に貢献。
ただ、2024年は.229/.289/.352、OPS .641と落ちました。
今季は復活を期したシーズンでしたが、.241/.259/.342、OPS .601を上がらず、BB率は2.4%、SO率は28%と不調でした。
M’sはビクター・ロブレスのロールを期待
移籍して成績が上がるケースは結構多く、マリナーズもレオディー・タベラスにそれを期待しております。
マリナーズには実績があり、2024年5月27日にナショナルズからDFAとなり、6月1日にリリースとなったビクター・ロブレスと6月4日にサイン。
その後、ビクター・ロブレスは好成績を収め、昨年、入団からわずか2カ月で契約延長にこぎつけました。2024年のマリナーズでのビクター・ロブレスの成績は.328/.393/.467、OPS .860、HR 4。
ロブレスは離脱中
ただ、そのビクター・ロブレスですが、開幕して早々の4月8日のゲームで左肩を脱臼。怪我をした当初は復帰まで12週間というスケジュールが出ておりました。現時点で約1/3ほどが経過しており、オールスター前には復帰できるのでは?とも言われています。
今回、マリナーズはレオディー・タベラスにビクター・ロブレスのような動きをしてくれれば?という期待も込めての獲得です。
M’sのコーナーOFが今ひとつ機能しておらず
マリナーズは捕手のカル・ラレーが絶好調で、打撃を牽引していますが、オフェンス力が期待されるOFはフリオ・ロドリゲスは元気なものの、他は今ひとつです。
まず、ルーク・レイリーは斜角筋の張りのために10 Days IL。ランディー・アロウザリナはゲームに出場しているものの、.218/ .367/.403、HR 5と今ひとつ調子に乗れず。
ライラン・トーマスやマイルズ・マストロブオーニなどもおりますが、今ひとつインパクトが弱いです。
ここでスイッチヒッターのレオディー・タベラスが入ることで、マリナーズにとっては選択肢が増えますし、悪くない投資ではないかと思ます。
NPBにもいたL・カスティーヨ
マリナーズをDFAとなったルイス・F・カスティーヨは、30歳の右腕。2022年にメジャー・デビュー後、2023年は千葉ロッテマリーンズに在籍し、1軍では12試合で3勝3敗、ERA 3.12。
2024年はオリックス・バファローズに移籍し、15試合で3勝5敗、ERA 2.96。
今季はマリナーズで2試合のみの登板で、DFAとなりました。NPBでの実績もあり、おそらく次もすぐに決まると思われます。
TEX、早速打撃に効果
レンジャーズですが、現地2025年5月6日はフェンウェイ・パークでレッドソックスとのゲーム。
この日は4回にルーカス・ジオリトに連打を浴びせ、6-1で勝利。早速打撃のテコ入れの効果が出た模様です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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